あらすじ

目の見えない殷稷(イン・ジー)は、空腹のあまり街で倒れ、落ちた包子を拾い食いするほど落ちぶれていた。その姿を見かねた謝蘊(シエ・ユン)は、正体を隠したまま彼を助け、自分の家に連れ帰る。口がきけないふりをしながら殷稷を介抱する謝蘊だったが、殷稷は彼女がかつて愛した妻に似ていると語り、気絶してしまう。目覚めた殷稷は、そばにいるのが謝蘊だと気づきながらも、彼女を失ったことへの自責の念を語る。殷稷の深い愛と後悔を知った謝蘊は、その場から逃げ出してしまい、二人の心は再びすれ違う。

ネタバレ

前回、管家が路上で無残な姿で発見されたことを知り、激怒していた殷稷(イン・ジー)。目が見えない上に、すっかり自力で生活する能力も失ってしまって、もう見ていられないほどの落ちぶれっぷり…。お腹を空かせた殷稷(イン・ジー)は、街で食べ物を探そうとしますが、人に突き飛ばされてしまいます。その拍子に、そばにあった包子(パオズ)屋台にぶつかってしまい、地面に落ちた包子を夢中で拾って食べる姿は、もう涙なしには見られませんでした…。

そんな殷稷の痛々しい姿を、遠くから見つめる謝蘊(シエ・ユン)の気持ちを思うと、こっちまで苦しくなっちゃいますよね。殷稷は殴られたことなんて気にも留めず、ただひたすら空腹を満たそうとしてるんです。そこへ役人が通りかかるのを見た謝蘊(シエ・ユン)は、とっさに店主にお金を渡し、殷稷の杖を拾って、彼を支えながら家まで送り届けます。この時、謝蘊は一言も発しないんですよ。自分の正体がバレないように、必死に気持ちを押し殺しているのが伝わってきて、もう…!

謝蘊は殷稷を自分の家に連れ帰りますが、自分の正体を明かす勇気が出ず、口がきけないふりをするんです。手のひらに文字を書いて、「ここがあなたの家よ」と伝えるんですが、殷稷は「迷惑はかけられない」と去ろうとします。そんな殷稷を見て、謝蘊の心は張り裂けそう…。殷稷の傷口が開いてしまったのを見て、謝蘊は再び手当てをします。すると殷稷が、「君は、僕が知っている人にとてもよく似ている。その人はいつも僕を守ってくれたんだ」なんて言うんですよ!もう、この時点でドキドキが止まりません!

謝蘊がわざと「その方とはどなたですか?」と尋ねると、殷稷は「私の妻だ。私が最も愛した人だ」と答えた直後、気を失ってしまいます。うわーん、切なすぎる!謝蘊は「ごめんなさい」としか言えません。あんなに自分を想ってくれていた殷稷を、自分が一番深く傷つけてしまったんですからね…。

謝蘊は殷稷のそばに付き添い続けます。やがて殷稷が目を覚まし、そばにいる謝蘊にそっと手を伸ばして触れるんですが、その手が謝蘊の体に当たってしまい、咳き込みそうになるのを必死にこらえるんです。謝蘊を起こしたくない一心で…。実は殷稷、もう目の前にいるのが謝蘊だと気づいているんですよね。でも、それを口に出せない。涙がこぼれ落ちそうになるのを、ぐっとこらえる姿がまた…(涙)。

殷稷は謝蘊に、「良くなったらここを出ていく。彼女をちゃんと守れなかった。失ってしまったんだ」と告げます。それを聞いた謝蘊の胸は、もう張り裂けんばかり。謝蘊がわざと「お二人の間に何があったのですか?」と尋ねると、殷稷は「彼女は私を傷つけたりしていない。私が誤解していたんだ」と答えます。そして、「謝蘊を恨んだことなんて一度もない。全ては自分のせいだ。ただ、彼女に償いたいだけなんだ」と…。

この言葉を聞いた謝蘊は、たまらずその場を走り去ってしまいます。殷稷は、なぜ謝蘊が真実を知って自分と向き合おうとせず、逃げてしまったのか理解できません。実は、謝蘊の心はもう限界ギリギリだったんです。殷稷の自分への愛があまりにも深いことを知り、そして自分が無意識のうちに彼を傷つけていたという事実に、もう耐えられなくなってしまったんですね。

今の謝蘊は、混乱と苦しみの中で、ずっと自分を愛し続けてくれた殷稷とどう向き合えばいいのか分かりません。そして殷稷もまた、深い苦悩の中にいます。二人の心は、この複雑な感情にがんじがらめにされて、お互いにどうしようもない痛みを抱えているんです。でも、このどうしようもない問題をどう解決すればいいのか、二人とも分からず、ただ苦しみが心に広がるばかりなのでした…。

つづく