宮中の宝物盗難事件を追っていた李琪(り・き)の恩師・沈大人(しんたいじん)が、犯人グループの凶刃に倒れるという悲劇が起きる。 悲しみに暮れる李琪は溥儀(ふぎ)に仇討ちを誓うが、事件の捜査から外されてしまう。 一方、宮中で修行に励む新米宮女の栄児(えいじ)は、あるトラブルから、皇帝溥儀に出すための大切な料理を台無しにしてしまう。 友人をかばった栄児は、絶体絶命の状況に追い込まれるが、持ち前の機転と度胸でその危機を乗り越えようと奮闘する。 紫禁城の外で渦巻く陰謀と、中で起こる人間ドラマが交錯し始める。
「溥儀の料理番」あらすじネタバレ2話
いやあ、第2話は息つく暇もない急展開でしたね!宮中の宝物盗難事件を追っていた沈大人(しんたいじん)の身に、まさかの悲劇が訪れるなんて…。今回は、シリアスなサスペンスパートと、栄児(えいじ)たちの宮中での奮闘パートが対照的で、グッと物語に引き込まれました。
衝撃の事件と李琪(り・き)の悲しみ
前回から続く宮中の宝物盗難事件。沈大人(しんたいじん)は、骨董街・琉璃厂(るりしょう)に怪しい動きがあることを突き止めます。信頼する部下であり、息子同然に可愛がっている李琪(り・き)に「お前は清廉すぎるから」と生活の足しにと銀子を渡す場面は、後の展開を思うと胸が締め付けられますね…。
その夜、沈大人は協力者である趙掌柜(ちょうしょうき)から、盗品を扱う闇市の情報を得ます。そこには外国人バイヤーも出入りしており、まさに国宝流出の現場だったのです。しかし、情報を掴んだ直後、趙掌柜は黒衣の暗殺者に斬られ、沈大人の屋敷も襲撃されてしまいます。沈大人は、駆けつけた李琪(り・き)に「華宝斎(かほうさい)のことを伝えろ」と劉管家(りゅうかんか)に託し、自らは屋敷で壮絶な最期を遂げました。
知らせを受けて駆けつけた李琪が目にしたのは、恩師である沈大人の亡骸と、惨殺された屋敷の人々。犯人の一人である武天(ぶてん)を追いますが、手強い相手に取り逃がしてしまいます。
溥儀(ふぎ)から「必ず真相を突き止め、沈大人の仇を討て」と命じられる李琪ですが、事件は警察局の管轄となり、捜査から外されてしまうというもどかしさ。悲しみに打ちひしがれる李琪の姿は、見ていて本当に辛かったです。
そんな中、カメラを持って現場検証に現れた陸秋桐(りく しゅうどう)という男。彼は事件に不審な点を見出し、独自に沈大人の背景を探り始めます。今後のキーパーソンになりそうな予感ですね。
一方、李琪は行方が分からなかった劉管家を沈大人の別宅で発見!しかし、劉管家は暗殺者の武天(ぶてん)に捕らえられていました。再び武天(ぶてん)と刃を交える李琪。その隙に逃げ出した劉管家は、なんと陸秋桐の車にはねられてしまい、彼に保護されるという、なんとも目まぐるしい展開でした。
宮中のトラブルと栄児の機転
シリアスな事件の裏で、宮中では新米宮女たちの厳しい修行が続いていました。栄児は、おてんばな寝相を双喜(そうき)姑姑に叱られるなど、まだまだ宮中での生活に慣れない様子。
そんな中、宦官に変装した溥儀が、宮女たちにこっそり近づき、外の世界の話を聞こうとします。溥儀が仕掛けたイタズラが原因で、同室の青児(せいじ)が、双喜姑姑(そうきここ)が溥儀のために作った得意料理「眉毛酥(びもうそ)」を台無しにしてしまう大失敗!激怒した双喜姑姑(そうきここ)は青児に平手打ちを食らわせます。
友人である青児をかばい、「私が作り直します!」と宣言した栄児。しかし、眉毛酥は双喜姑姑の秘伝の料理。助けを求めた寿喜(じゅき)姑姑にも「私には同じ味は作れない」と断られてしまいます。
絶体絶命のピンチ!しかし、ここからが栄児のすごいところ。彼女は、寿喜姑姑(じゅきここ)が荣惠(えいけい)太妃に「芸豆卷(うずらまめロール)」を届けに行くタイミングを狙い、わざと大声で泣き叫んで太妃の気を引くという作戦に出ます。見事、太妃に謁見する機会を得た栄児は、事情を説明。太妃から眉毛酥を作るよう命じられた寿喜姑姑(じゅきここ)が「時間がない」と難色を示すと、栄児は「芸豆卷の餡を使えば間に合います!」と見事なアイデアを提案。太妃もその機転を認め、寿喜姑姑に作るよう命じるのでした。
恩師を失った李琪の悲しみと復讐の誓い。そして、持ち前の賢さと優しさで宮中の危機を乗り越えようとする栄児。二人の物語が、これからどう交わっていくのか、目が離せません。
『溥儀の料理番』第2話の感想
今回は、物語の二つの軸がくっきりと描かれた回でした。一つは、李琪を中心とした緊迫感あふれるサスペンス。信頼する上司であり、父親のような存在だった沈大人を目の前で失い、悲しみに暮れながらも復讐を誓う李琪の姿には、心を揺さぶられました。暗殺者の武天や、謎の多い陸秋桐といった新キャラクターも登場し、国宝盗難事件の闇の深さを感じさせます。
もう一つは、栄児を中心とした宮廷ドラマ。厳しい宮中のしきたりの中で、持ち前の明るさと機転で困難に立ち向かう栄児の姿は、見ていて応援したくなります。特に、絶体絶命のピンチを知恵で切り抜ける場面は爽快でした。シリアスな展開が続く中で、彼女の存在が良いアクセントになっています。この重厚なサスペンスと、生き生きとした人間ドラマのバランスが絶妙で、物語の奥行きを一層深めているように感じました。
つづく