上海で新生活を始めた路小路(ルー・シャオルー)と白藍(バイ・ラン)。路小路はホテルのドアマンとして、白藍はモデルとして、それぞれ新たな一歩を踏み出す。ささやかな幸せと、いつかレストラン「藍色之路」へ行こうという約束を胸に励む二人だったが、大都会の現実は甘くなかった。路小路は仕事で屈辱的な出来事に遭遇し、白藍もまたモデル業界の厳しい現実に直面する。ある事件をきっかけに、二人の心はすれ違い始め、純粋だった恋に暗い影が差し始める。
「青い恋 1996~少年バビロン~」あらすじネタバレ15話
上海での新生活、夢と希望を胸に抱いていたはずの路小路(ルー・シャオルー)と白藍(バイ・ラン)に、大都会の厳しい現実が容赦なく襲いかかる第15話。甘酸っぱい恋物語は鳴りを潜め、二人の心が引き裂かれていく、あまりにも切ない展開となりました。
上海での新生活と最初のチップ
故郷を離れ、上海の高級ホテルでドアマンとして働き始めた路小路(ルー・シャオルー)。慣れない仕事に戸惑う彼に、先輩は「チップをくれる客を見分ける眼力」が重要だと説きます。しかし、生真面目な路小路(ルー・シャオルー)は、先輩が「チップはくれない」と見切った外国人観光客に、道を聞かれて親切に案内。すると、なんと感謝の言葉と共に、人生で初めてのチップを手渡されるのです!ささやかな成功に、思わず笑みがこぼれる路小路。同僚も一緒になって喜んでくれるこのシーンは、まだ彼の心に希望の光が灯っていたことを感じさせます。
白藍(バイ・ラン)の決意と「藍色之路」の約束
一方、白藍(バイ・ラン)もモデルの仕事で才能を見出され、順調な滑り出しを見せます。しかし、所属先の社長から「もっと良い仕事には、それなりの対価が必要だ」と、暗に肉体関係を要求され、きっぱりと拒絶。気高く、自分を安売りしない白藍の強さが光ります。
そんな二人は、街で「藍色之路(青い道)」という素敵なレストランを見つけます。まるで自分たちの名前が入っているような店名に、白藍は嬉しそう。路小路は「いつか必ず君をここに連れてくる」と固く約束し、二人は未来への希望を分かち合いました。
友情と屈辱、そしてすれ違いの始まり
路小路はホテルの食品展覧会を知り、故郷でミルクティー店を営む親友・李光南(リー・グアンナン)にビジネスチャンスを掴んでほしいと、秦娟(チン・ジュエン)を通じて連絡します。まだ少し気まずさが残る李光南(リー・グアンナン)も、ミルクティー事業のためだと口では言いながら、上海へやって来ることに。
しかし、運命は残酷です。展覧会の会場で、モデルとして展示された白藍のパネルを見つけた路小路。興奮して駆け寄った際、誤って女性客にぶつかってしまいます。激怒した客に、ホテルのマネージャーは路小路に土下座して靴を磨くよう命令。プライドをズタズタにされながらも耐える路小路が、屈辱に歪む顔を上げたその瞬間、目の前に立っていたのは、故郷から駆けつけた李光南(リー・グアンナン)と秦娟(チン・ジュエン)でした。変わり果てた親友の姿に、李光南は心ない言葉を浴びせ、二人は最悪の再会を果たしてしまいます。
その夜、打ちのめされた路小路は、白藍に「モデルの仕事がそんなものだと知っていたら、絶対に賛成しなかった」と本心をぶつけてしまいます。それは白藍を心配するがゆえの言葉でしたが、自分の仕事を否定されたと感じた白藍は深く傷つき、二人の間には冷たいカーテンが引かれてしまいました。
盗まれたカメラと黄(ホアン)社長の罠
白藍の誕生日プレゼントにカメラを買おうと、同僚から中古のカメラを買い取った路小路。少しでも白藍を喜ばせたい一心でした。その頃、白藍は社長から紹介された黄(ホアン)社長という男から、ジュエリーのモデルを依頼されますが、「彼氏が嫌がるから」と断ります。
しかし、この黄(ホアン)社長が新たな悲劇の引き金となりました。路小路は突然、カメラ窃盗の容疑で警察に連行されてしまいます。彼が同僚から買ったカメラは、実は黄(ホアン)社長が盗まれたものだったのです。同僚は姿を消し、路小路は絶体絶命のピンチに。
さらに、黄(ホアン)社長は白藍の大学で講演会を開き、大勢の前でカメラ窃盗事件について白藍に質問するという卑劣な手口で彼女を追い詰めます。講演後、恋人を助けてほしいと懇願する白藍に、黄(ホアン)社長は冷たく拒絶。追い詰められた白藍は「私が彼に盗むよう指示したと認めます」と、身代わりになる覚悟を決めるのでした。
決裂、そして別れ
帰宅した路小路は、白藍が自分の罪を被ろうとしていることを知ります。「なぜそんなことをするんだ。君も僕を信じていないのか?」その言葉は、白藍の心を深くえぐりました。信じていないからじゃない、愛しているから守りたいだけなのに…。言葉にならない想いが涙となって溢れ、二人の心は決定的にすれ違ってしまいます。
そして、悲劇は終わらない。白藍に大学からの除名処分が下されます。荷物をまとめ、絶望の中で家に帰った彼女が目にしたのは、路小路が書き置きを残して去っていった、もぬけの殻の部屋でした。
『青い恋 1996~少年バビロン~』第15話の感想
大都会・上海を舞台に、夢を追う若者が直面する現実の厳しさが、これでもかと描かれた回でした。純粋な想いだけでは乗り越えられない社会の壁や、人の悪意に翻弄され、二人の関係が少しずつ蝕まれていく様子は、見ていて胸が締め付けられます。特に印象的だったのは、お互いを深く愛し、守りたいと願う行動が、かえって相手を傷つけ、すれ違いを生んでしまう皮肉な展開です。路小路がプライドを傷つけられ、白藍が尊厳を踏みにじられる姿は、あまりに痛々しいものでした。希望に満ちていたはずの二人の恋が、社会の荒波の中でどうなってしまうのか。静かながらも重い余韻が残り、二人の行く末を案じずにはいられません。
つづく