いやあ、今回の『蘭陵王』も目が離せない展開でしたね!戦の勝利に沸く一方で、宮廷ではドロドロの権力争いがますます激化。雪舞の天女っぷりが、まさかあんな事態を引き起こすなんて…。さっそく第11話の詳しいあらすじとネタバレを見ていきましょう!

天女・雪舞、民の心を掴む

邙山(ぼうざん)の戦いで奇跡的な策を授け、斉を勝利に導いた雪舞(せつぶ)。その功績はたちまち民衆に広まり、彼女は「天女」として崇められる存在になっていました。蘭陵王(らんりょうおう)と共に都に凱旋すると、民衆は熱狂的に二人を迎えます。

しかし、雪舞の心は晴れません。自分の存在が蘭陵王の未来を曇らせることを恐れ、そして彼への想いが抑えきれなくなることを怖れて、必死に距離を置こうとします。

そんな道中、一台の馬車が老婆によって止められます。老婆は「天女様、どうか息子のために靴を縫ってください。あなたの縫った靴があれば、息子は戦で死なずに済みます」と必死に懇願。雪舞はためらうことなくその願いを聞き入れ、その場で針を取り、一針一針心を込めて靴を縫い上げました。

この光景を、皇太子の高緯(こうい)とその腹心・祖テイ(そてい)が苦々しい顔で見ていました。彼らにとっては、蘭陵王と雪舞の人気は面白くないことこの上ない。「皇帝の御前へ向かう途中で道草を食うとは、陛下を軽んじている証拠だ」と、これを格好の攻撃材料にしようとほくそ笑むのでした。

朝廷での逆転劇!雪舞の機転が光る

案の定、朝廷で高緯(こうい)は「蘭陵王は民の声ばかり聞き、陛下の勅命をないがしろにしている!」と声高に弾劾します。しかし、皇帝の反応は予想外のものでした。

「太子でありながら、民を慈しむ心のかけらもないのか!民を思う蘭陵王を非難するとは、恥を知れ!」

なんと皇帝は高緯(こうい)を厳しく叱責し、逆に蘭陵王と雪舞の行いを称賛したのです。これには高緯も祖テイも顔面蒼白。

さらに、雪舞はこの機を逃しませんでした。「陛下、お願いがございます。家の跡継ぎである一人息子まで戦に駆り出されれば、その家は絶えてしまいます。どうか、一人息子は兵役を免除する法令をお定めください」と進言します。

この民の苦しみを深く理解した提案に、皇帝はいたく感心。すぐにその案を認め、蘭陵王たちに褒美を与えました。雪舞の優しさと賢さが、見事に宮廷の空気を変えた瞬間でした。

巧妙な罠「正妃冊立」

劣勢に立たされた祖テイは、ここでとんでもない一手に出ます。

「陛下、蘭陵王殿下は長年国のために戦ってこられましたが、ご自身の身は後回しです。いまだ卑しい村の出の者を妾として置くのみ。皇室の血を引く殿下にふさわしく、家柄の良いお方を正妃としてお迎えし、堂々と家を成していただくべきかと存じます!」

これは一見、蘭陵王を気遣う素晴らしい提案に聞こえます。しかし、その真の狙いは、身分の低い雪舞を蘭陵王から引き離し、権力のある貴族の娘を娶らせることで、蘭陵王を意のままに操ろうというものでした。この巧妙な罠には、かねてから雪舞を快く思っていなかった皇后もニヤリ。

蘭陵王と雪舞は、あまりにも見事な策略の前に、言葉を失うしかありませんでした。戦の勝利も、民からの称賛も、すべてが新たな苦難の始まりとなってしまったのです。

『蘭陵王』第11話の感想

今回は、楊雪舞(せつぶ) というキャラクターの魅力が存分に発揮された回でした。彼女はただ心優しいだけでなく、非常に聡明で、物事の本質を見抜く力を持っています。老婆のために靴を縫う慈悲深さ、そして朝廷で臆することなく民のための政策を提言する大胆さ。その姿はまさに「天女」と呼ぶにふさわしいものでした。しかし、その輝きが強ければ強いほど、権力者の嫉妬という深い闇を呼び覚ましてしまうのが、この物語の皮肉なところです。高緯と祖テイのコンビが見せる、粘着質で計算高い悪意には本当に虫唾が走りますね。一方で、今のところはまだ公正な判断を下している皇帝の存在が、一筋の光のようにも感じられました。蘭陵王が彼女の才能を心から誇りに思っている様子も描かれ、二人の絆の深さを再確認できたのは嬉しいポイントでした。

つづく