周と突厥の連合軍10万に洛陽城を完全に包囲され、斉は絶体絶命の窮地に立たされる。その頃、敵国の周に捕らえられた雪舞(せつぶ)は、毒に侵され衰弱しきっていた。周の皇帝・宇文ヨウ(うぶんよう)/武帝(うぶんよう/ぶてい)は、そんな彼女を人質として戦場にさらし、斉軍に精神的な揺さぶりをかける。もはやこれまでかと思われたその時、どこからともなく鬼の面をつけた謎の騎馬隊が出現。圧倒的な不利を覆すべく、戦場を駆け抜ける。果たして、彼らは何者なのか。そして、雪舞と蘭陵王(らんりょうおう)の運命は…。

「蘭陵王」あらすじネタバレ9話

いやはや、今回の『蘭陵王(らんりょうおう)』第9話は、まさに息をのむ展開でしたね!絶体絶命のピンチに颯爽と現れるヒーロー。これぞドラマの醍醐味!というのを、まざまざと見せつけられた回でした。それでは早速、手に汗握る第9話の世界へご案内しましょう!

周の軍営で、雪舞(せつぶ)は毒に侵され、意識も朦朧としていました。指一本動かすのもやっとの状態で、彼女が唯一握りしめていたのは、愛する蘭陵王から贈られた玉佩。冷たい玉の感触だけが、彼との繋がりを教えてくれる最後の希望でした。

その頃、非情な周の皇帝・宇文ヨウ(うぶんよう)/武帝(うぶんよう/ぶてい)は、病に苦しむ雪舞をあろうことか戦場が見渡せる高台へと引きずり出します。彼の狙いは、雪舞の身を案じる蘭陵王を誘き出し、斉軍の士気をくじくこと。眼下には、突厥の援軍と合流した周の10万もの大軍が、洛陽城を黒い蟻のように埋め尽くし、まさに城が飲み込まれようとしていました。

周軍が総攻撃を開始しようとした、その瞬間です!

突如、邙山の方向から、赤黒い鬼の面をつけた謎の騎馬隊が姿を現しました。その数、わずか500。しかし、その勢いはまるで猛火をまとった龍のよう。稲妻のごとく周軍の後方に突撃し、完璧だったはずの陣形をあっという間に切り裂いていきます。鬼面の兵士たちの圧倒的な強さに、歴戦の猛者である周の兵士たちも恐怖に慄き、逃げ惑うばかり。周の将軍・尉遅迥(うっちけい)も、信じがたい光景に顔色を失います。

混乱の戦場の中心で、騎馬隊を率いる将軍が、ついにその鬼面を外しました。

現れたのは、誰もが待ち望んだ英雄、蘭陵王その人!

「五百騎で十万の敵を破る」という、後に伝説となる奇跡の瞬間です。蘭陵王はそのまま馬を高台へと走らせ、雪舞を縛っていた鎖を一太刀で断ち切り、力なく崩れ落ちる彼女をそのたくましい腕で抱きしめました。薄れゆく意識の中、雪舞がずっと待ち焦がれていた温もりが、ついに彼女を包み込んだのでした。

蘭陵王は雪舞を連れて、幼少期を過ごしたという隠れ家へ。そこで二人は、ようやく安らぎの時間を共に過ごすのでした。

『蘭陵王』第9話の感想

今回の第9話は、まさしく蘭陵王の独壇場でした。彼の英雄としての側面が、これ以上ないほど鮮やかに描かれていたと思います。特に、わずか五百騎で十万の大軍に突撃し、見事に打ち破る「邙山の戦い」は圧巻の一言です。絶望的な状況をたった一人で覆す姿は、まさに軍神そのものでした。一方で、敵である宇文ヨウ/武帝も単なる悪役ではなく、雪舞に対して複雑な感情を抱いている様子が描かれ、キャラクターに深みを与えています。毒に苦しみながらも蘭陵王を信じ続けた雪舞の健気さと、それに応えた蘭陵王の劇的な救出劇は、この物語の核心にある二人の強い絆を改めて感じさせてくれました。戦の激しさと、再会した二人の静かな時間の対比が非常に美しく、心に残るエピソードです。

つづく