あらすじ
第16話では、裴溯(ペイ・スー)が怪我から回復し、事件の捜査が進展します。鄭凱鋒(ジェン・カイフォン)に繋がる新たな証拠が見つかるも、それはあまりにも不自然で、裴溯と駱為昭(ルオ・ウェイジャオ)は真犯人の罠ではないかと疑念を抱きます。一方、裴溯は周懐景(ジョウ・ホワイジン)と接触し、事件の真相を探ろうとします。周家内部の複雑な事情、そして鄭凱鋒の真意とは?裴溯は少しずつ核心に近づいていきます。退院後、駱為昭の自宅に身を寄せる裴溯。そこで彼は、駱為昭の母親と出会い、温かい交流を持つ一方で、自身の過去と向き合うことになります。駱為昭からの3つの質問は、裴溯の心の奥底に眠る闇を呼び覚まします。そして、物語は衝撃のラストシーンへと繋がっていきます。
ネタバレ
16話は、裴溯(ペイ・スー)の視点から物語が大きく動き出す。首の怪我から回復した裴溯(ペイ・スー)は、まだ入院中。身動きは取れないものの、駱為昭(ルオ・ウェイジャオ)の差し入れる食事を前に、事件の進展を共有される。鄭凱鋒(ジェン・カイフォン)の指紋が意外な場所で発見されたのだ。殺害された男の部屋で。だが、あまりにも露骨すぎる証拠に、駱為昭(ルオ・ウェイジャオ)は違和感を覚える。裴溯も同意見だ。これは、真犯人による巧妙な罠ではないのか?
病室の静寂の中、裴溯は事件の真相へと迫ろうとする。鄭凱鋒が殺人を犯す動機は見当たらない。周懐景(ジョウ・ホワイジン)との会話から、周家の相続争い、そして鄭凱鋒の思惑が少しずつ明らかになっていく。だが、裴溯は何かが腑に落ちない。鄭凱鋒は、もっと大きな陰謀の犠牲者なのではないか?そう、まるでチェスの駒のように…。周懐景の反応から、裴溯の推理は核心に近づいていると確信する。
退院後、裴溯は駱為昭の自宅へ身を寄せる。そこで彼を待っていたのは、思いがけない再会だった。駱為昭の母、鄒鳳(ゾウ・フォン)との出会い。差し入れられた温かい食事、そして優しい言葉。それは、孤独な裴溯の心に小さな灯をともす。だが、過去からの影は、彼を簡単に解放してはくれない。幼い頃の辛い記憶、父親による残酷な実験、そして無力な自分。夕食後、駱為昭は裴溯に3つの質問を投げかける。その最後の質問、「なぜ、あの時、私の家から出て行ったのか?」は、裴溯の心を深くえぐる。凍りついたように固まる裴溯。酒杯を握りしめる手に、彼の苦悩が滲み出す。
眠れない夜。二人の間に沈黙が流れる。互いを理解したい、でも踏み込めない。そんなもどかしさが、二人の距離を近づけ、そして遠ざける。翌朝、目覚めた裴溯は、駱為昭の姿がないことに気づく。机の上には朝食が用意されている。静まり返った部屋で、裴溯は駱為昭の書斎へと足を踏み入れる。そこで彼が目にしたのは、一枚の古い写真。そして、ある記憶の断片が繋がる。杜部長(杜(ドゥー)部長)の部屋にあった写真と同じもの。それは、潘雲衡(パン・ユンヘン)の存在を示唆していた。ついに、全てのピースが揃い始めた。急いで杜佳(ドゥー・ジア)に電話をかけ、ある人物の名前を調べるよう指示する。事件の真相は、深い闇の底に隠されている。裴溯の瞳は、その闇を鋭く見据えていた。
『光・淵(こうえん)』第16話の感想
第16話は、静かな水面下で大きな渦が巻いているような、そんな緊張感に満ちたエピソードでした。核心に迫るような重要な情報が断片的に提示され、パズルのピースが少しずつ埋まっていく感覚を味わえました。特に、鄭凱鋒の死をめぐる謎は深まるばかり。単純な殺人事件ではないことは明白で、背後に潜む巨大な陰謀の存在を感じさせます。裴溯と周懐景の会話は、緊迫感がありながらも、どこか探り合うような駆け引きが見え隠れし、非常にスリリングでした。
また、このエピソードでは、裴溯の過去が断片的に描かれ、彼の抱える闇の深さがより鮮明になりました。幼少期のトラウマ、そして父親との複雑な関係。彼が抱える心の傷は、事件の真相を解き明かす鍵となるのでしょうか?駱為昭との微妙な距離感も気になります。互いを理解したいという気持ちと、踏み込めないもどかしさ。二人の関係性の変化にも注目したいところです。
つづく