唐の都、長安。科挙を目前に控え、多くの若者が集まる宿で明珠が盗まれる事件が発生。滞在していた狄仁傑(てき じんけつ)は、持ち前の推理力で犯人を突き止め、事件を解決する。一方、街では奇妙な賭博が行われ、狄仁傑の幼馴染・賀大荊(が だいけい)が何者かに追われる事件も発生。狄仁傑は賀大荊を助けるが、騒動に巻き込まれ牢に入れられてしまう。恩師の助けで釈放された狄仁傑は、科挙を受けるべきか迷いながらも、最終的に受験を決意する。科挙を終えた後、賀大荊と再会した狄仁傑は、共に酒楼へ向かうが、そこで思いもよらぬ悲劇に遭遇する。

「大唐狄公案 神探、王朝の謎を斬る」あらすじネタバレ1話

長安。雷鳴が轟き、雨が街を覆う夜。後宮では武則天(ぶそくてん)・武則天(ぶそくてん)を利用した陰謀が渦巻き、洋州刺史・陳諸良(ちん しょりょう)が毒殺され、一族もろとも滅ぼされる。時を同じくして、梧桐の古木が天火に包まれる怪異も発生。不穏な空気が都を漂っていた。

科挙の季節。武則天によって門地による制限が撤廃された今年は、多くの若者が長安に集結。狄仁傑(てき じんけつ)が滞在する宿も、受験生たちで溢れかえっていた。だが、当の狄仁傑(てき じんけつ)は科挙に全く興味を示さず、旅に出たいと願うばかり。父の旧友・洪亮(こうりょう)(こうりょう)(こうりょう)は焦り、大学士・魏無疾(ぎ むしつ)に掛け合って狄仁傑を説得しようと奔走する。

そんな中、宿に武侯が現れ、明珠の盗難事件の捜査を開始。犯人特定のため、宿の全員が連行されることに。鋭い観察眼を持つ狄仁傑は、宿泊客たちの様子から、故郷の母を想う逃亡兵、病弱な老生、妻子持ちの男を容疑者から外し、最終的に帳簿係を犯人だと見抜く。帳簿係はあっさり犯行を自供。事件は解決したが、狄仁傑は国境を守った功績のある逃亡兵に情状酌量を求め、武侯も暗にそれを受け入れる。この一件で、狄仁傑は他の宿泊客たちから尊敬を集める。

一方、街では馬栄(ば・えい)と喬泰(きょうたい)(きょうたい)が、天火事件を題材にした賭博で荒稼ぎをしていた。二人はグルになりイカサマをしていたが、すぐにバレてしまい、追われる羽目に。同じ頃、狄仁傑の幼馴染・賀大荊(が だいけい)が何者かに追われていた。狄仁傑は賀大荊(が だいけい)を助け、追っ手を撃退するが、そこに逃げ出した馬栄(ば・えい)と喬泰(きょうたい)(きょうたい)が現れ、揉み合いになってしまう。結局、一行は捕まり牢に入れられてしまう。

恩師・魏無疾(ぎ むしつ)の尽力で釈放された狄仁傑は、彼から科挙を受けるよう諭される。宿に戻った狄仁傑に、洪亮(こうりょう)(こうりょう)(こうりょう)(こうりょう)(こうりょう)(こうりょう)は馬栄と喬泰に長安では慎重に行動するよう釘を刺す。しかし、二人は懲りずに狄仁傑の廃屋に忍び込み、彼の出自を探ろうとする。

科挙を受けるべきか迷う狄仁傑。洪亮(こうりょう)(こうりょう)(こうりょう)(こうりょう)は碁石を使って彼の決断を促す。狄仁傑は運命は自分で決めるものだと主張するが、白の碁石が並ぶ盤面を見て心を揺さぶられる。そして、ついに科挙を受ける決意を固める。

科挙を終えた受験生たちは、解放感に満ち溢れ、酒を酌み交わしていた。狄仁傑も賀大荊と共に酒楼へ向かうが、そこは長孫太尉(ちょうそん たいい)に貸し切られていた。諦めかけたその時、懐かしい故郷の曲が聞こえてくる。二人は鞠水楼へと向かう。閉店後だったが、何とか店内に入れてもらうことに成功する。

酒を飲みながら、賀大荊は魏無疾が武則天の命で新たな姓氏録を作成していることを狄仁傑に伝える。この情報に狄仁傑は、今後の世の中の変化を予感する。

二人が酔いに浸る中、鞠水楼の主人は妹を店の奥に隠す。金吾衛に見つかってはいけない人物なのだ。狄仁傑が更衣室を探していると、隠し扉を見つけるが、主人に阻まれる。その時、鞠水楼が炎に包まれる。狄仁傑は炎の中から賀大荊を助け出そうとするが、叶わず、目の前で幼馴染を失ってしまう。

こうして、狄仁傑の長安での物語は、陰謀と悲劇の幕開けを迎えたのだった。

『大唐狄公案 神探、王朝の謎を斬る』第1話の感想

第1話は、唐の時代劇ミステリーに期待する全ての要素が詰まった、非常に魅力的な幕開けでした。冒頭から、陳諸良(ちん しょりょう)毒殺事件と梧桐の樹の天火という不可解な事件が提示され、物語への引き込み方が巧みでした。狄仁傑の明晰な頭脳と観察眼は、宿での盗難事件を通して鮮やかに描かれ、彼の類まれな推理力に感嘆させられました。

特に印象的だったのは、科挙に対する狄仁傑の複雑な感情です。功名よりも自由を求める彼の姿勢は、型破りな主人公像として興味深く、今後の展開への期待を高めます。馬栄と喬泰のコミカルな掛け合いは物語に軽妙なアクセントを加えており、シリアスな展開とのバランスも絶妙です。

一方で、賀大荊との再会と突然の別れは、物語に大きな影を落としました。友情と喪失の対比が胸を締め付け、狄仁傑の今後の行動にどのような影響を与えるのか、非常に気になります。鞠水楼の火災の真相、そして背後に潜む陰謀とは一体何なのか。次回のエピソードで明らかになるであろう真実を待ちわびています。

つづく