あらすじ
辺境の地、牢蘭関で軍を率いる皇孫の李嶷(りぎょく)。彼は穏やかな日々を過ごしていたが、都で謀反が起き、皇帝が暗殺されたという衝撃的な知らせを受け取る。国を救うという重責を背負い、彼は挙兵を決意。まずは軍資金を確保するため、豪商を捕らえようと動き出す。しかし、同じ目的を持つ謎の女性、崔琳(さいりん)と遭遇。二人はそれぞれの思惑を胸に、激しく対立することになる。
ネタバレ
突然のバッドニュース
辺境の砦、牢蘭関。鎮西軍を率いる元帥の李嶷(りぎょく)は、部下たちと餅を分け合って、わりとのんきにやっていた。皇族の生まれだけど、都から離れて気ままな生活。それが彼の望みだったみたいだ。
そこへ一本の矢文が飛んでくる。敵襲か、と一瞬で空気が張り詰める。斥候の謝長耳が地面に耳を当てて様子をうかがう。どうやら敵じゃない。やってきたのは鎮西都護軍の裴献(ペイ・シェン)だった。
彼がもたらした知らせは、とんでもないものだった。都で謀反が起きた。皇帝は奸臣の孫靖(そんせい)に毒殺され、皇太子は自害。皇族のほとんどが殺されて、都は陥落したっていうんだ。平穏な日々は、ここで完全に終わりを告げた。国を救うっていう、とてつもなく重い役目が、いきなり李嶷(りぎょく)の肩にのしかかってきたわけだ。
宿命のライバル登場?
国を救うには、まず軍資金がいる。李嶷は裴献と組んで、食糧を牛耳る商人の皮四郎(ひしろう)を捕まえようと動き出す。だけど、同じことを考えてるやつが他にもいた。
それが崔琳(さいりん)だ。
李嶷は皮四郎を追って、ある建物の浴場に忍び込む。そこで崔琳(さいりん)と鉢合わせ。お互いを敵だと思って、風呂場で激しい水中戦が始まるんだ。どっちも引かない。その乱闘のさなか、二人はお互いの持ち物を取り違えてしまう。李嶷が手にしたのは、崔氏一族の紋章が入った短剣。これで相手の正体に気づく。彼女もまた、勤王の旗を掲げる勢力の一人だった。
騙し合いの始まり
その夜、二人はまたばったり会う。崔琳はとっさに皇太孫(たいそん)の居場所を知っていると嘘をつく。李嶷は一瞬その言葉を信じ、彼女が仕掛けた罠にはまってしまう。一杯食わされたかたちだ。
でも、李嶷もやられてばかりじゃない。すぐに頭を切り替える。皮四郎が崔琳の一味に軟禁されていることを突き止めると、見事な計略で城の中に潜り込むことに成功する。崔家が自分たちより一枚上手で、先手を打っていることを知るんだ。
李嶷は焦らない。望州城で待ち伏せして、チャンスをうかがうことに決める。案の定、逃亡する崔琳と正面から対峙することになった。テーブルを挟んで交渉が始まるけど、これはまだ始まりに過ぎない。国をかけた、壮大な化かし合いの幕が上がったんだ。
感想
いやー、第1話から飛ばすよな。のんびりした辺境のシーンから一転、国がひっくり返るほどの緊急事態に叩き込まれる。このスピード感がたまらない。主人公の李嶷は、普段は飄々としてるのに、いざとなると頭がキレるし、めちゃくちゃ強い。そのギャップがいい。そして、もう一人の主役、崔琳。彼女も負けず劣らずの策略家で、武術の腕も立つ。この二人が出会って、いきなり風呂場で大立ち回りとか、予想外すぎて笑ったよ。お互いの腹を探り合い、騙し合う関係性が、これからどう変化していくのか。ただのラブコメじゃない、骨太な物語の始まりを感じさせてくれた。これは面白いことになりそうだ。
つづく