第8話では、狄仁傑(てき じんけつ)が銀蓮(ぎんれん)殺害事件の真相を解明します。巧妙に仕組まれたトリックを一つずつ解き明かし、真犯人を追い詰めていく過程は見応え抜群です。事件の裏には、愛憎劇や名声欲など、人間の複雑な感情が絡み合い、驚きの真相が明らかになります。

一方、事件解決後、新たな事件の兆候が現れます。嵐の夜に起きた船上での惨殺事件、朝廷から派遣された使者の訪問、そして狄仁傑と旧友の再会。これらの出来事がどのように繋がっていくのか、今後の展開が気になる終わり方となっています。

「大唐狄公案 神探、王朝の謎を斬る」あらすじネタバレ8話

前話で滕坎(とう かん)の狂言を見破った狄仁傑(てき じんけつ)。第8話では、その真相がついに白日の下に晒される!

曹安(そう あん)から意味深な贈り物と共に甘い歌声を約束された狄仁傑(てき じんけつ)。その様子に馬栄(ば・えい)はヤキモチを隠せない。曹安(そう あん)が去ると、二人の関係を詮索する馬栄(ば・えい)だが、狄仁傑は核心に触れず、極秘任務を馬栄に託す。その重要性を強調する狄仁傑に、喬泰(きょうたい)(きょうたい)と洪亮(こうりょう)(こうりょう)も興味津々だが、馬栄は口を割らない。

翌日、狄仁傑は滕坎(とう かん)と対峙しました。屏風に仕掛けられたトリックを暴き、銀蓮(ぎんれん)の殺害の真相を明らかにします。滕坎は、銀蓮(ぎんれん)が徐凱(じょかい)と密通していたことを知りながら、自らの詩人としての名声を守るために、7回もの逢瀬を黙認していました。しかし、ついにその怒りが爆発し、二人を惨殺します。さらに、7回の逢瀬に合わせて7回も刺したという狂気に満ちた行動が明らかになります。実は、滕坎には詩の才能などなく、すべての作品は銀蓮がゴーストライターとして書いていたという衝撃の事実も発覚しました。

狄仁傑は、馬鞭についた血痕から、滕坎が罪の意識に苛まれ、自らを鞭打っていたことを突き止める。そして、耐えきれなくなった滕坎は、李翰(りかん)を巻き込み、怪異に見せかけた自作自演の芝居を打ったのだ。事件当日、幻覚作用のある植物を服用し、狂人のように振る舞い銀蓮を殺害。そこに偶然居合わせた李翰(りかん)は、あまりの衝撃に髪の毛を切り取って保管していた。

李翰と徐凱(じょかい)は既にこの世になく、決定的な証拠がないと滕坎は高を括っていた。しかし、滕坎の詩稿が入っているはずの箱には、石が詰め込まれていた。実は、狄仁傑は馬栄に命じ、密かに詩稿を回収させていたのだ。殺人罪での立件は難しいものの、詩稿偽造は欺君の大罪。もはや逃れられない。

万策尽きた滕坎は、自らの手で毒酒を飲み、幕を閉じる。一方、共犯の頼二娘子も、自らの屋敷に火を放ち、最期を迎える。事件解決後、霸宗(はそう)は狄仁傑に賭けで負け、蓬莱城は法に基づき統治されることになった。狄仁傑は曹安への感謝の印として、紅杉の木に文字を刻んで贈り、曹安はそれを大切に受け取る。

数日後、嵐の夜、一隻の船が海を進む。水夫の王立德(おうりっとく)は独断で航路を変更。船室に戻った船長が目にしたのは、仲間たちの惨殺死体。王立德(おうりっとく)は全員を殺害し、密航していた百済の水夫だけを生かしておいた。

一方、蓬莱では、朝廷から派遣された劉中使(りゅうちゅうし)のために顧家が用意した財宝に、易司事(えきしじ)が嫉妬心を燃やす。顧家の腹心、白愷(はくがい)が機転を利かせ、その場を丸く収める。

狄仁傑は、旧友の侯愈(こう・ゆう)と再会。武則天(ぶそくてん)の粛清により失脚した侯愈(こう・ゆう)に、狄仁傑は今回の任務を明かす。それは、船主の顧孟彬(こもうひん)の取り調べだった。些細な事件で呼び出しをかけても、3日間も姿を現さない顧孟彬(こもうひん)。

その頃、顧孟彬は大勢を引き連れ、港に現れる。蓬莱最大の船主である顧家は、港に出入りする船の大半を所有するほどの権力を持っていた。顧孟彬は、財宝を隠すよう指示し、「百済の金」という言葉は決して口にするなと釘を刺す。

夜、顧孟彬は劉中使(りゅうちゅうし)のために宴を催す。易司事(えきしじ)と侯愈も同席する中、劉中使は、歌妓と黄金をこよなく愛すると公言。易司事は驚きながらも、蓬莱では黄金は採れないと嘘をつく。

顧孟彬に会えない狄仁傑は、自ら探しに行くことに。そこで偶然、琵琶を抱えた曹安と遭遇し、共に画舫に乗り込む。劉中使は狄仁傑を冷遇する一方、曹安には興味津々。喬泰(きょうたい)(きょうたい)は百済の妓女、玉素(おくそ)に話しかけるが、言葉が通じず困惑する。 果たして狄仁傑は顧孟彬と接触できるのか? そして、王立德の目的、劉中使の真意とは? 物語は新たな局面へと突入する!

『大唐狄公案 神探、王朝の謎を斬る』第8話の感想

第8話は、滕坎の事件の結末と新たな事件の始まりが描かれ、非常に濃密な内容でした。狄仁傑の推理力はもちろんのこと、それぞれの登場人物の思惑が複雑に絡み合い、緊張感あふれる展開に引き込まれました。

特に印象的だったのは、滕坎の歪んだ愛とプライドです。愛する妻の不貞を許せず、自らの名声を守るために罪を重ねる姿は、哀れでありながらも恐ろしさを感じました。銀蓮の詩稿を隠していた箱に石が詰められていたシーンは、狄仁傑の周到な準備と知略が光り、痛快でした。

一方、新たな事件の幕開けも不穏な雰囲気を漂わせています。嵐の夜に起きた惨殺事件、朝廷からの使者と謎めいた船主、そして再会した旧友。それぞれの思惑が交錯し、今後の展開がどうなるのか全く予想がつきません。

つづく