いやはや、今回の『蘭陵王』第17話は、息もつかせぬ展開の連続でしたね!周の国を舞台に、ついに歴史が大きく動きました。

物語は、周の皇帝・宇文ヨウ(うぶんよう)/武帝(うぶんよう/ぶてい)が、雪舞(せつぶ)を自らの書斎に招き、弟・宇文貞(うぶんてい)の看病への感謝を伝える場面から始まります。邙山(ぼうざん)での出会いから始まった二人の関係。宇文ヨウ(うぶんよう)/武帝(うぶんよう/ぶてい)はかつて雪舞を騙したことを詫び、民を思う彼の真摯な姿に、雪舞もすっかり彼を許していました。

そして、宇文ヨウ/武帝(うぶんよう/ぶてい)はついに、胸に秘めていた想いを雪舞に告白します!しかし、雪舞の心にあるのはただ一人、蘭陵王(らんりょうおう)のみ。彼女はきっぱりと、しかし誠実にその愛を断るのでした。

…と、この切ない告白シーン、なんと物陰から一人の男が聞き耳を立てていたのです!そう、彼こそが宮中に潜入していた我らが蘭陵王!四下無人になったのを見計らい、雪舞の前に姿を現します。愛する人との再会に驚きと喜びでいっぱいになる雪舞。でも、ずっと黙って潜入していたことには、ちょっぴりご立腹の様子。可愛いですね(笑)。

雪舞の願いを聞き入れ、蘭陵王はあと3日だけ周に滞在することを許します。しかし、彼の鋭い直感は、宮中に渦巻く嵐のような陰謀をすでに感じ取っていました。

その予感は的中します。宇文ヨウ/武帝は、兄である先帝・宇文毓(うぶんいく)の肖像画を見つめ、過去を思い出していました。権力者・宇文護(うぶんご)に脅され、兄に毒薬を差し出すしかなかったあの日。弟である自分を守るため、宇文毓はためらうことなく毒を飲み干したのでした。兄が息絶えたその瞬間から、宇文ヨウ/武帝の胸には宇文護への復讐の炎が燃え続けていたのです。

そして、運命の朝。宇文ヨウ/武帝は、宇文護に不満を持つ大臣たちと結託し、一気に勝負を決めるはずでした。しかし、宇文護の方が一枚上手!密偵であった玉兎(ぎょくと)を捕らえ、大臣の名簿を手に入れていたのです。朝議の場で、宇文護は裏切り者たちを次々と粛清し、無残な姿となった玉兎を突きつけます。さらに、宇文ヨウ/武帝の食事にはすでに毒が盛られており、玉座の前で宇文ヨウ/武帝は血を吐いて倒れてしまいます。

宇文護の勝利は決まったかに見えました。しかし、これこそが宇文ヨウ/武帝が長年かけて仕掛けた、命がけの罠だったのです!倒れたかに見えた宇文ヨウ/武帝でしたが、実はすべて彼の筋書き通り。宇文護が謀反人として本性を現した瞬間を狙い、一網打尽にするための壮大な芝居でした。長きにわたった宇文護の独裁は、ついに終わりを告げます。

見事復讐を果たした宇文ヨウ/武帝は、雪舞に周に残ってほしいと願いますが、蘭陵王への揺るぎない愛を目の当たりにし、二人を解放することを決意します。そして、蘭陵王には斉との停戦を約束するのでした。

『蘭陵王』第17話の感想

今回のエピソードは、宇文ヨウ/武帝という人物の深層に強く引き込まれました。彼がただの冷徹な皇帝ではなく、兄を殺され、その復讐のためだけに耐え忍んできた悲しい過去を持つ一人の人間であることが痛いほど伝わってきます。特に、兄の肖像画の前で決意を新たにする場面は、彼の背負ってきたものの重さを感じさせ、胸が締め付けられるようでした。雪舞への愛も、彼にとっては束の間の光だったのかもしれません。その恋が破れてもなお、彼女の幸せを願って解放する姿には、王としての器の大きさと人間的な魅力が溢れています。宇文護との最終対決は、まさに圧巻の一言。毒に倒れる絶体絶命の状況からの大逆転劇は、彼の長年の策略と覚悟が見事に結実した瞬間であり、見応えがありました。蘭陵王と雪舞の物語と並行して、これほど重厚な人間ドラマが描かれることに、この作品の奥深さを改めて感じさせられます。

周の皇帝・宇文ヨウ/武帝は、弟を救った楊雪舞(せつぶ) に感謝し、自らの想いを伝えるが、雪舞の心には蘭陵王がいることを知る。一方、宮中に潜入していた蘭陵王は、不穏な空気を感じ取り、雪舞に警戒を促す。長年、周の国を牛耳ってきた宇文護を倒すため、宇文ヨウ/武帝は命がけの計画を実行に移す時が来た。朝廷を舞台に、ついに二人の最終対決の火蓋が切られる。果たして、宮廷の覇権を握るのは誰なのか。そして、雪舞と蘭陵王の運命は…。

つづく