蘭陵王(らんりょうおう)が忘れていった大切な面を届けるため、雪舞(せつぶ)は固い決意を胸に初めて村の外へ旅立つ。しかし、世間知らずな彼女は道中で出会った青年に騙され、思いもよらない場所へ売られてしまい絶体絶命の窮地に。まさに万事休すかと思われたその時、彼女を救ったのは探し求めていたあの人だった。だが、感動の再会も束の間、彼から危険な任務への協力を依頼される。その驚くべき内容に雪舞は戸惑うが…。

「蘭陵王」あらすじネタバレ3話

「あの人に、これを届けなきゃ…!」

白山(はくさん)村に平和を取り戻してくれた恩人、蘭陵王(らんりょうおう)。彼が忘れていった「軍神の面」を見つけた雪舞(せつぶ)の心は、決意で満たされていました。たとえ、おばあ様に「二人は決して結ばれない運命だ」と止められても、この気持ちは止められない!雪舞は、蘭陵王に面を届けるため、生まれて初めて村の外へと旅立ちます。

しかし、世間知らずで純粋な雪舞を待ち受けていたのは、あまりにも過酷な現実でした。道中で出会った小悪党の韓暁冬(きょうとう) に親切にされ、すっかり信用してしまいますが、これが大きな間違い。なんと暁冬は雪舞を騙し、闇娼館に売り飛ばしてしまったのです!

自由を奪われ、絶望の淵に立たされた雪舞。しかし、彼女はただ泣き寝入りするような娘ではありません。持ち前の聡明さで機転を利かせ、他の娘たちを逃がすことに成功します。ですが、そのせいで店の女将の怒りを買い、見せしめにされそうになったその瞬間…!

「客が来たぞ!」

まさに絶体絶命のピンチに、一人の客が訪れます。女将は不満ながらも、雪舞をその客の部屋へ連れて行くことに。

そして、雪舞が部屋で顔を上げた先にいたのは…なんと、探し求めていた蘭陵王その人でした!

「四爺(しや)様…!」

やっと会えた喜びも束の間、雪舞はすぐに凍りつきます。なぜ、あの気高く優しいはずの蘭陵王が、こんな場所にいるの?まさか、女性を買うために…?信じられない、信じたくない!雪舞は、自分の見る目のなさと運命を呪い、深く傷つきます。

しかし、蘭陵王の口から語られたのは、衝撃の真実でした。彼は、周の罠にはまり捕らえられた腹心の部下・須達(しゅだつ)を救出するため、協力者を探しにこの娼館を訪れたのです。そして、雪舞のように賢く、正義感の強い女性の助けが必要だと告げます。

彼の目的が人助けだと知り、安堵する雪舞。もちろん、協力を快諾します。

「分かりました!私、協力します!」

しかし、蘭陵王から告げられた協力方法に、雪舞は再び固まってしまうのでした。

「俺と夫婦になり、周に潜入してもらう」

偽りの結婚!?運命の再会は、とんでもない任務の始まりを告げたのでした。

『蘭陵王』第3話の感想

運命の人と信じた男性と、まさか娼館で再会するなんて、雪舞の衝撃は計り知れなかったでしょう。純粋な彼女が世間の汚さに触れ、人に裏切られる姿は見ていて胸が痛みました。しかし、そんな逆境でも機転を利かせて他人を助けようとする彼女の芯の強さには感心させられます。一方、蘭陵王もただの完璧な英雄ではなく、仲間を救うためには汚れた場所にも足を踏み入れる覚悟と、そのための苦悩を抱えていることが描かれ、キャラクターの深みが増したように感じます。お互いを誤解し、傷つきながらも、最後には「救出」という同じ目的のために手を取り合う展開は、二人の絆が恋愛感情だけでなく、より強く複雑なものへと変化していく予感をさせます。偽装夫婦として敵国へ潜入するという、危険な任務に二人がどう挑んでいくのか、今後の展開から目が離せません。

つづく