あらすじ

特調組に、国際学院の学生失踪事件の知らせが入る。優秀な学生リーダー馮彬(フォン・ビン)を筆頭に、複数の学生が行方不明になったという。駱為昭(ルオ・ウェイジャオ)たちはすぐさま捜査を開始するが、事件は単純な家出とは異なる様相を呈していく。一方、裴溯(ペイ・スー)は自身の研究テーマを潘教授(パンきょうじゅ)に相談するが、教授の反応はどこか曖昧で、裴溯の心に疑問を残す。そんな中、楊曦(ヤン・シー)の母が重い病を患っていることが発覚し、駱為昭は彼女の身を案じる。そして、失踪事件は思わぬ展開を見せ、捜査は混迷を極めていく。

ネタバレ

17話は、静かに、しかし確実に深淵へと引きずり込まれるような、不穏な幕開けとなった。小五(シャオウー)お手製の朝食で始まる和やかな雰囲気も、新たな事件の知らせで一変する。失踪した大学生たち。一見、単純な家出事件と思われたが、被害者たちが通う国際学院という特殊性、そして事件の背後に見え隠れする不気味な影が、捜査を複雑化させていく。

今回の事件の中心人物は、優秀な学生リーダー馮彬(フォン・ビン)。彼がなぜ、他の学生たちを巻き込み姿を消したのか?駱為昭(ルオ・ウェイジャオ)たちは、馮彬の動機を探るべく捜査を開始する。タイムリミットは3日。しかし、そのタイムリミットは残酷な現実を突きつけることになる。

一方、裴溯(ペイ・スー)は、潘教授(パンきょうじゅ)に論文のテーマを相談する。選んだテーマは「零度共情者と心理学犯罪因果」。近頃頻発する不可解な事件、そして駱為昭(ルオ・ウェイジャオ)の抱える闇…裴溯(ペイ・スー)の鋭い洞察力は、事件の核心へと迫ろうとしていた。しかし、潘教授の反応はどこか歯切れが悪く、二人の間に流れる微妙な空気が、謎をさらに深める。

私生活では、楊曦(ヤン・シー)の母がリンパ癌の末期であることが発覚。駱為昭は、恩師の妻の病状に心を痛め、楊曦の今後のことを案じる。そんな中、楊曦の父、楊证鋒(ヤン・ジェンフォン)が生前に残した手紙が発見される。そこには、変わり果てた“誰か”への警戒と、家族を守るための切実な願いが綴られていた。まるで、今まさに起きている事件を予期していたかのような内容に、駱為昭は言葉を失う。

そして、最悪の知らせが届く。失踪した大学生の一人、馮彬が遺体で発見されたのだ。彼の死因は、10年前の未解決事件を彷彿とさせる、残忍な方法だった。事件は単なる失踪事件ではなく、より深い闇へと繋がっていることを示唆していた。

さらに、現場に残されたピンク色のヘアバンドは、もう一人の失踪者、夏希楠(シア・シーナン)のものだった。恐怖に怯える夏希楠。一体彼女は何を目撃したのか?事件はますます混迷を極め、駱為昭たちの前に立ちはだかる壁は、高く、そして厚くなっていく。

17話は、様々な伏線が散りばめられた、息詰まる展開となった。事件の真相、そして駱為昭と裴溯の関係、楊曦の母の病状…

『光・淵(こうえん)』第17話の感想

第17話は、重苦しい空気が終始漂う、息苦しいエピソードでした。冒頭の小五の手作り朝食のシーンは、嵐の前の静けさのようにも感じられ、続く失踪事件の知らせで一気に緊張感が高まりました。一見普通の家出事件と思いきや、国際学院という特殊な環境、そして優秀な学生リーダー馮彬の不可解な行動が、事件の奥深さを予感させます。

特に印象的だったのは、楊曦の母の病状と、楊证鋒の手紙です。愛する家族を守るための切実な思いが綴られた手紙は、胸を締め付けられるものがありました。そして、その手紙の内容が現在の事件と繋がっている可能性を示唆するシーンは、鳥肌が立つほどの衝撃でした。まるで、過去の亡霊が現在の事件を操っているかのような、不気味な感覚に陥りました。

馮彬の遺体の発見は、事件をさらに複雑化させました。10年前の未解決事件との類似性、そして現場に残された夏希楠のヘアバンド。一つ一つのピースが、大きな闇を形作っていく過程に、見ているこちらも息を呑みました。

つづく