あらすじ

第79話は、張春華(ちょうしゅんか)の死後、司馬懿(しばい)が失意の底に沈み、曹爽(そうそう)がますます増長していく様子が描かれました。しかし、鐘会(しょうかい)や司馬昭(しばしょう)ら次世代の動き、そして司馬懿の内に秘めたる炎は消えていないことが示唆され、今後の展開に期待が高まります。

ネタバレ

最愛の妻・張春華(ちょうしゅんか)を亡くした司馬懿(しばい)。司馬家は深い悲しみに包まれます。司馬懿(しばい)は、まるで抜け殻のようになり、一夜にして白髪頭の老人のようになってしまいました。長年連れ添った妻を失った悲しみは計り知れません。

そんな司馬家の悲しみを知ってか知らずか、宿敵・曹爽(そうそう)は、息子が生まれたことを祝う宴を大々的に開催。司馬家から喪中の知らせが届いても、全く意に介しません。それどころか、重臣たちを宴に招待し、司馬家へのあてつけともとれる行動に出ます。丁謐(ていひつ)は、司馬懿が四朝に仕えた元老であることを理由に、曹爽の行動をたしなめますが、曹爽は聞く耳を持ちません。

司馬家の霊堂では、司馬懿が変わり果てた姿で佇んでいます。鐘会(しょうかい)は、師である司馬懿がこのままでは終わらないと信じ、励まそうとしますが、司馬懿は悲しみに打ちひしがれたままです。

一方、曹爽の屋敷では、大臣たちが曹爽の息子を褒めそやし、おべっかを使っています。そんな中、喪服姿で現れた夏侯玄(かこうげん)は、曹爽の無礼な振る舞いを厳しく非難し、その場を去ります。曹爽は激怒し、司馬家に弔問に行った者を調べるよう命じます。

さらに、郭太后(かくたいごう)に連れられ、幼い皇帝・曹芳(そうほう)が司馬家に弔問に訪れます。これを知った曹爽は激怒し、鎧を身につけたまま兵を連れて司馬家に乗り込んできます。

曹芳は、司馬懿のひげを触りながら、「あなたは三馬同槽の馬なのか」と不気味な質問をします。そこへ曹爽が現れ、威圧的な態度を示します。司馬懿はショックで気を失い、司馬家は大混乱に陥ります。

司馬懿は、柏霊筠(はく れいいん) の看病のおかげで、ゆっくりと目を覚まします。鄧艾(とうがい)が遠方から駆けつけました。鐘会は、曹爽をそのままにしておけないと主張しますが、司馬懿は「世の中には不公平なことが多いけれど、もうどうでもいい」という、諦めに近い言葉を口にします。しかし、鐘会は「尊厳を持って死にたい」と強く反論し、司馬昭(しばしょう)と密かに曹爽討伐を計画します。司馬昭(しばしょう)もまた、父の遺恨を晴らすことを決意しますが、「今は時期尚早だ」と、適切な時期を探ります。

洛陽では、冬が訪れ、曹爽は司馬懿が中風で体が不自由になったと聞き、司馬懿の死期が近いと確信します。

夏侯徽(かこうき)の墓前で、司馬師(しばし)は失意のどん底にいました。司馬家の未来に希望を見いだせないでいます。

曹爽の誕生祝いでは、何晏(かあん)らが曹爽を「陛下万歳」と呼び、まるで皇帝のように持ち上げます。曹爽は驚きつつも内心喜び、何晏の言葉に唆され、群臣の反応を試そうとします。

翌日の朝廷で、曹爽はわざと遅れて現れ、鎧と剣を身につけた姿で、孫礼(そんれい)らに威圧的な態度を取ります。曹芳は曹爽の脅しに屈し、丁謐は孫礼を取り込もうとしますが、何晏は反対し、孫礼は并州刺史に左遷されます。

司馬家では、孫礼が病床の司馬懿を見舞います。司馬懿は、まるで死人のように生気を失っており、孫礼は信じられない様子です。

つづく