周の皇帝・宇文ヨウ(うぶんよう)の献身的な看病により、衰弱した楊雪舞(せつぶ) は一命を取り留める。回復した雪舞は宇文ヨウと共に故郷の白山(はくさん)村へ向かうが、そこで悲しい現実に直面し、悲しみに暮れる。宇文ヨウに励まされ、ようやく前を向こうとしたその時、雪舞を捜していた蘭陵王(らんりょうおう)が到着。しかし、二人の親密な様子を見た蘭陵王は激しい嫉妬にかられ、宇文ヨウと激しく対立してしまう。愛と誤解が交錯する中、彼らの背後には新たな脅威が迫っていた。

「蘭陵王」あらすじネタバレ27話

いやあ、今回の『蘭陵王』は心が揺さぶられっぱなしでしたね!衰弱しきった雪舞(せつぶ)を、周の皇帝・宇文ヨウ(うぶんよう)が必死に看病するシーンから幕を開けました。自分の命の危険も顧みず、雪舞のために薬草を採りに行く宇文ヨウの姿には、彼の深い愛情を感じずにはいられません。

彼の献身的な介護のおかげで、雪舞は奇跡的に回復。意識を取り戻した雪舞は、故郷の白山村(白山(はくさん)村)を思い出します。宇文ヨウはそんな彼女の願いを快く受け入れ、二人で白山村へと向かうことに。

しかし、懐かしい故郷に帰り着いた雪舞が目にしたのは、あまりにも残酷な光景でした。村は見るも無残に荒れ果て、活気にあふれていた村人たちの姿はどこにもありません。そして、いつも優しく彼女を見守ってくれていた祖母は、冷たい土の下に…。祖母のお墓の前で泣き崩れる雪舞の姿は、本当に見ていて胸が痛みました。

悲しみに打ちひしがれる雪舞でしたが、祖母が遺した手紙を見つけます。そこには、雪舞への変わらぬ愛情と、彼女を誇りに思う気持ちが綴られていました。祖母の想いを受け取った雪舞は、宇文ヨウの「君は一人じゃない。これからは、助けを必要とするすべての人々を救うんだ」という力強い言葉に励まされ、再び顔を上げます。周に来てくれたら、白山村とそっくりの村を建ててあげると約束する宇文ヨウ、優しすぎますよね…。

感動的な雰囲気の中、ついに蘭陵王(らんりょうおう)が駆けつけます!しかし、彼が見たのは、宇文ヨウが優しく雪舞の手を握る姿…。誤解が誤解を呼び、蘭陵王の怒りは頂点に!嫉妬の炎に燃える蘭陵王は、宇文ヨウに刀を向け、二人は激しい死闘を繰り広げます。

その時、事態はさらに悪化!捕らえたはずの馬賊が縄を解き、雪舞の首に刃を突きつけたのです。一転、雪舞を救うために蘭陵王と宇文ヨウは協力して馬賊に立ち向かいます。そこへ周の兵が到着し、馬賊たちは制圧されました。

ようやく雪舞は、愛する蘭陵王の元へ。蘭陵王は、鄭児(ていじ)の嘘に騙されていたことを告白し、心から許しを請います。二人が再び結ばれる姿を静かに見届け、宇文ヨウは黙ってその場を去っていくのでした。彼の背中が、なんとも切なかったですね。

一件落着かと思いきや、一行を密かに追っていた皇太子の高緯(こうい)が登場。彼は蘭陵王の制止も聞かず、捕虜となった馬賊たちを焼き殺すよう命じます。その残虐な行為は、蘭陵王との間に決定的な溝を作り、見ている雪舞の心にも、新たな不安の影を落とすのでした。

『蘭陵王』第27話の感想

今回は、登場人物たちの様々な感情が複雑に絡み合う、非常に見ごたえのある回でした。前半は、宇文ヨウの深い愛情と優しさが際立ち、雪舞が彼に心を開いていく様子が丁寧に描かれていました。故郷を失った雪舞の絶望と、祖母の愛によって再び立ち上がる姿には、胸を打たれずにはいられません。一方で、愛する人を奪われたという誤解から激しい嫉妬に駆られる蘭陵王の姿も人間味にあふれていました。しかし、最も印象的だったのは、最後に現れた高緯(こうい)の存在です。彼の底知れぬ残虐性が、蘭陵王と雪舞の未来に暗い影を落とすことを予感させ、物語に一層の深みを与えています。穏やかなシーンと激しい対立、そして不穏な結末という構成が巧みで、強く記憶に残るエピソードでした。

つづく