いやあ、今回の『蘭陵王』は本当に息をのむ展開でしたね!死んだはずのあの人が…まさかの形で帰ってくるなんて!それでは早速、第43話のあらすじとネタバレを見ていきましょう。まだご覧になっていない方は、この先はご注意くださいね。

仮面の義士との出会いと深まる謎

街でスリに遭い、落ち込んで家に帰ってきた雪舞(せつぶ)。すると、どういうわけか盗まれたはずの銭袋が机の上に置かれているではありませんか!驚いて外に飛び出すと、黒装束に仮面をつけた謎の人物が。彼が助けてくれたのだと察した雪舞(せつぶ)は、お礼にお茶でもと家に招き入れます。

しかし、その仮面の義士は一言も話しません。雪舞は彼を口のきけない人なのだと思い込みますが、その佇まいや眼差しに、なぜか不思議な親近感を覚えるのでした。そして彼が去った後、部屋に落ちていた白い帯を見つけ、雪舞の胸に一つの大きな疑念が芽生えます。「まさか、あの人は…?」。

その疑念を打ち消そうと、蘭陵王(もちろん、この時点では雪舞は彼が蘭陵王だとは確信していません)は、部下の楊士深(ようししん)に同じ仮面をつけさせ、雪舞の前でわざと仮面を外させるという芝居を打ちます。しかし、雪舞の目はごまかせません。楊士深(ようししん)の目と、あの義士の目は違う…。彼女の疑いは、ますます確信へと変わっていくのでした。

鳳凰山の罠と絶体絶命の危機

一方、斉の朝廷では、悪賢い祖テイ(そてい)が「仮面の義士」の噂を聞きつけ、これを捕らえるために大軍を率いて鳳凰山へと向かっていました。その計画を偶然耳にしてしまった雪舞は、義士に危険を知らせようと、彼から渡されていた「困ったことがあれば鳳凰山で狼煙を上げよ」という紙の言葉を信じ、一人山へと急ぎます。

しかし、これはすべて祖テイ(そてい)の罠でした。雪舞を心配して後を追ってきた周の皇帝・宇文ヨウ(うぶんよう)もろとも、二人はあっけなく捕らえられてしまいます。祖テイは、宇文ヨウ(うぶんよう)を殺すことで手柄を立てようと、恐ろしい毒虫が入った酒を無理やり飲ませようとします。万事休す、もはや誰も助けには来ない…誰もがそう思った、その瞬間でした。

ついに明かされる真実!英雄の復活

宇文ヨウが毒酒をあおられようとしたその刹那、風のように仮面の義士の一団が天幕に押し入ります!中心に立つ義士は、長い剣で毒酒の杯を弾き飛ばすと、ゆっくりと自らの仮面に手をかけ…。

仮面の下から現れたのは、誰もが死んだと思っていた高長恭・蘭陵王の顔でした!

その場にいた斉の兵士たちは、自分たちの英雄の帰還に驚き、武器を捨ててひざまずきます。形勢は一瞬で逆転し、さっきまで勝ち誇っていた祖テイは捕らえられ、蘭陵王の怒りの剣によって斬り捨てられるのでした。

目の前で「亡者」が蘇るという信じがたい光景を目の当たりにした宇文ヨウは、ただただ愕然とするばかり。雪舞と蘭陵王の再会、そしてライバルである宇文ヨウとの対峙。この瞬間、止まっていた運命の歯車が、再び大きく動き始めたのです。

『蘭陵王』第43話の感想

今回のエピソードは、物語の根幹を揺るがす大きな転換点となりました。蘭陵王の生存は多くの視聴者が願っていたことでしょうが、その登場の仕方が実に劇的でした。前半、雪舞が仮面の義士に抱く直感的な気づきは、二人の魂の結びつきの強さを改めて感じさせます。言葉を交わさずとも、眼差しだけで通じ合うものがあるという描写は、非常に説得力がありました。

そして圧巻だったのは、やはりクライマックスの正体判明のシーンです。絶体絶命の状況をたった一人で覆す英雄の帰還は、これ以上ないカタルシスをもたらしてくれました。特に、宿敵であったはずの宇文ヨウが、その復活の証人となる構図が秀逸です。彼の驚愕と複雑な心情が、今後の三国間の関係にどのような影響を与えていくのか、物語に一層の深みを与えています。悪役・祖テイの最期も、蘭陵王の怒りと復活を際立たせる見事な演出でした。静かな疑惑の積み重ねから、最後の爆発的な感動へと繋がる構成は見事と言うほかありません。

つづく