互いを想いながらも、離れ離れになってしまった睿王・許澤霖(きょ たくりん)と白柚可(はく・ゆうか)。許澤霖は白柚可を忘れられず心労でやつれ、一方の白柚可は煜王・許澤羽(きょ・たくう)の庇護のもと、複雑な想いを抱えて過ごしていました。彼女が許澤霖の元を去ったのには、彼を守るための悲しい理由があったのです。
そんなある日、街で偶然にも三人は顔を合わせてしまいます。緊迫した空気の中、白柚可は許澤霖に対して、ある重大な決意を告げることに。彼女の口から語られる衝撃の言葉は、二人の関係を根底から揺るがすものとなるのでした。
「君夢~殿下と私の幸せな結末~」あらすじネタバレ16話
お互いを想い合っているのに、すれ違ってしまう二人…。『君夢』第16話は、そんな許澤霖(きょ たくりん)と白柚可(はく・ゆうか)の切なさが爆発する回でしたね。
睿王府では、白柚可を失った許澤霖が憔悴しきっていました。心配した阿肆(あし)が薬を差し出しても、心ここにあらず。やつれていく主君の姿に、阿肆は「どうして彼女を連れ戻さないのですか?」と問いかけます。でも、許澤霖は「彼女が自分で選んだ道だ」と、無理強いはしない姿勢を崩しません。本当は今すぐにでも駆けつけたいはずなのに…!その気持ちをぐっとこらえる姿に、彼の深い愛を感じますよね。
一方、白柚可もまた、許澤霖を案じていました。煜王・許澤羽(きょ・たくう)のそばにいながらも、心は許澤霖のもとへ。「私がいない方が、彼は安全なはず…」そう自分に言い聞かせる彼女の瞳は、悲しみに揺れていました。そう、彼女は許澤霖を守るために、わざと彼を突き放したのです。そんな彼女の苦悩も知らず、許澤羽は優しく彼女に接し、高価な腕輪や首飾りを買い与えようとします。
そんな中、運命のいたずらか、三人は街でばったり再会してしまいます。
許澤霖は白柚可と二人きりで話したいと願いますが、許澤羽は「彼女は名目上、まだ睿王の妃だ。騒ぎを大きくする気か」と冷たく拒否。一触即発の雰囲気の中、意外にも白柚可自身が「話しましょう。これでけじめをつけられる」と、許澤霖と対峙することを選びます。
そして、白柚可は心を鬼にして、許澤霖に冷酷な言葉を浴びせかけるのです。
「私が本当に好きなのは煜王よ」
「彼はあなたより優しくて、私を愛してくれるもの」
「あなたの心には国しかない。でも、煜王の心には私しかいないの」
衝撃の言葉に、許澤霖は「本心か?」と問いすがりますが、彼女は「ええ」と冷たく肯定。さらに、彼から処方された薬を差し出し、「よく効くからあなたも試してみて」と、追い打ちをかけるような仕草まで…。
それでも許澤霖は「お前の言葉は一つも信じない」と、彼女への想いを叫びます。「お前は俺を救ってくれた良薬なんだ」と。しかし、白柚可は最後まで冷たい仮面を崩さず、「あなたを本気で好きになったことなんて一度もない」と言い放ち、彼の元を去っていくのでした。
『君夢~殿下と私の幸せな結末~』第16話の感想
今回は、お互いを守るために嘘をつき、自ら深く傷ついていく二人の姿が本当に痛々しく、胸が締め付けられるエピソードでした。白柚可が許澤霖に浴びせた言葉は、すべてが刃のよう。しかし、その言葉を口にするときの彼女の悲痛な表情を見れば、それが本心でないことは明らかです。愛する人を守りたい一心で、これほどまでに自分を偽り、相手を傷つけなければならないとは、あまりにも過酷な運命だと感じずにはいられません。
一方で、どんなに冷たく突き放されても「お前の言葉は信じない」と断言する許澤霖の愛の深さにも心を打たれました。彼は白柚可の嘘を見抜き、その裏にある本当の想いを信じようとしています。この絶対的な信頼関係こそが、二人の絆の強さの証なのでしょう。
そして、二人の間に立つ許澤羽の存在が、物語にさらなる深みを与えています。彼の優しさは本物かもしれませんが、結果的に白柚可が許澤霖を遠ざけるための盾となってしまっているのが皮肉です。この三角関係が、今後どのように変化していくのか、目が離せません。
つづく