周軍の毒矢に倒れた蘭陵王(らんりょうおう)を救うため、雪舞(せつぶ)は危険を顧みず敵陣へと乗り込む。 唯一の希望である解毒薬を手に入れるため、彼女は周の皇帝・宇文ヨウ(うぶんよう)/武帝(うぶんよう/ぶてい)を相手に一世一代の危険な賭けに出る。一方、蘭陵王不在の斉軍は、皇太子の高緯(こうい)が指揮を執るものの、経験不足から周軍に大敗を喫し、洛陽城は包囲され絶体絶命の危機に陥ってしまう。 国の存亡がかかる中、生死の境をさまよっていた蘭陵王に、雪舞が届けようとする一筋の光は間に合うのか。英雄の真価が問われる時が迫る。

「蘭陵王」あらすじネタバレ8話

いやあ、今回の『蘭陵王(らんりょうおう)』第8話は、息つく暇もないとはこのことですね!愛する人のためなら、毒さえも利用する雪舞(せつぶ)の覚悟と、国の危機に満身創痍で立ち向かう蘭陵王(らんりょうおう)の姿。もう、画面に釘付けでした!

さっそく、ハラハラドキドキの展開を振り返っていきましょう!

雪舞(せつぶ)、命がけの奇策!解毒薬をその手に

前回、蘭陵王を救うため、たった一人で(暁冬(きょうとう)はいるけど)周の陣営に乗り込んだ雪舞。敵の総大将である宇文ヨウ(うぶんよう)/武帝(うぶんよう/ぶてい)に「斉を裏切って来ました」なんて、とんでもない嘘をついて潜入します。

もちろん、百戦錬磨の宇文ヨウ(うぶんよう)/武帝(うぶんよう/ぶてい)がそんな言葉を信じるはずもなく、雪舞を周軍の士気を高めるための「天女」として利用しようとします。でも、私たちの雪舞はただの村娘じゃありません!宇文ヨウ/武帝(うぶんよう/ぶてい)の企みを見抜くと、なんと隠し持っていた毒をあおり、彼の目の前で倒れてみせるんです!

これには宇文ヨウ/武帝もびっくり。「天女が毒で死んだら周軍の士気が下がる!」と大慌てで、隠していた解毒薬を雪舞に口移しで飲ませます。そう、これこそが雪舞の狙い!彼女は解毒薬を口に含んだまま、こっそり手巾(ハンカチ)に染み込ませていたのです。この手巾こそが、蘭陵王を救う唯一の希望!

この命がけで手に入れた希望を、忠実な従者の暁冬(きょうとう)が斉の陣営へと運びます。宇文ヨウ/武帝もすぐに雪舞の策に気づき追手を放ちますが、暁冬はボロボロになりながらも、なんとか蘭陵王のもとへたどり着くのでした。暁冬、グッジョブ!

ポンコツ太子・高緯(こうい)のせいで斉、絶体絶命!

一方その頃、斉の国ではとんでもない事態が起きていました。蘭陵王が毒で倒れたのをいいことに、「今こそ俺の時代!」とばかりに皇太子の高緯(こうい)が軍の指揮を執ることに。

これがもう、悲劇の始まり…。実戦経験ゼロな上に、性格は自己中心的。頼るのは占い師の言うことだけ。周の将軍・尉遅迥(うっちけい)が仕掛けた火攻めの計にあっさりと引っかかり、斉軍はなすすべなく大敗北。高緯(こうい)はさっさと洛陽城に逃げ帰り、城門を閉じて引きこもってしまいます。

宇文ヨウ/武帝は、斉の重鎮・斛律光(こくりつこう)の軍も別動隊で足止めしており、洛陽は完全に孤立無援。まさに風前の灯火です。高緯、本当にしっかりしてくれ…!

神は死なず!蘭陵王、500騎で10万の敵へ

暁冬が持ち帰った解毒薬で、蘭陵王は奇跡的に意識を取り戻します。しかし、斉軍惨敗と洛陽包囲の報せが彼の耳に。

傷はまだ癒えず、立ち上がるのもやっとの状態。誰もが止める中、蘭陵王は決意します。

「私が出陣する」

彼が率いるのは、わずか500の精鋭騎馬隊。対する宇文ヨウ/武帝の軍勢は10万。あまりにも無謀な戦力差です。鎧をまとうその身からは、まだ血がにじんでいる…。それでも、彼の瞳は国と民を救うという決意に燃えていました。

雪舞は、そんな蘭陵王を信じて送り出します。

500の騎馬隊が、まるで一本の鋭い刃のように10万の大軍へと突撃していくシーンで、第8話は幕を閉じます。果たして、蘭陵王はこの絶望的な状況を覆すことができるのでしょうか!?

『蘭陵王』第8話の感想

今回のエピソードは、登場人物それぞれの「覚悟」が際立つ回でした。雪舞が見せた知略と勇気には、ただただ感服するばかりです。彼女は単に蘭陵王を愛しているだけでなく、巫女としての知恵と、人を救うという強い信念を持っていることがよく分かります。自ら毒を飲むという選択は、彼女の揺るぎない決意の表れでしょう。

一方で、国の命運を左右する立場にありながら、私怨と無能さで全てを台無しにする高緯の存在が、物語に強烈な緊張感とやるせなさをもたらしています。彼の存在があるからこそ、蘭陵王の英雄性が一層際立つという、見事な対比構造でした。

そして、敵役である宇文ヨウ/武帝の複雑な魅力も光ります。冷徹な策略家でありながら、雪舞を前にすると人間的な動揺を見せる。彼が雪舞を助けたのは計算だけでなく、どこかにあったはずの良心だったのかもしれません。

英雄の復活と絶望的な戦いの幕開けという、まさに物語の転換点となる素晴らしい回でした。

つづく