連蔓児(リエン・マンアル)のブドウ蒸留酒ビジネスが成功を収める一方、叔父の連守義(リエン・ショウイー)がその酒を盗んで水増し販売し、大問題を引き起こします。偽酒を飲んだ住人が亡くなり、その責任を問われた連家は多額の賠償金を請求されてしまいます。追い詰められた守義は、実の娘である連葉児(リエン・イエアル)を犠牲にしようとし、彼女は深く傷つきます。蔓児は、この絶望的な状況の中で、従妹の葉児を救い出すため、そして家族を守るためにある大胆な策を講じることを決意するのでした。

「田園ロマンス~恋の収穫祭~」あらすじネタバレ16話

とんでもない叔父の暴走!偽酒事件の発生

まずは、ほのぼのとしたシーンから。豆腐作りにいそしむ連葉児(リエン・イエアル)の元へ、十三(シーサン)が差し入れを持って手伝いにやってきます。彼の優しさに、葉児はすっかり心を奪われ、彼のために刺繍をした巾着をプレゼントしようとします。しかし、十三(シーサン)は彼女の好意に全く気付かず、お金に困っているのかと勘違い。おまけに、彼が連蔓児(リエン・マンアル)にも同じように親切にしているのを見て、葉児は自分の早とちりだったと気づき、しょんぼり。そんな妹を元気づけようと、蔓児は一緒に口紅を作って商売をしないかと誘います。

その頃、蔓児のブドウ蒸留酒ビジネスは黒虎寨の協力もあって絶好調!儲けたお金で借金を返し、新しいお店を買う資金も手に入れ、まさに順風満帆です。

しかし、そんな幸せをぶち壊す人物がいました。そう、あのとんでもない叔父の連守義(リエン・ショウイー)です!彼はなんと、蔓児が作った大事な蒸留酒を盗み出し、あろうことか水で薄めて売りさばいていたのです。案の定、その偽酒を飲んだ人が体調を崩し、大騒ぎに。

人の死、そして連家の崩壊

診察にあたったのは、医師の王幼恆(ワン・ヨウヘン)。彼は患者の症状が持病によるものだと診断しますが、その甲斐なく患者は亡くなってしまいます。初めて自分の患者を死なせてしまった幼恒は、大きなショックを受けます。

翌日、案の定、患者の遺族が役人に訴え出ました。彼らは連家に対し、なんと三百両もの賠償金を要求。もちろん、そんな大金を用意できるはずもなく、追い詰められた守義は「娘の葉児を借金のカタに差し出す」という、耳を疑うような提案をします!

父親に見捨てられた葉児は、必死に抵抗。その場は十三(シーサン)が助け舟を出して事なきを得ますが、葉児の心には、父親への深い絶望と悲しみが刻みつけられてしまいました。

それぞれの思いと、蔓児の決断

一方、蔓児の畑を手伝おうとする沈諾(シェン・ヌオ)。しかし蔓児は、彼の国舅(皇帝の義理の兄弟)という高貴な身分を知ってしまった今、気軽に助けを受け入れることができません。そんな蔓児に、沈諾(シェン・ヌオ)は「君以上に大切なものはないと気づいた」と、まっすぐに想いを伝えます。蔓児も彼の気持ちに気づきながらも、今はまだ素直になれない様子。

そんな中、守義の妻である何氏(ハーシ)が、夫を助けるため、なんと蔓児が稼いだお金を盗み出してしまいます。しかし、何氏が息子の小七(シャオチー)の誕生日のために蔓児が用意したお金だけは手付かずに残していたことを知り、蔓児は彼女を責めることができず、お金を取り返すのを諦めるのでした。

そして蔓児は、この苦しい状況を逆手に取り、ある決断をします。それは、二房(守義の家)の借金のカタとして、葉児を自分の家(三房)で働かせるというものでした。これは、父にも母にも愛されず、家でこき使われる葉児を、その苦しい環境から救い出すための蔓児なりの策だったのです。しかし、母親にまで見捨てられる形となった葉児の悲しみは、計り知れません。

傷心の葉児を慰めたのは、またしても十三でした。「他人のことなんて気にするな。自分のために生きろ」という彼の言葉は、葉児の心に温かく響いたことでしょう。

沈諾(シェン・ヌオ)は、そんな蔓児のやり方を見ながらも、「人の道は、結局は自分で切り開くしかない」と諭します。そして、再び蔓児に想いを伝えようとしますが、またしてもはぐらかされてしまうのでした。

『田園ロマンス~恋の収穫祭~』第16話の感想

今回は、連守義という人物の底知れない愚かさと自己中心的な姿に、ただただ呆れてしまいました。自らの過ちの責任を、こともあろうに実の娘に負わせようとするとは、親として、人間として許されることではありません。その一方で、不憫な従妹の葉児をなんとか救おうと知恵を絞る蔓児の優しさと賢さには、胸を打たれます。彼女の行動は、一見すると冷たく見えるかもしれませんが、その根底には深い愛情があります。また、葉児の淡い恋心が砕け散る様や、初めて医療の壁にぶつかり苦悩する王幼恆(ワン・ヨウヘン)の姿も丁寧に描かれており、物語に深みを与えていました。登場人物たちがそれぞれに抱える痛みや葛藤が交錯し、人間ドラマとして非常に見ごたえのある回だったと感じます。

つづく