ついに迎えた許澤羽(きょ・たくう)との婚礼の日。しかし、白柚可(はく・ゆうか)の胸中は複雑でした。愛する侍女・緑蘿(りょくら)の命を救うため、自らの命を犠牲にすることを覚悟していたのです。悲壮な決意で臨んだ婚礼は、案の定、血の宴へと変わってしまいます。しかし、それはすべてが壮大な計画の一部でした。今回は、二転三転する策略と、悲しい別れが描かれた第22話の全貌を、あらすじとネタバレでお届けします!
死を覚悟した婚礼、しかし事態は思わぬ方向へ
自らの命と引き換えに緑蘿が救われると信じる白柚可は、許澤羽との婚礼の儀式に臨みます。たとえ命を落とすことになっても、愛する人と夫婦の誓いを交わせるなら本望だと、彼女は静かに覚悟を決めていました。「一拝天地…二拝高堂…夫妻対拝…」と儀式が進み、いよいよというその瞬間、「行動!」の合図と共に、宿敵・拓跋牧(たくばつ・ぼく)が手下を率いて乱入します。
拓跋牧は、柚可が侍女を見捨てて許澤羽を選んだと罵りますが、その時、当の緑蘿が無事な姿で現れます。「小姐(お嬢様)!」と駆け寄る緑蘿に、柚可は驚きと喜びの表情を浮かべました。そう、緑蘿はすでに喬双双(きょう・そうそう)によって救出されていたのです。
明かされる真の狙い!「将計就計」の罠
計画が狂い、焦る拓跋牧。しかし彼にはまだ奥の手がありました。彼が連れてこさせた人質、それはなんと敬耀の「太后」。太后を殺せば国は乱れ、錫戎(しゃくじゅう)国が攻め入る好機が生まれると、拓跋牧は勝ち誇ります。
ところが、人質の頭巾が取られると、そこにいたのは太后ではなく、なんと喬双双でした。すべては、拓跋牧の策略を完全に見抜いていた許澤羽と柚可が仕掛けた「将計就計(計を逆用する)」の罠だったのです。
二人は、拓跋牧の真の狙いが、国防図を持つ主上(しゅじょう)であり、警備が手薄になる婚礼の儀を狙って主上を誘拐することだと推理していました。そこで、喬双双に緑蘿の救出を頼むと同時に、偽の太后を用意して拓跋牧をおびき寄せ、一網打尽にする作戦を立てていたのでした。
育ての親への刃と、残された呪い
完全に追い詰められた拓跋牧。彼に寄り添ってきた喬双双は、「私に少しでも情けはあったか」と悲痛な問いを投げかけます。拓跋牧は「お前は世界で一番親しい人だ」と言い、許澤羽たちに騙されているのだと、彼らを殺すよう双双に剣を渡します。
しかし、彼の目に憐れみの色が一切ないことを見抜いた双双は、「嘘つき!」と叫び、その刃を拓跋牧に向けます。育ての親への悲しい決別でした。
致命傷を負った拓跋牧は、「お前は俺の蠱毒に侵されている。今夜発作が起きるだろう。黄泉路で待っている」と柚可に呪いの言葉を吐きながら息絶えます。その言葉通り、安堵したのも束の間、柚可はその場に崩れ落ちてしまうのでした。許澤羽の悲痛な叫びが響き渡り、物語は幕を閉じます。
『君夢~殿下と私の幸せな結末~』第22話の感想
今回は息もつかせぬ展開でしたね。拓跋牧の策略をさらに上回る許澤羽と柚可の「将計就計」、見事でした。二人の信頼関係が光る頭脳戦には、思わず唸ってしまいました。一方で、胸が締め付けられたのが喬双双と拓跋牧の結末です。育ての親でありながら、駒としてしか見ていなかった拓跋牧と、それでも情を捨てきれずに苦悩する双双。彼女が最後に下した決断は、あまりにも悲痛でした。やっと宿敵を倒したと思いきや、今度は柚可が蠱毒に倒れるという衝撃のラスト。幸せな結末はまだ遠いのかと、切ない気持ちでいっぱいになりました。
つづく