上海でキャリアを積む白藍(バイ・ラン)は、昇進を阻まれたことを機に、故郷・福城の食品工場を買収するプロジェクトを立ち上げます。一方、福城では路小路(ルー・シャオルー)が兄・大江の出所を迎え、アイス事業も順調でした。そんな中、買収担当者として工場にやってきた白藍は、小路と運命的な再会を果たします。しかし、彼女はビジネスとして、小路に事業の拠点である冷凍庫の立ち退きを要求。かつての面影とは違う彼女の姿に、小路は戸惑いを隠せません。変わってしまった彼女と、変わらない想いを抱く彼。二人の間に、ビジネスという大きな壁が立ちはだかります。
「青い恋 1996~少年バビロン~」あらすじネタバレ19話
いやあ、今回のエピソードは胸が締め付けられる展開でしたね。上海でバリバリのキャリアウーマンになった白藍(バイ・ラン)と、故郷・福城で自分の道を歩む路小路(ルー・シャオルー)。二人の運命が再び交差するわけですが、その再会は甘いものじゃありませんでした。
上海での葛藤、そして福城へ
物語は上海から始まります。白藍(バイ・ラン)は、長年の頑張りにもかかわらず、またしても総経理(ジェネラルマネージャー)への昇進を上司であり師と仰ぐ黄老板(ホアン社長)に阻まれてしまいます。「君をそばに置いておきたい」なんて、聞こえはいいですが、要は手放したくないだけ。白藍(バイ・ラン)の悔しさがひしひしと伝わってきました。
そんな中、彼女は起死回生の一手を打ちます。イタリアの食品ブランドの委託工場を誘致するプロジェクトで、なんと故郷・福城の食品工場を候補地として提案するんです。経営難にあえぐ工場を安く買収できるというビジネス的な打算と、故郷への想い。そして何より、このプロジェクトを成功させれば独立できるという師匠との約束が、彼女を突き動かします。
兄弟の絆と癒えない恋の傷
一方、福城では路小路(ルー・シャオルー)が兄の路大江(ルー・ダージアン)の出所を迎えに行きます。久しぶりに会う兄弟、積もる話もあるでしょう。小路は兄をねぎらおうと桃姐(ももあね)の店に連れて行きますが、大江は店の前で姿を消してしまいます。やっぱり、桃姐(ももあね)に合わせる顔がないんですね…。
船着き場で二人きりで酒を酌み交わすシーンは、このドラマの見どころの一つ。小路も白藍への想いを、大江も桃姐への想いを胸に秘め、互いにどうすることもできない恋愛の苦悩を分かち合います。この兄弟のやりとり、本当にグッときます。
残酷な再会
そして、運命の再会。食品工場でアイス事業を成功させていた小路と李光南(リー・グアンナン)の前に、BMWに乗った白藍が現れます。しかし、彼女は昔の彼女ではありませんでした。工場の買収担当者として、小路たちが事業の拠点にしている冷凍庫の立ち退きを、ビジネスライクに、お金の話を交えながら要求します。
小路が心を込めて淹れた特製のミルクティーにも口をつけず、ただ「仕事」の話をする白藍。その姿に小路は戸惑い、傷つきます。「こんな白藍は見たくなかった」…彼の心の声が聞こえてくるようでした。
物語のクライマックスでは、冷凍庫の立ち退きを巡って工場の労働者たちと小ざい合いが発生。混乱の中、小路は怪我を負ってしまいます。そして、彼が顔を上げたその先にいたのは、冷たい表情でその様子を見つめる白藍でした。二人の間の溝は、あまりにも深く、そして冷たいものになってしまったのでしょうか。
『青い恋 1996~少年バビロン~』第19話の感想
今回のエピソードは、登場人物それぞれの「もどかしさ」が色濃く描かれていました。上海で夢を追いながらも、見えない壁に阻まれる白藍。彼女が選んだ道は、故郷と、そしてかつて想いを寄せた小路との間に新たな壁を作ってしまいます。一方の小路は、兄・大江との変わらない絆を確かめながらも、白藍の変貌に心を痛めます。二人の再会シーンは、甘酸っぱい記憶がほろ苦い現実に上書きされていくようで、見ていて切なくなりました。また、兄・大江と桃姐のすれ違いも物語に深みを与えています。過去の過ちから前に進めない男と、彼を待ち続ける女。それぞれの恋愛が、どうにもならない現実の重さに直面しており、登場人物たちの感情の機微が丁寧に表現されていると感じました。
つづく