蛇の毒に倒れた許澤羽(きょ・たくう)は、原因不明の奇妙な症状に苦しんでいた。白柚可(はく・ゆうか)は、任務を完了させるための「真実のキス」に、衝撃的な事実が隠されていることを知ってしまう。それは、彼女と許澤羽のどちらかしか生き残れないという、あまりにも残酷な運命だった。愛する人を守るため、柚可は大きな決断を下し、回復した許澤羽に対して、これまでにない冷たい態度を取り始める。一方、宮廷では煜王・許澤霖(きょ たくりん)と柚可の父である丞相の間で、新たな策略が動き出していた。
「君夢~殿下と私の幸せな結末~」あらすじネタバレ14話
いや~、今回の『君夢』第14話は、ただの甘いラブコメじゃなかったですね!物語の根幹を揺るがす、とんでもなくシリアスで衝撃的な事実が明らかになりました。白柚可(はく・ゆうか)と許澤羽(きょ・たくう)の恋が深まるほど、悲しい結末に近づいてしまうなんて…。見ているこっちの胸まで苦しくなるような回でした。
愛の深さが毒となる…残酷な真実
前回、蛇の毒を受けた許澤羽。解毒したはずなのに、なぜか体調は悪化する一方。駆けつけた医師も「脈が奇妙だ」と首をひねるばかりで、有効な手立てが見つかりません。
そんな中、白柚可はハッと気づきます。「まさか…彼が本気で私を愛してくれたから、残ったわずかな毒でこんなことに?」。そう、彼女の推測は的中していました。許澤羽の愛が深まるほど、彼の命は蝕まれていくのです。
寒さに震え苦しむ許澤羽を、思わず抱きしめる柚可。彼の苦しむ姿を見て、彼女は任務を完了させるため、つまり「真実のキス」をして現代に帰ることを一瞬考えます。
しかし、その瞬間、無情なシステム音声が警告を発します。「真実のキスが発動すれば、許澤羽の生命値はゼロになり、血管が破裂して死ぬ」と。
なんですって!?衝撃の事実に言葉を失う柚可。さらに追い打ちをかけるように、システムは「ヒロインが20歳の誕生日までに任務を完了できなければ、二つの世界から完全に消滅する」と告げます。
つまり、許澤羽が死ぬか、自分が消滅するか。二人のうち、どちらか一人しか生き残れないという、あまりにも残酷な運命を突きつけられたのです。
「もしそうなら、死ぬのは私の方でいい」。涙をこらえ、柚可は悲痛な決意を固めます。愛する人を救う唯一の方法は、彼から離れ、彼に嫌われること。そう考えた彼女は、許澤羽の命を守るために、心を鬼にするのでした。
それぞれの思惑が交錯する宮廷
一方、宮廷では別の策略が進行中。煜王・許澤霖(きょ たくりん)が、柚可の父である丞相と酒を酌み交わしていました。娘を心配する丞相の嘆きに同調し、許澤霖は「必ず柚可殿を奪い返します」と力強く宣言。丞相を「お義父さん」と呼び、二人は固い絆(?)で結ばれたかに見えました。
しかし、これはすべて丞相の策略。許澤霖がすっかり罠にはまったことを見届け、ほくそ笑むのでした。この腹黒親父、なかなかやりますね…!
すれ違う二人の心
意識を取り戻した許澤羽は、真っ先に柚可の元へ。彼女の体を心配し、自ら解毒の薬湯を届けに来てくれます。
しかし、彼を待っていたのは、氷のように冷たい柚可の態度でした。
「飲みたくない」「私のことは放っておいて」。
必死に優しい言葉をかける許澤羽を、柚可は冷たく突き放します。愛するがゆえの拒絶。その辛い胸の内を知る由もない許澤羽は、ただ戸惑うばかり…。二人の心が痛々しくすれ違うシーンで、第14話は幕を閉じました。
『君夢~殿下と私の幸せな結末~』第14話の感想
今回のエピソードは、物語の前提が大きく覆された、非常に重要な回でした。ただの異世界転生ラブコメだと思っていたら、こんなにも重く、悲しい運命が課せられていたとは驚きです。任務完了のキスが、愛する人の死に直結するという設定はあまりにも残酷で、白柚可の絶望を思うと胸が締め付けられます。彼女が許澤羽を生かすために選んだ「嫌われる」という道は、彼を愛しているからこそ、何よりも辛い選択だったはずです。優しく気遣ってくれる許澤羽の言葉が、逆に鋭い刃となって彼女の心を突き刺す構図は、見ていて本当に切なかったです。二人の幸せを願いながらも、その幸せが破滅につながるというジレンマ。この複雑な状況から、二人がどのような未来を見つけ出すのか、固唾をのんで見守りたいと思います。
つづく