どうも!今回もやってきました『青い恋 1996~少年バビロン~』の時間が。前回、失意のまま街を去った路小路(ルー・シャオルー)がどうなるのか、気になっていた方も多いんじゃないでしょうか。第16話は、そんな彼の帰郷から幕を開けますが、待っていたのはあまりにも過酷な現実でした。早速、あらすじとネタバレを見ていきましょう!
戻らない日常と突然の凶報
街に帰ってきたものの、路小路(ルー・シャオルー)は誰にも連絡を取らず、父親の船で酒に溺れる日々を送っていました。心配した秦娟(チン・ジュエン)と李光南(リー・グアンナン)が探しに行っても、そこにあるのは空の酒瓶だけ。工場でも、無断欠勤が続く小路に老牛皮(ラオニウピー)はカンカンです。
そんな中、牛小英(ニウ・シャオイン)が血相を変えて飛び込んできます。「小路のお母さんが入院したの!」と。その頃、ようやく長脚(チャンジャオ)に発見された泥酔状態の小路。李光南(リー・グアンナン)から母親の入院を知らされ、彼の酔いは一気に醒めるのでした。
病院では、医師から父親へ衝撃の事実が告げられます。母親の病気は手術が必要で、しかも省都から専門医を呼ばねばならず、高額な費用がかかるというのです。工場の経営難で医療費の払い戻しもままならない状況。母親は家族に心配をかけまいと涙をこらえますが、その姿はあまりにも痛々しいものでした。
金策に走る家族と、すれ違う想い
母親から手術を拒否され、パニックになった小路は工場の洪(ホン)書記に直談判しますが、工場の財政は火の車。そこに現れた丁徳忠(ディン・ダーヂョン)と口論になり、事態は悪化するばかりです。
家に帰ると、父親がなけなしの貯金と借金の借用書を前に頭を抱えていました。合計すれば5000元。父親は借金の取り立てに走り、小路は父親の口利きでなんとか警備課に異動させてもらいます。しかし、仕事中も心ここにあらず。そんな中、丁徳忠を噛んだという野良犬を捕まえることになり、小路はその犬に「旺財(ワンツァイ)」と名付け、心の拠り所を見つけます。
一方、小路を心配する牛小英(ニウ・シャオイン)に対し、彼はついに誤解を解くため、以前食事を待っていたのは自分ではないと告白。真相を知った小英は長脚を問い詰め、二人の関係は最悪の結末を迎えてしまいます。
友の決断と、再びの共闘
母親の手術には5000元の保証金が必要だと分かり、一家は再び窮地に。小路は必死に金をかき集めますが、親友の李光南(リー・グアンナン)にだけは頼ることができませんでした。しかし、その様子を見かねた李光南が「5000元、俺が用意する」と申し出ます。
その金の出所は、なんと丁徳忠が紹介した高利貸しでした。丁徳忠は工場の医療保険金を横領し、その悪事に李光南を引き込もうとしていたのです。
多くの人の助けで母親の手術は無事に成功。病室で喜びに沸く中、秦娟(チン・ジュエン)の涙で全てを知った小路は、李光南を連れて高利貸しのもとへ殴り込みます。かつてのように、背中を合わせて共に戦う二人。その拳は、友情の証そのものでした。
しかし、その頃、遠い街で一人戦っていた白藍(バイ・ラン)は、ついにアパートを引き払い、小路との思い出の写真を破り捨てていたのでした。
『青い恋 1996~少年バビロン~』第16話の感想
今回は、これまで以上に登場人物たちが直面する現実の厳しさが胸に迫る回でした。路小路(ルー・シャオルー)の個人的な失恋の痛みから一転、家族を襲う病という、より根源的で避けがたい困難が描かれます。工場の経営悪化という社会的な背景が、個人の人生にどれほど重くのしかかるのかを痛感させられました。
特に印象的だったのは、親友のために自らを犠牲にする覚悟を決めた李光南の姿です。彼の行動は、単なる友情物語では片付けられない、この時代の若者の切実な叫びのように感じられました。一方で、一人都会で夢と現実の狭間で苦しむ白藍(バイ・ラン)の決別は、あまりにも切ない対比として描かれています。若者たちの絆の強さと、どうしようもない運命の残酷さが同時に描かれ、物語に深い奥行きを与えていました。
つづく