蓬莱の街で起きた凄惨な殺人事件。被害者は滕坎(とう かん)の妻、銀蓮(ぎんれん)。現場の状況から、恨みを持つ李翰(りかん)が疑われるが、狄仁傑(てき じんけつ)は事件の裏に隠された複雑な人間関係に気づく。銀蓮が生前、密かに想いを寄せていた人物、そして彼女と周囲の人間たちの愛憎劇。狄仁傑は、明月坊の曹安(そう あん)に相談し、事件の真相解明へと乗り出す。滕府に渦巻く謎、そして次々と明らかになる驚愕の事実。果たして狄仁傑は、真犯人を突き止め、事件の真相を解き明かすことができるのか? 緊迫の捜査が幕を開ける。
「大唐狄公案 神探、王朝の謎を斬る」あらすじネタバレ7話
蓬莱の街に渦巻く怪異な事件。狄仁傑(てき じんけつ)は、まるで昼と夜のように、役人でありながら時に匪賊の顔を覗かせる。その二面性に陳守衛(ちんしゅえい)は肝を冷やし、李翰(りかん)を金で釈放したことを白状した。しかし、依頼人は顔を隠していたため、正体は分からずじまい。狄仁傑(てき じんけつ)は喬泰(きょうたい)(きょうたい)と共にその場を後にした。喬泰(きょうたい)(きょうたい)は、銀蓮(ぎんれん)への恨みが李翰(りかん)を凶行に駆り立てたと推測する。
次に狄仁傑が訪れたのは明月坊。曹安(そう あん)に男女の情事について尋ね、琵琶の音色に身を委ねる。一曲が終わる頃には、まるで男女の愛憎劇を垣間見たような感覚に陥っていた。目覚めた狄仁傑は急ぎ滕府へ。そこは深い悲しみに包まれていた。滕坎(とう かん)は銀蓮(ぎんれん)の死を受け入れられず、部屋に閉じこもっていた。
狄仁傑は調査を進める中で、生前、銀蓮と滕坎(とう かん)は別々の部屋で寝ていたこと、そして銀蓮が優れた詩人であったことを知る。滕坎が手直しした詩は、銀蓮のものと比べると見劣りした。偏廳に案内された狄仁傑は、壁に掛けられた馬鞭に目を留める。滕坎が若い頃、武官を辞めて文官になったという話を思い出した。
狄仁傑は滕坎に、李翰が銀蓮に言い寄っていたこと、そして銀蓮が策略を用いて李翰を陥れたことを明かす。李翰が復讐のために銀蓮を殺害した可能性が高いと示唆したのだ。滕坎は怒りに震え、狄仁傑に真相究明を懇願する。
滕坎は詩作に没頭するあまり、銀蓮の行動を把握していなかった。しかし、管家によると、銀蓮は最近、賴二娘子(らいにじょうし)と頻繁に会っていたという。狄仁傑は違和感を覚える。賴二娘子(らいにじょうし)と銀蓮は不仲で、既に絶縁状態だったはずなのだ。
狄仁傑は馬栄(ば・えい)に、密会場所について尋ねる。案内された花楼で、馬栄(ば・えい)は霸宗(はそう)の信物を見せる。女将は、男女の逢瀬のための部屋の存在を認めた。壁には銀蓮の文字と徐凱(じょかい)が描いた蓮の絵。窓の外には鋭い爪痕。李翰が銀蓮と徐凱(じょかい)の密会を目撃し、怒りのあまり爪痕を残したのではないかと狄仁傑は推測する。
銀蓮が嫁ぐ前に徐凱と出会い、深く愛し合っていたことを確認した狄仁傑は、再び賴二娘子を訪ねる。そして、全てを明らかにした。賴二娘子は、一方的な想いだったことを否定し、徐凱の絵を激しく破り捨てた。狄仁傑の推測は確信へと変わる。
狄仁傑は馬栄に霸宗(はそう)の三つ目の信物を使わせ、銀蓮が生きているという偽情報を流す。李翰をおびき出すための罠だ。噂は瞬く間に広まり、その夜、李翰は滕府に侵入する。しかし、それは狄仁傑の仕掛けた罠だった。李翰は逃げる間もなく捕らえられる。
その時、滕坎が現れ、銀蓮の仇だと叫びながら李翰を殺害する。李翰は息絶える間際、銀蓮の名を呟き、胸の布袋に手を伸ばしていた。狄仁傑は李翰の爪を調べ、窓枠の爪痕と一致しないことに驚く。この発見は狄仁傑に衝撃を与える。確信を得るため、曹安(そう あん)を訪ね、新たな突破口を見つける。
狄仁傑は急ぎ検死場に戻り、集めた証拠を元に真犯人を推理する。翌朝、滕府を訪れると、使用人たちが荷物を運んでいた。滕坎は蓬莱を去ろうとしていたのだ。花壇で李翰の荷包を見つけ、中には銀蓮の髪の毛が入っていた。李翰が銀蓮を深く愛していた証拠だ。
滕坎はまだ狄仁傑の異変に気づいていない。悲しみに暮れる滕坎は、四漆屏を捨てるよう命じる。狄仁傑は、その屏風を作った職人の名前を尋ねるが、答えは得られなかった。夜、喬泰が上半身裸で拳を振るう。背中には鞭で打たれた跡が生々しく残っていた。狄仁傑は滕府の馬鞭を思い出す。その時、洪亮(こうりょう)(こうりょう)(こうりょう)が重要な発見を報告する。現場の土から毒草の芘蔓子が検出されたのだ。
『大唐狄公案 神探、王朝の謎を斬る』第7話の感想
第7話は、愛憎渦巻く複雑な人間模様と、予想外の展開に息を呑む傑作でした。狄仁傑の鋭い洞察力と推理が冴え渡り、事件の真相に迫っていく過程は、まさに知的な興奮に満ち溢れています。特に、李翰が真犯人と思われた矢先、滕坎の行動に潜む違和感、そして洪亮(こうりょう)(こうりょう)(こうりょう)の発見による新たな謎の出現など、二転三転する物語の構成は見事。一見無関係に思える出来事が、狄仁傑の手によって繋ぎ合わされ、真実に近づいていく様は、まるで精巧なパズルを解き明かすかのようです。銀蓮と徐凱、そして李翰の秘められた愛の物語は、切なくも美しく、事件の背景に深みを与えています。滕坎の悲痛な表情の裏に隠された真実とは一体何なのか? そして、芘蔓子の存在が示すものとは? 次回の展開に期待が高まります。
つづく