あらすじとネタバレ
いやー、今回の話は本当にキツかった。覚悟して読んでくれよな。
孫家の没落、決定的な証拠
まず動いたのは沈驚鴻(しんきょうこう)の息子、孫雲謙(そんうんけん)に会う。力を貸してほしいと。もちろん孫雲謙はためらう。自分の父親を売れって話だからな。当たり前だ。でも沈驚鴻(しんきょうこう)は諦めない。孫家は守ると約束する。正義感の強い孫雲謙は、めちゃくちゃ悩んだ末に、ついに折れた。父親の不正がびっしり書かれた帳簿を、親友である沈驚鴻(しんきょうこう)に託したんだ。
朝議の場で、沈驚鴻はその帳簿を皇帝・劉琛(りゅうしん)に提出する。これで孫家の不正は確定だ。沈驚鴻は、息子である孫雲謙が協力したことを理由に、寛大な処分を求めた。ここまでは、彼の計画通りだったはずだ。
裏切りの連鎖
だが、話はここで終わらない。突然、周大人(しゅうたいじん)っていう別の役人が割って入ってきた。孫汝(そんじょ)は北涼(ほくりょう)と内通していました!つまり、国を裏切っていたってことだ。これには劉琛(りゅうしん)もブチギレた。不正どころの話じゃない。即刻、孫汝(そんじょ)の死罪を命令する。さらに、孫家の男は全員流罪、女は奴婢に落とすと決めた。一族の完全な破滅だ。
この結果に、孫雲謙は絶望する。彼は沈驚鴻を殴りつけた。親友だと思ってたのに、俺を利用したのか!もう驚鴻兄とは呼ばない。沈大人と突き放す。沈驚鴻は約束を守れなかった。いや、守らせてもらえなかった。
柔嘉の暗躍と慕灼華(ぼしゃくか)の気づき
この裏で糸を引いていたのは、もちろん柔嘉(じゅうか)公主だ。彼女は孫家を潰した周大人(しゅうたいじん)と接触し、新たな協力関係を結ぶ。沈驚鴻は柔嘉を問い詰める。いつから周家と手を組んでいたんだ?柔嘉の答えが、また冷酷なんだよ。孫雲謙の命は助かったじゃないですか悪びれる様子がまったくない。この一言で、沈驚鴻は完全に目が覚めた。怒って彼女の元を去っていく。二人の関係は終わったな。
その頃、慕灼華(ぼしゃくか)は朝議で大活躍していた。恩蔭(おんいん)制度の新しい改革案を堂々と発表して、劉衍(りゅうえん)や他の大臣たちからも賛同を得る。仕事は絶好調だ。でも、劉衍(りゅうえん)から不穏な話を聞かされる。慕灼華(ぼしゃくか)の師匠を殺した真犯人は別にいる。その黒幕は、劉皎(りゅうきょう)かもしれない、と。慕灼華も、自分があやうく柔嘉の罠にはまるところだったと気づく。
悲劇の結末
そして、柔嘉は最後の仕上げにかかる。火事の中から孫汝の娘、孫紜紜(そんうんうん)を助け出した。恩を売った上で、彼女にこう囁くんだ。孫家がこんなことになったのは、全部、慕灼華のせいよと。完全に憎しみを誘導している。
その頃、すべてに絶望した孫雲謙は酒をあおり、自ら命を絶ってしまう。その現場を見てしまった姉の孫紜紜(そんうんうん)は、すべての怒りと悲しみの矛先を、慕灼華に向けることになった。
第33話の感想
今回は、とにかく劉皎(りゅうきょう)の底知れない恐ろしさが際立つ回だった。彼女はもう、ただの悲劇の姫じゃない。目的のためなら、人の心も命も平気で駒として使う怪物だ。正義を信じて苦悩の末に父親を告発した孫雲謙が、一番悲惨な結末を迎えるなんて皮肉すぎる。彼が沈驚鴻を殴り、沈大人と呼んだシーンは、友情が完全に壊れた瞬間で胸が痛かったな。沈驚鴻も、自分の正義が招いた結果に打ちのめされていて、見ていて辛い。一方で、慕灼華が朝廷で輝かしい成果を上げる裏で、とんでもない憎悪を向けられることになる構図がエグい。柔嘉が孫紜紜(そんうんうん)の心に毒を注ぎ込むシーンは、静かだけど一番ゾッとした。物語が、もう後戻りできない領域に入った感じがする。
つづく