戦神と称されながらも女性が苦手な睿王・許澤羽(きょ・たくう)と、彼に近づく任務を帯びた漫画家・白柚可(はく・ゆうか)。第5話では、二人の距離が少しずつ縮まっていきます。許澤羽が絵を習っていると知った白柚可は、彼を元気づけようと得意の絵をたくさん描きますが、その姿を本人に見られてしまいます。気まずいながらも心を通わせる二人。しかし、許澤羽は彼女への疑念を捨てきれずにいました。日に日に大きくなる白柚可の存在に心を乱された許澤羽は、ついに彼女の本心を確かめるため、ある計画を実行に移すことを決意します。
「君夢~殿下と私の幸せな結末~」あらすじネタバレ5話
任務と恋心、その間で揺れ動く白柚可(はく・ゆうか)と、彼女を信じたいのに信じきれない許澤羽(きょ・たくう)。第5話では、そんな二人の心がさらに近づき、そして試される展開が待っていました!
すれ違う想いと、芽生える本当の気持ち
「国防図」を手に入れるという任務を背負いながらも、許澤羽のことが気になって仕方がない白柚可。侍女の緑蘿(りょくら)に「昨夜は殿下、ぐっすり眠っていたわよ」なんて強がってみせるものの、心の中は任務完了への焦りと、彼への想いでぐちゃぐちゃです。
一方の許澤羽も、これまで誰も見せなかった優しさで自分に接してくる白柚可に、戸惑いを隠せません。「本王は心から願う…そなたが国防図のために来たのではないことを」と、彼女を信じたい気持ちと、戦神としての猜疑心がせめぎ合います。
そんな中、白柚可は許澤羽が絵を習っていると聞きつけます。「私の得意分野じゃない!」とばかりに、たくさんの絵を描き始める柚可。
「この絵を見て、あの眉間にしわの寄った堅物な顔が、少しでも和らげばいいな」
仕事一筋で、自分の幸せを顧みない彼を、少しでも笑顔にしたい。その一心で筆を走らせる柚可の姿は、もう任務のためだけとは思えません。
「どうして直接言ってくれないの…私が絵を描くのは、あなたに認めてほしいからなのに…」
そんな切ない独り言を、なんと許澤羽本人に聞かれてしまいます!
「本王の認可が欲しいのか?」
突然現れた許澤羽に、白柚可はしどろもどろ!「変だけど、悪くない。絵のことだ」なんてツンデレな褒め言葉をもらいつつも、「さっき本王の悪口を言わなかったか?」と核心を突かれ、慌ててその場を逃げ出すのでした。
悪夢と、覚悟の夜
二人の距離は縮まったかに見えましたが、許澤羽の心は晴れません。白柚可の存在は日に日に大きくなり、悪夢にうなされるほど彼を揺さぶります。
「彼女が私に与える影響は、想像以上に大きい…」
このままではいけない。彼女の本心を確かめなければ――。
ついに許澤羽は覚悟を決め、腹心の阿肆(あし)に告げます。
「試すぞ。今夜だ」
その夜、許澤羽はわざと深酒をし、正体をなくしたフリをして自室へ運ばれます。すべては、白柚可の本心を探るための、悲しい芝居でした。果たして、白柚可はこの罠にどう立ち向かうのでしょうか。
『君夢~殿下と私の幸せな結末~』第5話の感想
今回のエピソードは、お互いを想い始めているのに、素直になれない二人の心の機微が丁寧に描かれていて、とても見ごたえがありました。特に、任務のためと自分に言い聞かせながらも、許澤羽を本気で心配し、彼の笑顔を願う白柚可の健気な姿には胸を打たれます。彼女の描く絵一枚一枚に、言葉にならない想いが込められているようで、切なくなりました。
一方で、許澤羽も白柚可を信じたいと願いながら、立場上、疑わざるを得ない葛藤がひしひしと伝わってきます。彼女の影響で悪夢を見るほど心が乱されている彼の人間らしい弱さが垣間見え、物語に深みを与えています。最後の「泥酔作戦」は、彼の苦渋の決断だと思うと、今後の展開から目が離せません。
つづく