あらすじ

記念すべきシンガポールへの初就航便で、急病人が発生する。機長の江韜(ジアン・タオ)は、これ以上の遅延を避けるため、周囲の反対を押し切って目的地への直行を決断。しかし、着陸後、その乗客は息を引き取ってしまう。この一件は、一人のパイロットの判断ミスという単純な話では終わらない。会社の威信、遺族の悲しみ、そして乗務員たちの責任感が複雑に絡み合い、大きな社会問題へと発展していく。追い詰められた江韜と、彼を支えようとする程霄(チョン・シアオ)たちの運命は、重い霧の中へと進んでいく。

ネタバレ

今回はマジで胃がキリキリする回だったよ。『フライト・トゥ・ユー』の第30話、ちょっと重いけど付き合ってくれ。

最悪の事態

物語は上空から始まる。江韜(ジアン・タオ)が機長を務めるフライトで、乗客が急に倒れちまうんだ。副操縦士の程霄(チョン・シアオ)や、同乗してた顧南亭(ナンティン)も緊急着陸を提案する。でも、江韜(ジアン・タオ)は首を縦に振らない。目的地であるシンガポールへの直行を決めるんだよ。

まあ、彼の言い分も分からなくはない。このフライトはただでさえ天候で一度遅れてる。これ以上遅れたら、会社のメンツが丸つぶれ。病人も一度は意識を取り戻した。そういう状況で、彼は進むことを選んだ。

でも、顧南亭(ナンティン)は納得いかない。客室の電話を使ってまで江韜に抗議する。だけど、江韜は規則違反だって一喝。それどころか、客室乗務員の艾佳(アイ・ジア)に通信機器を見張らせる始末。もう、完全に聞く耳を持たない状態だ。

届かなかった祈り

飛行機はなんとかシンガポールのチャンギ空港に到着する。でも、みんながホッとしたのも束の間、あの乗客が息を引き取った。着陸直前に心臓が止まってしまったんだ。

知らせを聞いた江韜は、さすがに顔面蒼白。艾佳(アイ・ジア)たちが心臓マッサージを試みて、医者も駆けつけたけど、もう手遅れだった。息子を亡くした父親は、その場で泣き崩れる。見てるこっちも辛くなるシーンだよ。

江韜の対応がまた、なんとも言えない。乗務員たちに会社のイメージを損なうなマスコミの取材は受けるなって釘を刺すんだ。保身に走る気持ちは分かる。分かるけど、人が一人亡くなってるんだぜ?

空港で待っていた遺族の父親は、怒りと悲しみで我を忘れてる。スタッフに掴みかかって息子を返せって叫ぶ。その光景を見て、程霄(チョン・シアオ)はただ立ち尽くすことしかできない。彼女の顔が、この出来事の重さを全部物語ってたな。

顧南亭の過去と程霄の涙

すっかり落ち込んで、一人で海辺に座り込む程霄。そこにやってくるのが、やっぱり顧南亭なんだよな。彼は静かに自分の過去を語り始める。昔、自分の恋人がパイロットで、操作ミスが原因の事故で亡くなったことを。

ああ、だから彼はあんなに安全、安全って口うるさく言ってたのか。ここで全部つながった。彼の言葉は、ただの規則じゃない。失った命の重みから来てるんだ。顧南亭は程霄を励まし、前を向かせようとする。

その二人を、遠くから倪湛(ニー・ジャン)が見てる。彼の表情がまた切ない。入る隙間がないって分かってる顔だった。

泥沼化する責任問題

数日後、会社に戻った江韜。上司の徐策(シュー・ツー)は君の判断は間違ってないとかばう。でも、世間はそう甘くない。

亡くなった乗客の父親は弁護士を雇って、会社を訴える準備を始める。弁護士は緊急着陸しなかったせいで、助かる命を逃したと主張。江韜は規則通りだと反論するけど、相手は一枚上手。江韜が副社長の座を狙ってることを知ってて、揺さぶりをかけてくる。

さらに、弁護士は遺族の父親に会社の入り口で動画を撮らせる。 鷺洲(ルージョウ)航空のせいで息子は死んだと涙ながらに訴える動画は、ネットで一気に拡散。江韜は完全に悪者扱いだ。

江韜の頼みと程霄の決意

社内でも調査が始まり、追い詰められた江韜は、夜中に程霄を呼び出す。そして、信じられないことを頼むんだ。緊急着陸を検討した事実を隠してくれと。自分のキャリアを守るために、事実を捻じ曲げようとした。

でも、程霄は彼の頼みを断る。彼女は、江韜の判断自体は間違っていなかったと信じてる。だから、隠すんじゃなくて、一緒に責任を負いますって言うんだ。

それを聞いた江韜は、言葉を失う。自分の保身しか考えてなかった男にとって、程霄のまっすぐな言葉は、あまりにも重かったんだろうな。

第30話の感想

今回は本当にヘビーな回だった。江韜の判断は、結果だけ見れば最悪だ。でも、機長っていうポジションのプレッシャーを考えると、一概に彼だけを責められない気もする。彼の人間的な弱さやプライドが、リアルに描かれてて胸が痛かったよ。

そして、ついに明かされた顧南亭の過去。彼がなぜあれほどまでに安全に固執するのか、その理由が分かって、キャラクターの深みが一気に増した。落ち込む程霄に寄り添うシーンは、このドラマのベストシーンの一つだと思う。

一方で、どんどん泥沼化していく責任問題。ネットで拡散される動画とか、現代社会の嫌な部分も描かれてて、すごく考えさせられた。遺族の気持ちも、会社の立場も分かるから、本当にやるせない。

最後に江韜の隠蔽工作を拒否した程霄。彼女のパイロットとしての誇りと正義感が光ってた。この一件で、彼女はまた一つ大きく成長するんだろうな。

つづく