祖テイ(そてい)の罠により絶体絶命の危機に陥った雪舞(せつぶ)と宇文ヨウ(うぶんよう)。彼らを救ったのは、民衆を助ける謎の「仮面の義士」だった。ついに訪れる感動の再会の裏で、ある人物は静かに身を引き、己の宿命と向き合うため悲壮な決意を固める。一方、斉の国では皇帝の奇行が続き、国は崩壊の危機に瀕していた。それぞれの愛と使命が交錯し、物語が大きく動き出す。

「蘭陵王」あらすじネタバレ44話

いやあ、今回の『蘭陵王(らんりょうおう)』第44話は、ティッシュ箱必須の展開でしたね!生きていた蘭陵王と雪舞(せつぶ)の再会という、待ちに待った瞬間がありながら、その裏で描かれる宇文ヨウ(うぶんよう)の切なさが胸に突き刺さりました。

ついに再会!蘭陵王と雪舞

物語は、祖テイ(そてい)の卑劣な罠から始まります。なんと、雪舞を気絶させ、宇文ヨウに解毒薬のない毒酒を飲ませるという暴挙に!万事休すかと思われたその時、颯爽と現れたのが、あの仮面の義士です。そう、我らが蘭陵王!

無事に二人を救い出したものの、蘭陵王が生きていたことを知った宇文ヨウの心中は穏やかではありません。親友だと思っていた男に裏切られた怒りをぶつけます。そりゃそうですよね、雪舞をあれだけ想い、守ってきたのですから。

その後、楊士深(ようししん)からすべての真相を聞いた雪舞は、仮面の義士の前に立ち、「顔を見せてほしい」と懇願します。蘭陵王がゆっくりと仮面を外すと、そこには愛しい夫の顔が…。言葉にならない想いがあふれ、二人は固く抱きしめ合うのでした。このシーンは本当に感動的でしたね。

宇文ヨウの悲壮なる決意

一方で、二人の再会を遠くから静かに見つめていた宇文ヨウ。彼は何も言わずにその場を去り、周へと帰国します。自分が毒に侵されている事実を雪舞に告げないなんて、どこまで自己犠牲的なんでしょうか…。

帰国後、侍医から毒は解毒不可能だと告げられた宇文ヨウは、重大な決意を固めます。残された命が尽きる前に、天下統一を成し遂げる。そのために、全軍を挙げて斉を討つことを決断するのでした。彼の背負う宿命の重さに、思わず言葉を失います。

それぞれの道へ

賤民村に戻った蘭陵王と雪舞は、息子の平安(へいあん)と三人でつかの間の家族団らんを楽しみます。しかし、蘭陵王が「仮面の義士」として虐げられる民を救う使命を背負っていることを、雪舞は誰よりも理解していました。彼女は、危険な斉の国へ蘭陵王と共に戻ることを自ら申し出るのです。この夫婦の絆の強さには、本当に頭が下がります。

その頃、当の斉の国では、皇帝・高緯(こうい)がとんでもない奇行に走っていました。なんと宮殿内に「乞食村」を作り、自らも乞食に扮して物乞いごっこに興じているというのです。国が滅びゆくのも当然か…と呆れてしまうほどの愚行ですね。

それぞれのキャラクターが大きな決断を下し、物語は最終決戦へと向けて大きく動き出しました。

『蘭陵王』第44話の感想

今回は、待ち望んだ再会の喜びと、避けられない別れの切なさが鮮やかに対比される回でした。蘭陵王と雪舞がようやく結ばれた一方で、その幸せを陰から見守り、自らの命の灯火が消えゆく中で天下統一という大義に身を捧げることを決意した宇文ヨウの姿には、深い感銘を受けました。彼の愛の形は、あまりにも切なく、そして気高いものです。また、蘭陵王と雪舞が手にした束の間の平穏を自ら手放し、再び困難な道を選ぶ姿は、二人の絆の強さと使命感の表れでしょう。対照的に描かれる高緯の愚かな行動が、斉の国の行く末を暗示しており、物語全体の緊張感を一層高めています。それぞれのキャラクターが背負う宿命が交差し、物語が大きく動いた重要な一話でした。

つづく