あらすじ

昏睡状態の駱為昭(ルオ・ウェイジャオ)は、同僚の陶澤(タオ・ゼ)に謎の人物の名前を繰り返していた。その人物を追ううちに、事件の鍵を握るUSBメモリの存在が明らかになる。一方、麻薬取引に関与した人物の自白により、警察上層部にも激震が走る。捜査は深まり、事件の裏に隠された複雑な人間関係、そして過去に起きた悲劇が徐々に明らかになっていく。

周鴻川(ジョウ・ホンチュアン)という男の正体、そして彼が抱える闇とは? 鋭い洞察力で事件の真相に迫る駱為昭だが、新たな謎が次々と浮かび上がり、事態は混迷を極めていく。果たして、彼らは事件の真相にたどり着けるのか? そして、暗躍する「清掃人」とは一体何者なのか?

ネタバレ

昏睡状態の駱為昭(ルオ・ウェイジャオ)は、うわごとで陶澤(タオ・ゼ)に「崔影(ツイ・イン)を探せ…」と繰り返していた。事件の二週間前、陳缘(チェン・ユエン)は重要な証拠が入ったUSBメモリを崔影に送っていたのだ。その内容は崔影を混乱させ、陳缘に連絡が取れなくなると、信頼する先輩・周鴻川(ジョウ・ホンチュアン)に助けを求め、USBメモリの中身を見せた。この周鴻川こそが、後に周豊年(ジョウ・フォンニエン)という真の顔を暴かれる人物だった。

金宰洪(ジン・ザイホン)が下西区での麻薬取引と殺人への関与を自白し、崔洪亮(ツイ・ホンリャン)は引責辞任に追い込まれる。捜査は深まり、周鴻川にまつわる秘密が次々と明らかになっていく。彼の本名は周豊年。張瑩(ジャン・イン)が言及した馮念国(フォン・ニエングオ)と同一人物だった。何宗一(ホー・ゾンイー)の母親の証言によると、周豊年は貧しい家庭に育ち、村で疎外されていた。大学進学後、一度だけ故郷に帰った際に一家が惨殺されるという悲劇に見舞われたという。母親は周鴻川を直接特定できなかったものの、体格や特徴の隠蔽工作などから、警察は周鴻川と周豊年が同一人物であると断定した。

周鴻川は狡猾で自己陶酔型の男だった。屋上の防護柵を壊したのはコレクションのためだと嘯き、裴溯(ペイ・スー)の指摘する自恋型人格の特徴――事件の進展を追いかけ、現場から記念品を持ち帰る――に合致していた。陳缘の事件についても、動画を見たことは認めたが、自分はただの一般人で介入する力はないと主張した。しかし、嵐喬(ラン・チアオ)が周鴻川の借りているビルを捜索すると、そこには奇妙なコレクションが山積みになっており、彼の異常な収集癖が明らかになった。

陶澤(タオ・ゼ)と駱為昭(ルオ・ウェイジャオ)は新たな手がかりを見つける。周鴻川は崔影に「もし人を殺したら、特定の場所に捨てろ」と指示していたが、本人はそれを否定。しかし、13号公館の収蔵品事件を糸口に、駱為昭(ルオ・ウェイジャオ)は周鴻川の心理的防壁を突破。彼のネクタイに付着した血痕から張東瀾(ジャン・ドンラン)の指紋が検出されたことが判明する。罪を軽くしてもらうため、周鴻川は陳缘事件の重要参考人になることを申し出て、何宗一の死は正当防衛だと主張した。

だが、真実は徐々に明らかになる。何宗一は麻薬などやっていなかった。母親の治療費のために周鴻川から金を借りていたのだ。面倒を避けるため、誰にもその窮状を打ち明けていなかった。周鴻川は猜疑心と傲慢さから、何宗一が自分に危害を加えると思い込み、暴挙に出たのだ。裴溯(ペイ・スー)は、駱為昭がなぜ同郷というだけでそこまで推理できたのか疑問を抱いていたが、それは周鴻川が事件の進展を探ることで、自身の罪を隠蔽しようとしていたからだと知る。

最後に駱為昭は陶澤(タオ・ゼ)に電話をかけ、二つの未解決の疑問を投げかける。一つは、なぜ何宗一が麻薬をやっていないのに、取引場所変更のメッセージが送られたのか。もう一つは、鴻福大観で自分にメモを渡した受付係が、なぜ特調組の前から姿を消したのか。電話口の陶澤は沈黙の後、重々しく言った。「“清掃人”がまた現れた…」それは、既に明るみに出た悪だけでなく、闇に潜み、いつでも行動を起こす新たな脅威の存在を意味していた。新たな戦いが幕を開けようとしていた。正義と悪の闘いは、まだ終わっていなかったのだ。

『光・淵(こうえん)』第5話 感想

第5話は、まさに息詰まる展開でした。周鴻川という人物の複雑な内面、そして彼が隠していた暗い過去が徐々に明らかになるにつれ、物語はより深い闇へと引き込まれていくようでした。貧困と疎外の中で育ち、家族を失ったという彼の生い立ちを知ると、同情を禁じ得ません。しかし、だからこそ、彼が犯した罪の重さ、そしてその狡猾さ、自己陶酔的な言動には、強い憤りを感じます。

駱為昭の鋭い洞察力と、わずかな手がかりも見逃さない粘り強い捜査は、今回も光を見出しました。特に、13号公館の収蔵品事件を突破口にした周鴻川の心理攻防は見事でした。真実へと近づくにつれ、新たな謎が浮かび上がる構成は、このドラマの醍醐味と言えるでしょう。「清掃人」の存在が示唆されたことで、事件はさらに複雑化し、今後の展開への期待がいやが上にも高まります。

解決されていない疑問、暗躍する謎の人物…様々な伏線が散りばめられた第5話は、重厚なサスペンスドラマとしての完成度を改めて感じさせるものでした。真相究明への期待と、更なる闇の深淵への恐怖が交錯する、緊張感あふれるエピソードでした。

つづく