南荒(なんこう)軍の侵攻により、天麓城は最大の危機を迎える。将兵が士気を失う中、夫の無実を信じ祈りを捧げていた花溶(かよう)が、皆の前に立ち上がり、起死回生の一手を明かす。一方、南荒では、半月もの間意識を失っていた秦尚城(しんしょうじょう)が遂に目を覚ます。しかし、彼を待っていたのは南荒の王・端木擎蒼(たんもく・けいそう)からの、天下の覇権に関わる危険な取引だった。三国和談のため、再び南荒の地を踏むことになった花溶。離れ離れの二人の運命が、今、再び交差しようとしていた。

「雲花のロマンス~一夜の花嫁2~」あらすじネタバレ21話

いや~、今回の21話は、停滞していた物語が大きく動き出す、まさに神回でしたね!花溶(かよう)と秦尚城(しんしょうじょう)、離れ離れの二人がそれぞれの場所で未来を切り開こうと奮闘する姿に、胸が熱くならずにはいられませんでした。

絶体絶命の天麓城!救世主は花溶(かよう)

物語は、重苦しい雰囲気の天麓城から始まります。秦尚城(しんしょうじょう)の仲間である銭大有(せん・たいゆう)と張弦(ちょう・げん)は、やけ酒をあおる日々。それもそのはず、花溶(かよう)は夫・秦尚城(しんしょうじょう)の無実を信じ、亡き花おじ様の霊廟に三日三晩も跪き、飲まず食わずで祈りを捧げているのですから。その姿は痛々しく、見ているこっちまで胸が締め付けられます。

そんな中、銭大有(せん・たいゆう)が「南荒(なんこう)が攻めてきたらどうするんだ」なんて不吉なことを言った矢先、本当に南荒(なんこう)軍が天麓城に攻め込んできます!まさに烏の口!城内はパニックに陥り、将軍を失い、城主も不在の兵士たちは士気を喪失。「秦尚城が裏切ったせいだ」とあらぬ疑いをかける者まで現れ、まさに群龍無首の状態です。

誰もが絶望しかけたその時、ついに花溶が立ち上がります!やつれた姿ながらも、その瞳には強い光が宿っていました。「南荒軍はすぐに撤退します」と断言する花溶。彼女は、この事態を予見し、皇帝に「囲魏救趙(いぎきゅうちょう)」の策を進言していたのです。その策とは、敵の主力が出払っている隙に、その本拠地を攻めるというもの。すでに岳鳳(がくほう)が万疆国に使節として向かい、反撃の準備は整っていたのでした。さすがは我らが花溶!ただ悲しみに暮れているだけではなかったんですね。

その読み通り、南荒の王・端木擎蒼(たんもく・けいそう)は、自国の危機を知り、やむなく天楚(てんそ)との和談を決意。天麓城から兵を引くことになりました。

秦尚城、覚醒。そして南荒の王との危険な取引

一方、南荒では、ついに秦尚城が半月ぶりに目を覚まします!彼を襲った黒衣人の正体は孔霖(こう・りん)の手下だったことも判明。しかし、目覚めた彼を待っていたのは、端木擎蒼との緊迫した対面でした。

端木擎蒼の野望は、天下統一。その鍵を握るのが、天下第一の火器師・易非池(えきひち)が作ったという伝説の兵器「神威大砲」です。彼は秦尚城に、この大砲の設計図を見つけ出すよう命じます。

「なぜ俺が?」と反発する秦尚城ですが、端木擎蒼は切り札を出してきます。「花溶が和談の使節として南荒へやって来る」と。愛する花溶と再会するために、そして彼女のいる天楚(てんそ)国に設計図が渡るのを阻止するために、秦尚城はこの危険な取引を受け入れざるを得ませんでした。「三国和談の前に、必ず設計図を渡す」と。うーん、なんという皮肉な運命でしょうか。

それぞれの想いと、恋の予感?

その頃、南荒の宮殿では、端木擎蒼の息子・端木白(たんぼくはく)が瀕死の重傷から一命をとりとめていました。赤紅(せきこう) の献身的な看病と、偶然見つかった名医・華三郎(かさぶろう)の治療のおかげです。しかし、足に受けた傷は深く、再び歩くことは困難かもしれないという非情な診断が…。それでも希望を捨てない赤紅(せきこう) の姿が健気でなりません。

そして、シリアスな展開の中、ちょっとした笑いを届けてくれるのが銭大有(せん・たいゆう)と六公主のコンビ。最近、なぜか六公主の態度が軟化したことに、銭大有は「歯痛で口数が減ったから、物憂げで深沈な王子様に見えるんだ!」と盛大な勘違い(笑)。南荒への道中、「憂鬱王子」キャラを貫いて、公主のハートを射止めようと決意するのでした。頑張れ、銭大有!

様々な想いが交錯する中、花溶は和談使節として、再び南荒の地へ。仲間たちも一緒です。そこで彼らが耳にしたのは、「秦尚城が南荒の太子になる」という衝撃的な噂でした。しかし、仲間たちは彼の力を信じています。もちろん、花溶も。「たとえ世界中の人が彼を疑っても、私だけは信じている」。この強い想いが、きっと二人を再び巡り合わせるはずです。

『雲花のロマンス~一夜の花嫁2~』第21話の感想

今回は、物語の歯車が再び大きく噛み合った、非常に見応えのある回でした。特に印象的だったのは、花溶と秦尚城の揺るぎない信頼関係です。物理的に引き裂かれ、互いの状況も定かではない中で、ただ一途に相手を信じ抜く姿は、この物語の核となる愛情の深さを改めて感じさせてくれました。

また、端木擎蒼という新たな野心家の登場により、単なる恋愛ドラマに留まらない、国家間の駆け引きという壮大なスケールが加わりました。彼が秦尚城に持ちかけた取引は、今後の展開に大きな波乱を呼び込むことでしょう。一方で、端木白(たんぼくはく)の悲劇や、彼を支える赤紅(せきこう) の献身、そして銭大有と六公主のコミカルな恋模様など、脇を固めるキャラクターたちのドラマも丁寧に描かれており、物語に一層の深みを与えています。シリアスとコミカルのバランスが絶妙で、重厚なテーマを扱いながらも、決して視聴者を飽きさせない巧みな構成に感心しました。

つづく