あらすじ

軽衣は父の死の真相を求めて高則(こうそく)に近づき、趙子龍(ちょうしりゅう)への疑念を深める。一方、孔明は博望坡の戦いで神算鬼謀を発揮し、劉備(りゅうび)軍を勝利に導く。

ネタバレ

軽衣(けいい)は、龐士元(ほうしげん)から衝撃の事実を聞かされる。「真相は一つ。嘘をついているのは、この屋敷の中にいる」。石硯(せきけん) が家丁(かてい)たちに庭を捜索させると、ついに高則(こうそく)の玉佩(ぎょくはい)が見つかる。龐士元は、それが趙子龍(ちょうしりゅう)が常山(じょうざん)で杜厥(とけつ)の待ち伏せに遭った際、杜厥から奪ったものだと明かす。当時、子龍は高則(こうそく)を面と向かって買収殺人の罪で非難し、激昂した高則(こうそく)と争った際に、玉佩が庭に落ちたのだという。

しかし、軽衣は依然として子龍が父を殺害した理由が理解できない。龐士元は、「聞いた」という情報に過ぎないことを再三指摘し、軽衣自身が夏侯傑(かこうけつ)が趙子龍に殺される瞬間を「目撃していない」ことが問題だと諭す。

一方、項羽(こうう)は、兄貴分の劉備(りゅうび)が正式に孔明(こうめい)を師と仰いだことを知る。しかし、項羽は孔明が口先ばかりで実力がないのではないかと疑念を抱く。劉備(りゅうび)は、孔明を得たことで魚が水を得たように喜んでおり、いずれ項羽も孔明の真価を理解するだろうと語る。

そんな中、柳慎(りゅうしん)が夏侯惇(かこうとん)率いる10万の兵が樊城(はんじょう)に攻め入ろうとしているという緊急の知らせを持ってくる。曹操(そうそう)自身も大軍を率いて後詰めに控えており、樊城は兵力が少ないため持ちこたえられないかもしれない。趙将軍(趙雲(ちょううん)は、劉備(りゅうび)に指示を仰ぐよう柳慎(りゅうしん)を派遣したのだ。劉備は、曹操の狙いが樊城だけでなく、新野(しんや)ひいては荊州(けいしゅう)全体にあることを見抜く。諸葛亮(しょかつりょう)も、劉備の判断が的確であると同意する。

諸葛亮(しょかつりょう)は、まず趙将軍に樊城を放棄させ、住民を新野に避難させることが最優先だと進言する。無益な抵抗は犠牲を増やすだけで、得策ではないというのだ。劉備は、在席する文武百官に、これより軍師である孔明の号令に従うよう命じる。孔明は、曹操軍が数倍の兵力で迫っているため、新野での決戦を避け、博望坡(はくぼうは)を戦場に選ぶ。そして、各将軍に任務を割り振り、自身は城に残り、手柄を記録する準備をすると告げる。

趙子龍は、夏侯惇の軍と正面から衝突するが、軍師の指示に従い、数合打ち合っただけで敗走を装う。夏侯惇は追撃を開始し、事態は諸葛亮(しょかつりょう)の予測通りに進んでいく。劉備が言うように、「運籌帷幄(うんちゅういあく)にして、千里の外に決す」という状況だ。博望坡の戦いで、劉備軍は少数ながらも大勝利を収め、関羽(かんう)や張飛(ちょうひ)も諸葛亮に心服する。

一方、耿純(こうじゅん)は高則に、曹操軍が敗北した今こそ、手柄を立てるチャンスだと進言する。劉備が新野を死守している今、夜襲をかけて劉備を暗殺すれば、手柄になるというのだ。高則と耿純(こうじゅん)は新野に夜襲を仕掛け、拾妹(しゅう まい)は耿純(こうじゅん)の刃に倒れる。柳慎(りゅうしん)は、趙子龍が駆けつけたおかげで難を逃れる。趙子龍と高則は、因縁の対決を繰り広げるが、高則は結局何もできずに退散する。

その頃、軽衣は高則の陣営に現れる。高則は、軽衣がなぜここにいるのか理解できない。軽衣は意味深な言葉を口にする。「ここにいるからこそ、父の仇に会える」。そして、高則に確かめたいことがあるという。父の仇は一体誰なのか?趙子龍が得意とするのは槍だが、父の致命傷は首の切り傷だった。さらに、真定県(真定(しんてい)県)の県衙(けんが)で調べたところ、夏侯傑(かこうけつ)と趙子龍が最初に争った場所は李全(りぜん)の墓前だった。高則は李全(りぜん)がすでに死んでいることを知りながら隠していた。それは、高則が李全(りぜん)の死に関わっていることを示している。軽衣は趙子龍を探し出し、高則が嘘をついていないことを証明したいと考えている。もし高則が嘘をついていなければ、自分の手で趙子龍を殺し、その後高則に嫁ぐと告げる。

つづく