傷兵村の救済に尽力する楊雪舞(せつぶ) と、国の財政問題に悩む蘭陵王(らんりょうおう)。多忙な二人の間には、少しずつ心の距離が生まれていました。そんな中、王府で起きたある事件をきっかけに、蘭陵王は雪舞を厳しく責めてしまいます。一方、蘭陵王の側女である鄭児(ていじ)は、この機に乗じて彼の信頼を得ようと画策。彼女の巧妙な立ち回りは、夫婦の絆をさらに揺るがす事態を招きます。愛と信頼が試される、波乱含みの一話です。
「蘭陵王」あらすじネタバレ22話
今回は、多くのファンをヤキモキさせた『蘭陵王(らんりょうおう)』第22話について、熱く語っていきたいと思います!愛し合う夫婦の心に、静かに、しかし確実に毒を盛っていく鄭児(ていじ)の策略が、いよいよ本格化する回でしたね。
前回、雪舞(せつぶ)に忠実だった暁冬(きょうとう)が王府を去り、鄭児(ていじ)にとっては邪魔者が一人いなくなりました。 これでますます彼女の独壇場に…と、見ているこっちはハラハラしっぱなしです。
鄭児、皇太后まで手に掛ける
物語は、蘭陵王(らんりょうおう)府に不穏な空気が漂う中、始まります。雪舞(せつぶ)を孫のように可愛がる皇太后は、どうやら鄭児の存在を快く思っていない様子。彼女は鄭児をどこかへ嫁がせて、王府から追い出してしまおうと考えます。さすが皇太后、行動が早い!
しかし、ここで黙っている鄭児ではありません。追い詰められた彼女は、とんでもない行動に出ます。なんと、暑さに弱い皇太后のために用意された薬膳に、こっそり細工をしたのです。これを飲んだ皇太后は、暑さも相まってその場で意識を失い倒れてしまいます。ちょうどその時、雪舞は傷兵村で村人たちが自立して生きていけるよう、尽力している真っ最中でした。
知らせを受けて駆けつけた蘭陵王は、祖母の世話を頼んだはずの雪舞が留守だったことに激怒。帰宅した雪舞を「皇太后をないがしろにした」と激しく叱責します。雪舞は傷兵村の件を秘密にしているため、何も言い返せません。ああ、なんて切ないんでしょう…。善意の行動が、裏目に出てしまうなんて。
すれ違いが生んだ、最悪の夜
罪悪感でいっぱいの雪舞は、蘭陵王に心から謝罪し、しばらく傷兵村へ行くのをやめ、王府の仕事に専念することを約束します。そして、彼との仲を修復しようと、腕によりをかけて手料理を作り、彼の帰りを健気に待ち続けます。
一方、蘭陵王は国の財政難を解決するための資金繰りに頭を悩ませていました。その様子を察した鄭児は、「私を宮中に連れて行ってくだされば、後宮の妃たちから資金を集めてみせます」と申し出ます。蘭陵王は、その提案が合理的だと判断し、彼女を連れて宮殿へ向かうことに。
雪舞が最後の引き継ぎで傷兵村へ行っている間に、二人は出かけてしまいました。侍女は蘭陵王の機嫌を損ねるのを恐れ、雪舞の行き先を伝えられませんでした。
宮中で鄭児は、見事に資金集めの役目を果たします。それだけでなく、皇帝・高緯(こうい)の前で自身の潔白を訴え、蘭陵王の庇護を受けることに成功。感謝の印として、自分の大切な玉璜(ぎょくこう)を蘭陵王に贈ります。
その頃、王府では雪舞が、冷めていく料理を前に、一人寂しく蘭陵王の帰りを待っていました。そして、ついに帰ってきた彼の隣には、鄭児の姿が…。それだけではありません。雪舞が玄関先に出たその瞬間、鄭児はわざと蘭陵王に抱きつき、親密な様子を見せつけたのです。目の前の光景に、雪舞がどんなにショックを受けたか…想像するだけで胸が張り裂けそうです。
『蘭陵王』第22話の感想
今回のエピソードは、鄭児の策略家としての一面が遺憾なく発揮された回でした。彼女の行動は、単なる嫉妬心からではなく、明確な目的を持って計算され尽くされています。皇太后を陥れる手際の良さ、蘭陵王の悩みにすっと入り込むタイミング、そして宮中で自身の立場を確立するしたたかさ。その知能犯ぶりには、もはや感心すら覚えます。一方で、純粋な善意で行動する雪舞が、ことごとく裏目に出てしまう展開は見ていて非常に心が痛みました。彼女の優しさが、かえって鄭児に付け入る隙を与えてしまう構図は、このドラマの巧みな点だと思います。そして蘭陵王、あなたも少しは疑いなさい!と言いたくなりますが、彼の真っ直ぐな性格が、悲劇をより一層深くしているのでしょう。夫婦間の信頼というものが、いかに些細なボタンの掛け違いで揺らいでしまうのかを、まざまざと見せつけられた気がします。
つづく