協力工場のあてを失い、窮地に立たされた路小路(ルー・シャオルー)と白藍(バイ・ラン)。二人は一縷の望みをかけ、かつての同僚・阿芳(アファン)を頼って広州へと向かう。希望を乗せた旅路だったが、その裏では工場の黄(ホアン)社長が放った黒い影が静かに迫っていた。一方、シャオルーの父・路大江(ルー・ダージアン)と、彼を想い続ける桃姐(ももあね)の長年の関係にも、ある事件をきっかけに大きな転機が訪れる。若者たちの奮闘と大人たちの愛が交錯し、物語は新たな真実へと動き出す。

「青い恋 1996~少年バビロン~」あらすじネタバレ23話

いやはや、今回の『青い恋 1996~少年バビロン~』第23話は、物語が大きく動きましたね!シャオルーとバイ・ランの奮闘はもちろんのこと、まさかあっちの二人が…!と、見どころ満載の回でした。早速、胸が熱くなった今回のエピソードを振り返っていきましょう!

希望と絶望の広州行き

協力工場探しに奔走し、オフィスで夜を明かすほど追いつめられていた路小路(ルー・シャオルー)と白藍(バイ・ラン)。シャオルーは、焦るバイ・ランをなだめ、懐かしい食堂へ朝食に連れて行きます。そう、そこは昔シャオルーがバイ・ランの彼氏のフリをした、思い出の場所。店主まで二人を覚えていて、特製の海鮮醤を振る舞ってくれる粋な計らいに、二人の心も少しほぐれます。

この食事の席で、かつて工場で働き、今は広州で成功しているという阿芳(アファン)の話が浮上。一縷の望みをかけ、二人は広州へ向かうことを決意します。親友の長脚(チャンジャオ)と秦娟(チン・ジュエン)に見送られ、車で広州を目指す二人。交代でハンドルを握り、励まし合う姿は、まるで希望へと向かうロードムービーのようでした。しかし、その時すでに、黄(ホアン)社長の放った追っ手がすぐ後ろまで迫っていることなど、知る由もありませんでした…。

長年の想いが、ついに…

一方、シャオルーの父、路大江(ルー・ダージアン)にも大きな転機が訪れます。桃姐(ももあね)が営むホテルの駐車場で、チンピラのフー親分が彼女に絡むという事件が発生。そこに颯爽と現れたダージアンが、桃姐を守るために胡老大(フー親分)と大立ち回りを演じます。

乱闘の後、なぜ自分を避けるのかと涙ながらに問い詰める桃姐に対し、ダージアンは「過去は自分のせいだ」と突き放そうとします。しかし、その場を去ろうとして階段から落ちそうになった桃姐を抱きとめた瞬間、長年抑えつけてきた感情が溢れ出します。ダージアンは涙に濡れる桃姐にキスをし、ついに二人は互いの想いを受け入れたのでした。このシーンは、本当にグッときましたね…。

新たな手がかりと黒い陰謀

広州に着いたシャオルーとバイ・ランでしたが、肝心のアファンは名前を変えており、なかなか見つかりません。ようやく会えたものの、過去を忘れたいアファンに協力は断られてしまいます。失意の中、シャオルーは手作りのミルクティーの粉を「心ばかりの贈り物だ」と渡し、二人は帰路につきます。

しかし、工場に戻ったバイ・ランを待っていたのは、黄(ホアン)社長の執拗な揺さぶりでした。広州での食事まで把握していたことから、尾行されていたと気づくバイ・ラン。黄(ホアン)社長は手を引くよう脅しますが、彼女は「まだ一日ある」と屈しません。

その夜、バイ・ランをホテルに送ったシャオルーに悲劇が襲いかかります。彼女が電話で席を外した一瞬の隙に、黄(ホアン)社長の差し金である胡老大(フー親分)たちに拉致され、暴行を受けてしまうのです。

翌朝、黄(ホアン)社長との決別を決意したバイ・ランは、イタリアの協力者から彼の悪事を知らされ、全ての点と点が繋がります。シャオルーからの連絡を待つ彼女にかかってきた電話の相手は、父のダージアンでした。

バイ・ランが駆けつけると、そこには手当てを受ける痛々しい姿のシャオルーが。しかし、彼はただやられただけではありませんでした。暴行された際に、犯人のものと思われる靴を奪っていたのです。その靴跡は、以前冷凍庫で見つかったものと完全に一致。胡老大と黄(ホアン)社長の繋がりが確定的となった瞬間でした。全てを聞いたダージアンは、静かに立ち上がり「少し散歩してくる」とだけ言い残し、部屋を出ていくのでした。彼の背中が、静かな怒りに燃えているように見えたのは、私だけではないはずです。

『青い恋 1996~少年バビロン~』第23話の感想

今回は、若者たちの瑞々しい恋愛模様と、大人たちの長年の想いが交錯する、非常に見応えのあるエピソードでした。シャオルーとバイ・ランが困難に立ち向かう中で、単なる恋人という関係を超え、互いを深く信頼し合う「戦友」のような絆を育んでいく様子が丁寧に描かれており、胸が熱くなります。特に、思い出の食堂でのやり取りは、二人の関係性の変化を象徴する名シーンだと感じました。

一方で、ダージアンと桃姐の物語もついにクライマックスを迎えました。彼らが背負ってきた過去の重みと、それが解放された瞬間のキスシーンは、息をのむほど美しく、そして切なかったです。多くを語らずとも、視線や佇まいで感情を表現する二人の演技には、ただただ引き込まれました。

物語のサスペンス要素も一気に加速し、黄(ホアン)社長の非道なやり方に対する怒りと共に、それに立ち向かう主人公たちの覚悟がひしひしと伝わってきます。甘酸っぱい青春の輝きと、社会の理不尽さという厳しい現実が、絶妙なバランスで描かれた秀逸な回だったと思います。

つづく