長らく町を騒がせていた暴露狂がついに捕まり、一件落着かと思いきや、その正体をめぐって新たな火種が生まれる。路小路(ルー・シャオルー)は白藍(バイ・ラン)への想いを伝えるが、彼女はキャリアアップの大きなチャンスを掴み、二人の心はすれ違ってしまう。そんな中、路小路たちは一攫千金を夢見てミルクティーの移動販売を始めるが、予期せぬ大失敗を犯してしまう。その事件をきっかけに、大人たちの思惑が絡み合い、彼らは窮地に立たされることに。若者たちの淡い恋と夢が、厳しい現実に翻弄される、切なくも目が離せない展開が待ち受ける。

「青い恋 1996~少年バビロン~」あらすじネタバレ9話

いやあ、今回の第9話は、前半の爽快感からの急降下がえげつなかったですね…。甘いミルクティーを飲んだはずが、とんでもなく苦い後味を残していく、そんな回でした。

暴露狂、ついに捕まる!その意外な正体とは?

合コンが終わり、夜食でも食いに行こうぜ!と意気揚々だった路大江(ルー・ダージアン)たち。その帰り道、雨合羽を着た怪しい男が二人の女性を尾行しているのを発見します。ピンときた3人は、これがあの連続ちかん魔、通称「暴露狂」に違いないと確信!

兄弟たちの見事な連携プレーで、あっという間に男を取り押さえます。そして、その覆面の下から現れた顔を見て、一同は言葉を失いました。なんと、犯人はあの丁徳忠(ディン・ダーヂョン)の息子だったのです!

翌日、工場には暴露狂逮捕の公告が張り出され、一件落着ムード。白藍(バイ・ラン)も秦娟(チン・ジュエン)から「もう安心だね」と声をかけられ、ホッと一息。ずっと疑っていた路小路(ルー・シャオルー)への誤解も解け、気まずいながらも安堵の表情を浮かべます。

しかし、話はそう簡単には終わりません。丁徳忠は少し前まで「息子は軍隊に入った」と自慢していたはず。それがなぜ?しかも精神病の証明書を持っているという話まで出てきて、皆の頭には疑問符が浮かびます。正義感の塊である路大江(ルー・ダージアン)は、この裏にある不正を見過ごせず、「この件は俺が最後まで付き合う!」と、丁徳忠との全面対決を決意するのでした。

それぞれの道へ…白藍(バイ・ラン)の決意と路小路(ルー・シャオルー)の告白

一方、白藍(バイ・ラン)は外交団の通訳という大役を終え、二軽局の畢(ビー)局長から思いがけない提案を受けます。それは、大学院への推薦入学の枠を彼女に与えるというものでした。自分のキャリアを真剣に考え始めていた白藍にとって、これは願ってもないチャンス。彼女は、この福城という街では収まりきらない自分の夢を追いかけることを決意します。

その頃、路小路(ルー・シャオルー)は白藍を劇場に連れ出し、ついに自分の想いを打ち明けます。舞台の上で、二人でロシアの詩人ゴーリキーの『海燕の歌』を暗唱し、雰囲気は最高潮に。しかし、路小路の真っ直ぐな告白に対し、白藍は何も答えず、背を向けて去ってしまいます。上海行きを決めた彼女の心は、複雑に揺れ動いていたのです。

ミルクティーは恋の味?若者たちの挑戦と挫折

そんな切ない展開の中、一服の清涼剤となったのが李光南(リー・グアンナン)と秦娟(チン・ジュエン)の急接近。李光南(リー・グアンナン)はスケート場で流行り始めたミルクティーを秦娟(チン・ジュエン)にプレゼントし、二人の関係は少しずつ雪解けムードに。

このミルクティーがきっかけで、路小路たちはとんでもないビジネスを思いつきます。「俺たちがもっと美味いミルクティーを作って、スケート場の前で売れば大儲けできるんじゃね!?」路小路が開発、李光南(リー・グアンナン)が販売、そして長身イケメンの「長脚(チャンジャオ)」が客引き担当という、完璧な布陣(?)でミルクティー屋台を開業!

しかし、現実は非情でした。コストを抑えようと賞味期限切れ間近の牛乳を使ったのが運の尽き。お客さんたちが次々と食中毒で倒れてしまう大惨事に…。そこに駆けつけたのが白藍。彼女の迅速な処置で事なきを得ますが、路小路たちの夢は、たった一日で泡と消えてしまいました。

騒ぎの後、白藍は路小路に何か言いたげな様子。しかし、路小路は手紙のことなど知る由もなく、「本当に俺のこと、好きじゃないのか?」と問い詰めます。白藍は「好きじゃない」と答えますが、路小路が彼女の胸に当てた聴診器は、ドクドクと速い鼓動を伝えていました。嘘がつけない心臓の音。切なすぎる…。

そして、この食中毒事件が、路大江(ルー・ダージアン)を目の敵にする丁徳忠と畢志剛(ビー・ジーガン)に利用されることになります。彼らの策略により、スケート場は閉鎖に追い込まれ、若者たちのささやかな居場所は奪われてしまうのでした。

白藍は上海行きを直接伝えようとしますが、医務室での当直を命じられ足止めを食らいます。その不自然な状況に、路小路は何かきな臭いものを感じ取り…。二人の未来に、暗い影が差し込んだところで、第9話は幕を閉じます。

『青い恋 1996~少年バビロン~』第9話の感想

今回は、若さゆえの無鉄砲な挑戦と、それを容赦なく叩き潰す社会の現実という、ほろ苦い対比が胸に刺さる回でした。暴露狂逮捕という痛快な出来事から始まっただけに、後半の失速感がより一層際立ちます。特に、路小路と白藍のすれ違いは見ていて本当にもどかしい。聴診器のシーンは、お互いの気持ちがすぐそこにあるのに、分厚い壁に阻まれているようで、ロマンチックでありながら非常に切なかったです。ミルクティー事業のように、彼らの純粋な情熱や夢が、大人の汚い策略や些細なミスでいとも簡単に崩れ去ってしまう様子は、青春の残酷さを象徴しているようでした。登場人物それぞれが抱える夢やプライド、そして秘密が複雑に絡み合い、物語に深い奥行きを与えています。

つづく