あらすじ

裴溯(ペイ・スー)は駱家を出ていきますが、駱為昭(ルオ・ウェイジャオ)は彼を連れ戻します。二人は地下室をめぐり、互いの想いをぶつけ合います。裴溯は自身の過去、そして、裴承宇(ペイ・チョンユー)との関係を駱為昭に明かします。同時に、裴承宇の背後に存在する巨大な組織の陰謀が徐々に明らかになり、物語は緊迫感を増していきます。一方、張一凡(ジャン・イーファン)は学校で起きた事件を告発することを決意し、警察が動き出します。肖翰揚(シャオ・ハンヤン)は復職を願い出ますが、まだ許可は下りません。裴溯は重要な証人である王肖(ワン・シャオ)に接触を試みます。王肖は口を閉ざしていますが、裴溯の巧みな誘導により、ついに重要な情報を語り始めます。事件の真相解明に向けて、物語は大きく動き出します。

ネタバレ

荷物を抱え、駱家を出ていく裴溯(ペイ・スー)。一人、夜空の下で物思いにふける彼の脳裏には、幼い頃の辛い記憶が蘇ります。迎えに来た杜佳(ドゥー・ジア)に皮肉を言われながらも、どこか寂しげな裴溯(ペイ・スー)。そこに一台の車が急停車し、降りてきたのは駱為昭(ルオ・ウェイジャオ)!有無を言わさず裴溯の荷物を奪い去ります。

駱家に連れ戻された裴溯に、駱為昭(ルオ・ウェイジャオ)は地下室への特別な感情を告白。驚きを隠せない裴溯は、またしても逃げ出そうとしますが、駱為昭は彼を引き止めます。地下室で自傷行為をする裴溯の姿を見て、心を痛めていた駱為昭。その真意を問いただそうとしますが、裴溯は言葉を遮ります。それでも駱為昭は自分の気持ちを伝え続けます。裴溯を特別な存在として見ていること、だからこそ厳しく接してしまうこと、そして、一人で抱え込ませたことを後悔していること…。沈黙を破り、裴溯は重い口を開きます。「あの地下室は…裴承宇(ペイ・チョンユー)も使っていた」

裴承宇(ペイ・チョンユー)の支配、母親への虐待、そして、母親の自殺…。幼い頃から裴承宇の呪縛から逃れようともがいていた裴溯の壮絶な過去が明らかになります。母親から教えられた「自由」という言葉も、共感能力の欠如した裴溯には理解できず、冷淡な反応しかできませんでした。母親の自殺後、裴溯は意図的に捜査当局を介入させます。それは裴承宇だけでなく、その背後に潜む巨大な組織「光耀基金」を潰すためでした。しかし、光耀基金はただの隠れ蓑。真の黒幕は別に存在するのです。そして、裴溯は祖父の事故死にも、この組織が関わっているのではないかと疑念を抱いていました。皮肉にも、裴承宇自身も組織に反旗を翻したことで、命を落とすことになります。

組織の目的は、富豪たちを操り、自分たちの権力を拡大すること。裴承宇が資金提供を止めると、彼らは新たなパトロンを見つけ、裴承宇を葬り去りました。周懐景(ジョウ・ホワイジン)の事件を思い出し、駱為昭は組織の黒幕が複数いる可能性に気づきます。そして、楊証鋒(ヤン・ジョンフォン)の死にも組織が関わっているのではと、裴溯に問いかけます。過去の事件との関連性、そして、組織が新たな金主を探していること…すべてが繋がっていく中で、裴溯は自分自身が組織に狙われていることを悟ります。心配する駱為昭に対し、裴溯は組織に接触したことを告白。しかし、それは組織を内部から壊滅させるための作戦でした。特調組に入ったのも、すべては計画の一部だったのです。

裴溯の真意を信じられない駱為昭。しかし、裴溯は地下室にあった「啓名読書」の契約書の存在を明かし、自らの潔白を主張します。「遺伝子のせいにするな」と訴える駱為昭。彼は、他の共感能力ゼロの人間とは違う裴溯を信じてほしいと願います。

一方、張一凡(ジャン・イーファン)は学校で起きた事件を告発することを決意。馮彬(フォン・ビン)の死を無駄にしないため、立ち上がります。魏文軒(ウェイ・ウェンシュエン)たちは警察に連行され、肖翰揚(シャオ・ハンヤン)は復職を願い出ますが、駱為昭はまだ許可しません。裴溯は王肖(ワン・シャオ)に会うため、肖翰揚(シャオ・ハンヤン)を連れて彼女の自宅へ向かいます。躊躇する王肖(ワン・シャオ)に、裴溯は連絡先を残して立ち去ります。その後、裴溯のもとに王肖から電話がかかってきます。何も話すことはないと言う王肖でしたが、裴溯の巧みな誘導により、ついに口を開きます。梁雨今(リャン・ユジン)から聞いた「杜国晟(ドゥー・グオション)」という名前。そして、その人物が魏文軒(ウェイ・ウェンシュエン)の友人であり、ホテルにいるという情報…。不安を抱えながらも、王肖は勇気を振り絞り、真実を語り始めます。肖翰揚も自身の経験を語り、彼女を励まします。

第21話は、裴溯の過去、そして組織の全貌が少しずつ明らかになる重要な回でした。

『光・淵(こうえん)』第21話の感想

第21話は、裴溯の過去と心の闇に深く切り込んだ、非常に重厚なエピソードでした。これまで謎に包まれていた彼の行動の理由が明らかになり、その生い立ちの過酷さに胸が締め付けられました。特に、母親との関係性、そして、幼い頃から抱えてきた孤独と苦悩は、彼の冷徹な仮面の下に隠された深い悲しみを浮き彫りにしています。駱為昭との対峙シーンでは、互いの想いが交錯する中で、二人の関係性が新たな局面を迎えたことを感じさせます。信頼と不信、愛情と憎しみ…複雑に絡み合う感情の表現が繊細で、二人の今後の展開が非常に気になります。また、巨大な組織の陰謀も徐々に明らかになり、物語はますます緊迫感を増しています。裴溯の真の目的、そして、組織の黒幕は一体誰なのか?次回の展開に期待が高まります。

つづく