あらすじ
聴書アプリに隠された謎を追う陶澤(タオ・ゼ)は、過去の事件との関連性に気づき始める。一方、裴溯(ペイ・スー)と駱為昭(ルオ・ウェイジャオ)は墓地で偶然の再会を果たし、過去の事件を振り返る。二人の関係に変化が訪れる中、陶澤の新居での食事会には、思いがけないゲストが登場。和やかな雰囲気の中にも、どこか不穏な空気が漂い始める。そんな中、駱為昭は師匠のノートから16年前の未解決事件の記録を発見する。失踪した少女たちの共通点を知った時、彼はある人物の身に危険が迫っていることを察知する…。
ネタバレ
静かに流れる日常の中に、不穏な波紋が広がる第6話。過去の事件の影が、現在進行形で裴溯(ペイ・スー)と駱為昭(ルオ・ウェイジャオ)に重くのしかかってきます。
陶澤(タオ・ゼ)のアンテナが、またもや重要な情報をキャッチ!きっかけはタクシーで偶然耳にした、聴書アプリ「啓明読書」のラジオ番組。なんと、投稿者はほぼ全員がクリーナーで、しかも内容が周鴻川(ジョウ・ホンチュアン)が残した謎のタグと一致していたんです。さらに、クリーナーが名作を更新したタイミングが何宗一(ホー・ゾンイー)の殺害日……ただの偶然とは思えません。駱為昭(ルオ・ウェイジャオ)も、事件はまだ終わっていないと直感します。
一方、裴溯(ペイ・スー)は石楠(シー・ナン)のお墓参りへ。彼の後を追うように、駱為昭も白い花束を手向けていました。雨の中、裴溯に傘を差し出す駱為昭。実は墓前に供えられていた花も、ずっと駱為昭が手向けていたものだったのです。二人の間には、言葉にならない複雑な感情が流れます。
この場面で、駱為昭は初めて担当した事件を回想します。それは幼い裴溯からの通報がきっかけでした。当時新人だった駱為昭と陶澤(タオ・ゼ)は、必死に裴溯の家へと駆けつけます。恐怖に怯えながらも、芯の強さを感じさせる裴溯の瞳。まるで底知れない淵の中に、小さな灯火が揺らめいているようだった…と駱為昭は振り返ります。
二人の距離を縮めようと、陶澤の新居に裴溯を招待することに。ところが、エレベーターが故障!階段を上る裴溯が偶然出会ったのは、なんと陶澤のお見合い相手・唐凝(タン・ニン)でした。裴溯のナイスアシストもあり、唐凝(タン・ニン)も一緒に食事をすることに。みんなで陶澤を持ち上げ、唐凝に良い印象を与えようと奮闘する様子は、微笑ましいながらもどこかハラハラさせられます。
そんな中、駱為昭は師匠・老楊(ラオ・ヤン)の遺したノートを発見します。そこには、16年前の未解決事件「蓮花山少女失踪事件」の記録が。6人の少女が行方不明になったこの事件は、当初特調組の管轄外でしたが、世論の高まりを受け、後に「フィーリン警報」という緊急発動システムが設立されるきっかけとなりました。
ノートには、失踪した少女たちの共通点…「花柄のワンピース」を着ていたことが記されていました。裴溯と晨晨(チェンチェン)がまさにそのワンピースについて話していた時、駱為昭は胸騒ぎを覚えます。帰宅後、嵐喬(ラン・チアオ)が何気なく共通点について尋ねますが、花柄のワンピースを着た晨晨(チェンチェン)を見て、駱為昭は言葉を失います。
そして物語はクライマックスへ。裴溯は、幼い頃にプレゼントされたゲーム機が実は駱為昭からのものだったことを知ります。さらに、駱為昭がノートを見せなかった理由を問いただします。それは、フィーリンの父親が容疑者となり、彼を刺殺した人物が特定されることを恐れていたからではないか…と。その問いかけに、駱為昭は沈黙を貫くのでした。
過去の事件の真相、そして晨晨の身に迫る危機。次回への期待が高まる、緊迫感あふれるラストシーンでした。
『光・淵(こうえん)』第6話の感想
第6話は、過去と現在が複雑に絡み合い、重厚なサスペンスが展開されました。特に印象的だったのは、駱為昭の回想シーン。新人時代の初々しさと、幼い裴溯の瞳に焼き付いた強い意志の対比が、二人の関係性をより深く理解させてくれます。過去の事件の記録が綴られたノートの発見は、物語に新たな謎を投げかけ、今後の展開への期待を大きく膨らませました。
陶澤の地道な調査と、そこから浮かび上がる不穏な事実も、物語の緊張感を高めています。何気ない日常の中に潜む危険、そして過去の事件との繋がり…まるでジグソーパズルのように、少しずつピースがはまっていく感覚がたまりません。
また、裴溯と駱為昭の静かながらも確かな信頼関係、そして唐凝とのコミカルなやりとりなど、シリアスな展開の中に散りばめられた人間ドラマも見どころです。それぞれのキャラクターの心情が丁寧に描かれており、感情移入せずにはいられません。
つづく