狄仁傑(てき じんけつ)は「屏風殺人事件」の真相に迫り、ついに事件は終結を迎えます。事件解決後、蓬莱の港では嵐の夜の楼船での惨劇が発覚。都から来た役人や、蓬莱一の船主など新たな人物が登場し、狄仁傑は黄金が絡む新たな陰謀に巻き込まれていきます。

「大唐狄公案 神探、王朝の謎を斬る」あらすじネタバレ8話

【前半】さらば偽りの詩人!屏風の謎、ついに解明へ

前回、なんとも良い雰囲気だった狄仁傑(てき じんけつ)と曹安(そう あん)。今回も冒頭から、曹安(そう あん)が狄仁傑(てき じんけつ)に意味深な詩集をプレゼント。しっとりとした眼差しで「また今度、曲を歌いますわ」なんて言うものだから、もうメロメロ…かと思いきや、それを横で見ていた馬栄(ば・えい)の嫉妬メラメラな顔!「お二人はどういうご関係で?」と詰め寄るも、我らが狄仁傑(てき じんけつ)はサラリとかわし、「それより超重要な頼みがある」と馬栄(ば・えい)に密命を下します。この密命が、後でとんでもない一手になるんですよねぇ。

そしていよいよ、狄仁傑の推理ショーの開幕です!

狄仁傑は、事件の鍵を握る屏風の前に立ち、おもむろに刀で表面を削り始めます。するとどうでしょう!特殊な塗料が剥がれ落ち、屏風がお湯で変化するトリックが白日の下に晒されました。

「すべては、お前の仕組んだことだ!」

狄仁傑の鋭い声が響き渡ります。滕坎(とう かん)が狂人を装い、妻の銀蓮(ぎんれん)を殺害し、その罪を李翰(りかん)になすりつけ、世間の同情を買って「愛妻家」の名声を得ようとした、完璧すぎる計画…。その全てが暴かれていきます。

衝撃の事実が次々と明らかになりました。

  • 詩の才能は妻のものだった!:人々を魅了したあの詩は、すべて妻・銀蓮が書いたもの。滕坎は妻の才能を利用して名声を得ていたのです。
  • 7回の密会と7つの刺し傷:滕坎は、妻と徐凱(じょかい)の不倫に気づいていました。しかし、詩壇での地位を失いたくない一心で、なんと7回もの密会を黙認していたというから驚きです。そして、溜まりに溜まった憎悪が爆発した時、彼は二人を7回も刺したのです…。
  • 幻覚作用と鬼の芝居:滕坎は、犯行当日、幻覚作用のある「芘蔓子」という薬草を服用。鬼に取り憑かれたフリをして銀蓮を殺害するという、用意周到ぶりでした。

しかし、滕坎はまだ余裕の表情。「証拠がないだろう?」と不敵に笑います。李翰も徐凱も死んでしまっては、殺人罪には問えませんからね。

ところが!ここで狄仁傑がニヤリ。滕坎が書斎から最後の箱を運び出させると、中身は銀蓮の詩稿ではなく、ただの石ころ!そう、これこそが馬栄(ば・えい)への密命。狄仁傑は、夜のうちに馬栄を滕家に忍び込ませ、決定的な証拠である詩稿をすべて回収し、長安へ送っていたのです!

殺人の証拠はなくても、他人の詩を自分のものとして発表したのは、帝を欺く「欺君の罪」。これは死罪を免れません。

万策尽きた滕坎は、その場に崩れ落ち、狂ったように笑いながら毒をあおり、自らの命を絶ちました。時を同じくして、共犯者であった頼二娘子(らいにじょうし)も、自ら楼閣に火を放ち、その生涯を終えたのでした…。なんとも物悲しい事件の結末でしたね。

事件解決後、狄仁傑は曹安(そう あん)への感謝のしるしに、紅杉の木に文字を彫ってプレゼント。これを受け取った曹安の嬉しそうな顔!二人の距離がまた少し縮まったようで、見ているこっちがニヤニヤしちゃいます。

【後半】嵐の夜の惨劇!黄金が渦巻く新たな事件へ

蓬莱(ほうらい)の町に平和が戻ったのも束の間、物語は一気に不穏な海の上へ!

嵐の夜、一隻の楼船が荒波を進んでいます。船員の王立德(おうりっとく)が独断で航路を変更。船長が不審に思い船室に戻ると、そこには乗組員たちの無残な死体が…!王立德は、船に乗っていた人間を皆殺しにするという大虐殺を働き、姿を消します。ただ一人、こっそり密航していた百済(くだら)の船乗りを除いては…。

場面は変わり、蓬莱の港。ここから新キャラクターが続々登場して、物語は一気に複雑化していきます!

  1. 劉中使(りゅうちゅうし):武則天(ぶそくてん)の命で買い付けに来た偉い役人。見るからに傲慢で、女と黄金が大好きという、絵に描いたような悪徳役人です。
  2. 顧孟彬(こもうひん):蓬莱一の船主。港に出入りする船のほとんどが彼のものだというから、その権力は絶大。何やら「百済金」というヤバいブツを隠している様子…。
  3. 侯愈(こう・ゆう):なんと、狄仁傑の旧友!都での政変に巻き込まれて左遷されてきたようです。彼が今後、狄仁傑の味方になるのか、それとも…?

狄仁傑が蓬莱に来た目的は、実はこの大物船主・顧孟彬を、とある小さな事件で呼び出していたからでした。しかし、顧孟彬は3日も出頭を無視。その態度からして、一筋縄ではいかない相手なのがプンプンしますね。

その夜、顧孟彬が劉中使のために開いた豪華な宴に、狄仁傑も乗り込みます。偶然岸辺で出会った曹安も琵琶を抱えて同船。

船内では、劉中使が「わしは歌伎と黄金が好きでな」と露骨に賄賂を要求。役人たちが顔を引きつらせる中、狄仁傑が颯爽と登場します。劉中使は狄仁傑を鼻であしらいますが、絶世の美女・曹安には興味津々。

一方、喬泰(きょうたい)(きょうたい)は百済から来た美しい歌姫・玉素(おくそ)に声をかけますが、言葉が通じず撃沈(笑)。こんなコミカルなシーンも挟みつつ、船内には黄金をめぐる欲望と疑惑が渦巻いています。

嵐の夜の楼船殺人事件、そして「百済金」の謎。狄仁傑の旧友の登場。新たな事件は、これまで以上に根が深そうです。狄仁傑と曹安が乗り込んだこの宴の船で、一体何が起ころうとしているのか!?

『大唐狄公案 神探、王朝の謎を斬る』第8話の感想

「屏風殺人事件」がついに解決しました。犯人の滕坎が抱えていた名声への執着と、妻への複雑な感情が悲劇的な結末を招いたのが印象的です。狄仁傑が詩稿をすり替えるという鮮やかな手口で「欺君の罪」を暴いた手腕は見事でした。一つの事件が終結すると同時に、黄金を巡る新たな事件が幕を開け、物語のスケールが大きく広がったように感じます。新たな登場人物も加わり、今後の蓬莱で何が起こるのか、物語の続きが非常に気になります。

つづく