いやはや、今回の19話は息をするのも忘れるほどの展開でしたね!物語の根幹を揺るがす秘密が次々と明かされ、登場人物たちの運命が大きく、そしてあまりにも切なく動いていきました。特に、一途な愛に生きたあの人の最期には、胸が締め付けられる思いです。

早速、衝撃の連続だった第19話の詳しいあらすじとネタバレを見ていきましょう!

黒幕の正体と、芽生えた新たな絆

物語は、喬双双(きょう・そうそう)が白柚可(はく・ゆうか)に驚愕の事実を告げるところから始まります。なんと、これまで暗躍してきた黒幕「神秘人」の正体は、柚可の父であるはずの白庭業(はく・ていぎょう)だというのです!

しかし、話はそれだけでは終わりません。喬双双はさらに衝撃的な推測を口にします。「彼はお前の本当の父親ではないかもしれない。本物の白庭業はすでに殺され、何者かが成り代わっている」と。喬双双自身も錫戎国(しゃくじゅうこく)の人間でありながら、白庭業に駒として使われ、命を狙われた過去がありました。彼女の調査によると、白庭業は敬耀国の生まれ。しかし、裏で錫戎国のために動いている。この矛盾が、成りすましの可能性を強く示唆していたのです。

戦争が起きれば、国籍に関係なく民が苦しむことになる。そして、自分を裏切った白庭業への復讐。二つの思いを胸に、喬双双は白柚可に協力を申し出ます。目的はただ一つ、国防図を巡る争いを止め、戦争を回避すること。そのためには、牢獄に囚われている睿王・許澤羽(きょ・たくう)を救い出す必要がありました。

決死の救出作戦と、引き裂かれた心

許澤羽を救うため、白柚可は心を鬼にします。自分に好意を寄せる煜王・許澤霖(きょ たくりん)を騙し、彼の信頼を利用して牢獄への接近に成功。喬双双が陽動で衛兵の気を引いている隙に、柚可は傷ついた許澤羽の手を取り、脱出を図ります。

しかし、その計画はあと一歩のところで見破られてしまいました。現れたのは、裏切られたことを知り、怒りと絶望に顔を歪ませた許澤霖。

「お前の今までの態度は、すべて芝居だったのか!」

「本王の真心は、奴の髪一本にも及ばないというのか!」

純粋な想いを踏みにじられた彼の悲痛な叫びが響き渡ります。愛は憎しみへと変わり、許澤霖は許澤羽と白柚可に剣を向けました。

大逆転、そして悲しすぎる結末

絶体絶命の窮地に立たされた二人。しかし、まさにその時、「聖旨」を告げる声が!太后の命により、許澤霖は錫戎国と通じた反逆者として捕らえられてしまいます。

そう、すべては許澤羽の壮大な計画でした。彼が白庭業に渡した国防図は偽物。本物はとっくに宮中に送られていたのです。白庭業と許澤霖が嵌められたと知った時には、すでに丞相府は包囲され、万事休す。

捕らえられた許澤霖は、許澤羽からすべての真相を聞かされます。自分が白庭業にまんまと利用されていただけだったという事実を。そして、白柚可に諭され、ようやく自分の過ちに気づいたその時、彼は毒によって倒れてしまいます。

薄れゆく意識の中、許澤霖は最後の力を振り絞り、兄である許澤羽に語りかけます。

「四哥…柚可を…頼む。彼女を…幸せにしてやってくれ…」

「もし彼女をいじめるようなことがあれば、化けて出てやるからな…」

そして、愛する白柚可に、自分の死が彼女の心に少しでも残るなら本望だと告げ、静かに息を引き取りました。駆けつけた柚可の腕の中で、彼の純粋で不器用な愛は、あまりにも悲しい結末を迎えたのでした。

『君夢~殿下と私の幸せな結末~』第19話の感想

今回の物語は、煜王・許澤霖の純粋さが招いた悲劇に尽きるでしょう。彼はただ、白柚可という一人の女性を心から愛していました。その想いの強さゆえに、黒幕である偽の白庭業が仕掛けた甘い罠にいとも簡単に絡め取られてしまったのです。彼の行動は決して許されるものではありませんが、愛する人のために全てを投げ打つその一途さには、敵役でありながら同情を禁じ得ません。最期の瞬間に、恋敵であった兄に彼女の幸せを託す姿は、彼の愛が本物であったことを何よりも雄弁に物語っていました。彼の死によって、単なるラブコメディではない、人間の業や運命の皮肉といった深みが物語に加わったように感じます。登場人物たちの感情が複雑に絡み合い、物語がより一層重層的になった回でした。

つづく