あらすじ

第81話は、司馬懿(しばい)のクーデターが成功し、曹爽(そうそう)が降伏するという大きな転換点を描いたエピソードでした。司馬懿の巧みな策略と、曹爽の優柔不断さが対照的に描かれ、人間ドラマとしても見応え十分でしたね。今後の展開から目が離せません!

ネタバレ

洛水の大軍営で、司馬懿(しばい)は息子・子通(しつう)を前に、洛水に向かって誓いを立てます。「今回の出兵は権力を奪うためでも、地位を狙うためでも、天命を乱すためでもない。もし曹爽(そうそう)が降伏するなら、必ずや栄華富貴と安らかな晩年を約束しよう」と。子通(しつう)は感動のあまり涙を流し、命を懸けて曹爽(そうそう)の身元を保証し、降伏させると誓います。

一方、司馬懿(しばい)のクーデターの知らせは曹爽の陣営にも届きます。曹爽は動揺し、激しい怒りを見せるも、優柔不断な性格が露呈。腹心の丁謐(ていひつ)は、司馬懿の弱点は兵力不足だと冷静に分析し、許都へ行って兵を動員し、司馬懿の謀反を宣言するよう進言しますが、曹爽は決断できません。

洛水の大軍営では、何晏(かあん)が捕らえられています。司馬懿は何晏(かあん)に、曹爽への降伏を勧める手紙を書かせようとしますが、何晏は拒否。司馬懿は本気で何晏を斬ろうとしますが、司馬昭(しばしょう)が何晏をかばいます。司馬懿は1時間の猶予を与え、その間に説得せよと命じます。

その頃、司馬孚(しばふ)は蒹葭(けんか)に、曹爽への降伏を勧める手紙を書くよう説得します。司馬家の名誉にかけて、曹爽が戻れば一家の安全を保証し、公侯の礼をもって迎えると約束し、幼い子供たちを思う蒹葭(けんか)の心は揺らぎます。司馬昭(しばしょう)は何晏を解放し、傷の手当てをしながら、曹爽への降伏を勧める手紙を書くよう説得。お互いに長年騙し合い、利用し合ってきたことを認めつつ、司馬昭は「私は鲲鹏(巨大な鳥)、君はその翼」という昔の約束を持ち出し、何晏の命と官位を守ると約束し、何晏もまた心を動かされます。

深夜、曹爽の陣営では、太尉の蒋済(しょうせい)が太后の勅命を携え、曹爽に降伏を勧告し、曹爽の家族が無事であることを伝えます。丁謐(ていひつ)は蒋済(しょうせい)が軍の士気を乱していると激怒し、殺害を主張しますが、優柔不断な曹爽は愛妾と息子たちを見捨てることができず、蒋済を拘束するにとどめます。

洛水の浮橋のほとりで、柏霊筠(はく れいいん) は今夜が人生で最も長い一日だったと感慨にふけります。そこへ、司馬師(しばし)が桓範(かんはん)ら多くの官僚が逃亡したことを報告に来ます。曹爽は桓範(かんはん)からの知らせを受け、さらに迷いを深めます。丁謐は降伏に反対しますが、部下たちは皆、連座を恐れて降伏を勧めます。さらに、幼い皇帝・曹芳(そうほう)が家に帰りたいと強く望んだことで、曹爽の心はさらに揺らぎます。そこへ、洛陽から何晏と蒹葭の手紙が届き、曹爽は完全に抵抗を諦め、降伏して洛陽に戻ることを決意します。

翌日、洛水のほとりで、汲布(きゅうふ)が司馬懿に別れを告げます。40年間、血なまぐさい日々を送ってきた汲布(きゅうふ)は、江湖に戻りたいと願います。司馬懿は引き留めず、汲布と深く礼を交わして別れます。去る者もいれば、残る者もいる。司馬懿は、自分の行いに対する後世の評価を、もはや気にしていません。

曹爽はついに降伏を決意。曹爽の臆病さに、丁謐は激しく罵り、袂を分かちます。間もなく、曹爽軍は洛水に到着し、司馬懿軍に武装解除されます。司馬懿は曹爽の降伏を受け入れた後、群臣を率いて幼い皇帝・曹芳(そうほう)に拝礼します。曹芳は恐る恐る司馬懿の真意を探りますが、司馬懿は忠誠心を示します。曹爽の命を守るため、曹芳は司馬懿に跪き、群臣は涙ながらに曹芳を諫めます。司馬懿は曹芳を立たせ、朝廷には公論があり、自分は勝手なことはできない、と震える声で答えます。しかし、丁謐に対しては、司馬懿は必ず殺すという決意を抱いています。

司馬府では、司馬懿が官職の分配を始めます。愛弟子の鐘会(しょうかい)と鄧艾(とうがい)を文武の要職に就け、朝廷を完全に掌握します。手配を終えた司馬懿は、自分の仕事は終わったと告げ、息子たちに後を託し、過労のため深い眠りに落ちます。

その後、鐘会(しょうかい)は司馬昭と相談し、父を助けるために、反対勢力を排除する計画を立てます。

つづく