あらすじ
第32話では、劉備(りゅうび)が公孫瓚(こうそんさん)の董卓(とうたく)への臣従に失望し、趙雲(ちょううん)に共に去ることを勧めます。趙雲は宝月(ほうげつ)を救うために文醜と戦い、互いを認め合います。軽衣は趙雲に夏侯傑(かこうけつ)の元へ来るように誘います。一方、呂布(りょふ)は王允(おういん)の策略に乗り、ついに董卓暗殺を決意します。
ネタバレ
劉備(りゅうび)は公孫瓚(こうそんさん)に、袁紹(えんしょう)軍が退却した今こそ追撃すべきだと進言しますが、公孫瓚は、袁紹との停戦を命じる天子の勅命を受けたと告げます。劉備は、それが董卓(とうたく)の策略だと見抜き、董卓が諸侯の心をつかむための策略だと説きますが、公孫瓚は勅命に従うしかないと言います。公孫瓚に失望した劉備は、趙雲(ちょううん)に共に去ることを勧めます。
一方、宝月(ほうげつ)は趙雲のために、公孫瓚に機会を与えてくれるよう懇願します。公孫瓚は、敵将の首を討ち取ってくれば上将軍にすると約束しますが、そうでなければ全て無しだと告げます。宝月は趙雲のために、自ら敵陣に乗り込み、趙雲になりすまして袁紹軍を挑発します。趙雲の勇名を恐れる袁紹軍の将兵は誰も応じようとしませんが、文醜が宝月に戦いを挑み、数合の末に兜を打ち落とし、女性だと気づきます。文醜は宝月に、趙雲に今夜、小樹林に来るように伝えれば命は助けると告げます。
大胆不敵な趙雲は単身で小樹林へ向かい、文醜と激しい戦いを繰り広げます。百合を超える激闘の末、文醜は趙雲の奥義を引き出し、自らの敗北を認めます。趙雲は、文醜が宝月を傷つけなかったことに感謝し、敵対する立場でありながらも、二人は互いを認め合い、友情が芽生えます。
宝月は、趙雲が自分を無事に救い出したことで、父である公孫瓚が趙雲を重用してくれると信じていましたが、公孫瓚は、趙雲が戦場で功を焦り、目立ちすぎたせいで宝月が捕らわれたのだと、趙雲に責任を押し付けます。
凱旋した趙雲は、公孫瓚から不当な扱いを受け、落胆して自室に戻ると、そこには思いを寄せる軽衣がいました。軽衣と柳慎(りゅうしん)は、趙雲の身を案じて敵陣に乗り込もうとしていたのです。軽衣は、以前の自分の衝動的な行動を謝罪し、趙雲に許しを請います。趙雲は、許すとか許さないとかではなく、ただ恋しかったのだと伝えます。軽衣は、趙雲に別れずに済む方法があると告げ、自分の父である夏侯傑(かこうけつ)の元へ来るように誘います。趙雲は幽州で数々の功績を挙げ、公孫瓚の命を何度も救ったにもかかわらず、正当な評価を受けていないのだと説きます。
一方、呂布(りょふ)は貂蝉(ちょうせん)から聞いた話を司徒の王允(おういん)に伝えます。王允は嘆き悲しみ、自分の無力さゆえに娘が董卓に犯されたのだと嘆きます。王允の言葉に、呂布の怒りはさらに燃え上がり、董卓をすぐにでも殺したいと言いますが、世間から親子の情を顧みないと言われることを恐れていると打ち明けます。王允は、董卓が庭で呂布に方天画戟(ほうてんがげき)を投げつけた時、親子の情などなかったと唆します。ついに呂布は董卓を殺す決意を固めます。
太師府の警備は厳重で、董卓を殺すのは容易ではありません。王允は自ら動くことを決意し、貂蝉に協力させようと企みます。王允は、貂蝉に「太師は祥龍に包まれる夢を見たので、まもなく皇帝になるでしょう」と董卓に告げるように伝えます。そこへ、王允が聖旨を携えて太師府にやってきます。王允は、皇帝がまだ幼く、病に伏せているため、政治に疲れ果て、董卓に皇位を譲ることを決めたと告げます。董卓は、長年の夢がついに叶うと喜び、高笑いします。
つづく