あらすじ

帝一族の復讐を誓う任安楽(じんあんらく)は、盟友の洛銘西と共に、朝廷の重臣・古雲年(こうんねん)を失脚させるための計画を進める。科挙試験が終わった夜、都で最も華やかな妓楼で開かれた花魁の宴が、その計画の舞台となる。皇太子の韓燁(かんよう)も居合わせる中、古雲年の息子の取り巻きが謎の転落死を遂げる事件が発生。大理寺少卿として捜査に乗り出した安楽は、事件の裏に隠された科挙試験の大きな不正の証拠を掴む。しかし、真相究明の先には、さらなる権力者たちの思惑が渦巻いていた。

ネタバレ

今回は、ただでさえ複雑な宮廷の駆け引きに、殺人事件というスパイスが加わって、一気に物語が加速しますよ!任安楽(じんあんらく)の真骨頂が発揮される、見逃せない回です!

陰謀の幕開けは、一冊の「イケメンランキング」から

前回、大理寺少卿の職を得た任安楽(じんあんらく)ですが、彼女の本当の狙いは、帝一族を陥れた黒幕、忠義侯・古雲年(こうんねん)への復讐です。彼女は盟友である刑部尚書の洛銘西と密会し、古雲年(こうんねん)の悪事の証拠を掴んだことを報告します。

ここで洛銘西が安楽に渡すのが、なんともユニークな秘密兵器。一見すると「大靖イケメンランキング」にしか見えないその書物を火で炙ると、なんと古雲年一派のリストが浮かび上がる仕掛けなんです!こんなオシャレな密書、見たことありますか?

そこへ偶然(?)やってきたのが、皇太子の韓燁(かんよう)。安楽と洛銘西の親密な様子を見て、明らかにヤキモチを焼いているのが可愛いんですよね。安楽は持ち前の口八丁でその場をうまく切り抜け、韓燁(かんよう)に怪しまれることなく、洛銘西と公然と会う口実まで作ってしまいます。彼女の次のターゲットは、古雲年のバカ息子、古斉善(こせいぜん)に定まりました。

花魁の宴に散った命と、暴かれた不正

そして舞台は、都で最も華やかな場所、翎湘楼(れいしょうろう)へ。科挙の試験が終わった夜、大靖一の花魁・琳琅(りんろう)の舞を一目見ようと、多くの人々が集まっています。もちろん、安楽、韓燁、洛銘西、そして溫朔の姿も。

しかし、この宴をぶち壊すように現れたのが、古斉善(こせいぜん)とその取り巻きの林聰(りんそう)です。彼らは傍若無人に振る舞い、貧しい書生たちを追い出そうとするなど、やりたい放題。

宴が最高潮に達し、花魁・琳琅(りんろう)が舞を披露していたその時、事件は起こります。林聰(りんそう)が突然、高所から転落して死亡したのです。騒然となる店内。しかし、我らが任安楽は冷静でした。

彼女はさっそく捜査を開始。古斉善はただの事故だと言い張りますが、安楽は亡くなった林聰の服から、科挙試験のカンニングペーパーを発見します。そこには、不正に関わった学生たちの名前がびっしりと書かれていました。これぞ決定的な証拠!韓燁はすぐさま古斉善たちを投獄するよう命じます。

権力者たちの思惑と、安楽の次なる一手

息子が捕まったと聞き、古雲年は大慌て。彼は任安楽を呼びつけ、脅したりすかしたりして息子を助けるよう迫ります。安楽は、古雲年を油断させるために協力するふりをし、彼を安心させます。

一方、韓燁は皇帝に事件の真相究明を直訴。しかし、古雲年の権力を無視できない皇帝は、韓燁に「3日以内」という厳しい期限付きで事件解決を命じるのでした。

その夜、思い悩む韓燁のもとを安楽が訪れます。そして、こんな大胆な約束を取り付けるのです。「もし私が真犯人を見つけ出したら、太子妃の座は私のものよ!」と。

事件の捜査を任された大理寺では、役人の間で意見が対立。正義感の強い黄浦(こうほ)は徹底的な尋問を主張しますが、上司の裴沾(はいせん)は貴族との面倒を恐れて及び腰です。そこで安楽は、裴沾(はいせん)をそそのかし、捜査の全権を手に入れることに成功。怒って去っていく黄浦(こうほ)の背中を見送りながら、安楽は部下の苑琴(えん きん)に、今度は裴沾の動きを監視するよう、密かに命じるのでした。

『安楽伝』第3話の感想

第3話は、任安楽の知略と行動力が存分に発揮された、非常に中身の濃いエピソードでした。彼女がただ皇太子に求婚するだけの破天荒な女性ではないことが、改めて示されます。洛銘西との息の合った連携で権力の中枢に切り込んでいく様子は、見ていて実に爽快です。一方で、安楽と洛銘西の親密さに嫉妬を隠せない韓燁の姿は、策謀が渦巻く物語の中で心を和ませてくれる貴重な要素となっています。恋愛模様だけでなく、科挙の不正問題を絡めた権力闘争、そして殺人事件のミステリーと、複数の物語がテンポよく同時進行していく脚本は見事というほかありません。特に、安楽が老獪な古雲年や保身しか考えない裴沾を手玉に取る場面は、彼女の賢さが際立っており、今後の展開への期待を大いに高めてくれました。

つづく