あらすじ

第26話では、裴溯(ペイ・スー)が過去のトラウマに苦しめられる様子が描かれます。悪夢にうなされ、断片的な記憶に悩まされる裴溯は、駱為昭(ルオ・ウェイジャオ)の助けを借りながら、事件の真相に近づこうとします。一方、周懐景(ジョウ・ホワイジン)との面会で新たな情報を得た裴溯は、事件の核心へと迫っていきます。同時に、林明(リン・ミン)の命を狙う事件が発生し、思いがけない人物が容疑者として浮上します。複雑に絡み合う人間関係と陰謀、そして深まる謎…緊迫感あふれる展開から目が離せないエピソードです。

ネタバレ

深い闇に囚われたように、裴溯(ペイ・スー)は悪夢にうなされていた。冷や汗をびっしょりとかきながら、彼はもがき苦しむ。転がるガラス玉、血が噴き出す箱、そして、陶澤(タオ・ゼ)の切断された脚…断片的な恐怖映像が、彼の意識を蝕んでいく。心配そうに様子を見守る駱為昭(ルオ・ウェイジャオ)の声も、まるで深い海の底から聞こえてくるように歪んで届く。やっとのことで意識を取り戻した裴溯(ペイ・スー)は、硬貨の音で現実へと引き戻された。

「誰かの言葉を真似ているのか?」駱為昭(ルオ・ウェイジャオ)の問いかけに、裴溯は幼い頃の記憶を辿る。薄暗い地下室、顔の見えない男の声…。「人は弱い生き物だ…」。その言葉だけが、鮮明に脳裏に焼き付いている。まるで催眠術にかかったかのように、彼はその時の情景を繰り返し語る。幼い頃のトラウマと向き合い、事件の真相に近づこうとする裴溯。しかし、時間は刻一刻と過ぎ去り、焦燥感は募るばかりだ。

駱為昭の助けを借りながら、裴溯は自己催眠を試みる。朦朧とする意識の中、再び地下室へと迷い込む。そこで彼は、父親・裴承宇(ペイ・チョンユー)と謎の男の会話を耳にする。「調査組の中に、我々の手駒を潜り込ませた…」男の言葉は、まるで毒蛇のように裴溯の心に突き刺さる。そして、男は裴溯の存在に気づく…。

目を覚ました裴溯は、自責の念に駆られる。夢の中で、自ら自分の首を絞めていたのだ。駱為昭は、裴溯が抱える深い心の傷を察し、優しく寄り添う。そんな中、杜佳(ドゥー・ジア)から一本の電話が入る。周懐景(ジョウ・ホワイジン)に会う必要があるという裴溯の頼みを聞き、駱為昭は彼を送り出す。

周懐景(ジョウ・ホワイジン)との面会で、裴溯は事件の新たなピースを手に入れる。周亚厚(ジョウ・ヤーホウ)殺害現場に残された証拠品、そして、周亚厚(ジョウ・ヤーホウ)が生前囲っていた少女・蘇翡(スー・フェイ)の存在。さらに、鄭凱鋒(ジェン・カイフォン)の私生子の母親・卓迎春(ジュオ・インチュン)の名前が浮上する。これらの情報は、複雑に絡み合い、事件の真相へと繋がる糸口となる。

裴溯は駱為昭に、見落としていた重要な点に気づいたと告げる。蘇翡(スー・フェイ)と卓迎春(ジュオ・インチュン)…彼女たちは、組織と鄭凱鋒(ジェン・カイフォン)をつなぐ「仲介役」だったのではないか?そして、楊波(ヤン・ボー)は人質として利用されていた可能性が高い。二人の推理は、核心へと近づきつつあった。

 一方、病院では、林明(リン・ミン)の命を狙う影が蠢いていた。間一髪のところで肖翰揚(シャオ・ハンヤン)と嵐喬(ラン・チアオ)が駆けつけ、犯人を捕らえる。犯人は金で雇われただけの護工だと供述するが、背後にはさらに大きな黒幕の存在が疑われた。監視カメラの映像から、驚くべき人物が浮上する。なんと、それは張(ジャン)部長だったのだ。

張(ジャン)部長は、息子の不満を聞き入れ、調査に協力する姿勢を見せる。しかし、彼の言葉にはどこか不自然な響きがあった。殺し屋は張(ジャン)部長を雇い主だと証言するが、張(ジャン)部長はそれを否定。真実は、深い霧の中に包まれたままだ。それでも、電話の録音データの復元により、杜(ドゥー)部長の潔白と孔衛成的殉職の真相が明らかになる。光と影が交錯する中、事件の真相解明へと向かう彼らの戦いは、まだ終わらない。

『光・淵』第26話の感想

第26話は、裴溯の過去のトラウマと向き合うという、非常に重いテーマが描かれていました。悪夢にうなされる裴溯の姿は痛々しく、見ているこちらも胸が締め付けられるようでした。断片的な記憶、謎めいた男の言葉…彼の苦悩がひしひしと伝わってきました。一方で、駱為昭の裴溯に対する深い愛情と献身的なサポートには心を打たれました。真実を追い求める裴溯を支え、寄り添う姿は、二人の絆の強さを改めて感じさせます。

周懐景との面会で明らかになった新たな情報、そして林明(リン・ミン)の命を狙う黒幕の存在…複雑に絡み合う人間関係と陰謀が、物語をさらにスリリングなものにしています。特に、張(ジャン)部長が事件に関与している可能性が浮上した場面は、衝撃的でした。果たして彼は黒幕なのか、それとも別の真相が隠されているのか?今後の展開に目が離せません。

つづく