叔母の秀儿を救い出すため、蔓児は黒虎寨の力を借りて大胆な計画を実行に移します。一方、沈諾(シェン・ヌオ)もまた、町の権力者・劉富貴(リウ・フーグイ)が関わる大きな悪事を暴くため、水面下で緻密な罠を仕掛けていました。やがて二人の計画が交錯する時、劉富貴は絶体絶命の窮地に立たされます。彼の失脚は、さらに巨大な陰謀の存在を浮かび上がらせることに。その頃、連家にも衝撃の事実が伝えられ、一家は大きな混乱に見舞われます。
「田園ロマンス~恋の収穫祭~」あらすじネタバレ23話
いやはや、今回の『田園ロマンス』第23話は、息もつかせぬ展開の連続でしたね! 蔓児(マンアル)の機転と勇気、そして沈諾(シェン・ヌオ)の知略が光る、まさに物語が大きく動いた神回と言えるでしょう。それでは早速、ハラハラドキドキの展開を詳しく振り返っていきましょう!
蔓児、決死の救出作戦!
物語は、おばあ様の周氏(ジョウシ)が、劉家に嫁いだ(というより売られた)秀儿(シウアル)を心配し、「様子を見に行きたい」と蔓児にせがむ場面から始まります。蔓児は「引っ越したばかりで忙しいから」と上手くおばあ様をなだめますが、その裏ではすでに見事な救出計画を練り上げていました。
蔓児は美味しいお酒と料理を手に、単身(?)劉家へ。そこで待っていた黒虎寨の仲間と連携し、屋敷の番頭や門番たちを気持ちよ~く酔わせてしまいます。まさに鮮やかな手際!
一方で、作戦の要である叔母の秀儿には、「いったん劉富貴(リウ・フーグイ)に従うフリをして」と指示。秀儿が折れたと聞いてすっかり気を良くした劉富貴(リウ・フーグイ)は、彼女を牢同然の柴房から出し、身なりを整えさせて新房へと迎え入れます。この男の浅はかさが、見ていて痛快でしたね。
そしてその夜、下心満々で新房にやってきた劉富貴を待ち受けていたのは、甘い時間ではなく黒虎寨の屈強な男たち! あっという間に打ちのめされ気絶させられてしまいます。秀儿の救出は無事成功! しかし、蔓児の計画はこれだけでは終わりません。彼女たちは気絶した劉富貴の懐から、彼の身分を証明する大切な「玉佩」を盗み出していたのです。これが後々、巨大な悪事を暴くための重要な鍵となりました。
沈諾(シェン・ヌオ)の暗躍と、暴かれる密輸の闇
蔓児が秀儿の救出作戦を進めている頃、我らが沈諾(シェン・ヌオ)もまた、水面下で壮大な計画を進めていました。
黒虎寨の仲間は、劉富貴から盗んだ玉佩を使い、運送業者の曹(ツァオ)社長に接触。「赤鉄鉱」の緊急輸送を依頼します。曹(ツァオ)社長は本人がいないことを訝しみますが、権威の象徴である玉佩の力には逆らえず、輸送を引き受けてしまいます。
すべては沈諾の筋書き通り。彼の部下である十三(シーサン)が武徳司(朝廷の監察機関のような組織)に連絡し、準備は万端。案の定、曹(ツァオ)社長が赤鉄鉱を運んでいる道中、役人たちの目の前で積荷が「偶然」崩れ落ち、禁制品である赤鉄鉱の密輸が白日の下に晒されます。曹(ツァオ)社長は即刻逮捕。こうして、蔓てん児の救出劇と沈諾の計略が、一つの大きな成果へと結びついたのです。
悪徳商人のあっけない最期
翌朝、秀儿が消えたことに気づいた劉富貴は、激怒して彼女の実家である連守仁(リエン・ショウレン)の家に怒鳴り込みます。何も知らない守仁を一方的に殴りつけ、憂さを晴らす姿はまさに小悪党そのもの。
しかし、彼の権勢もここまででした。赤鉄鉱の密輸がバレたことで、彼の黒幕である武仲廉(ウー・ジョンリエン)は激怒。劉富貴を呼びつけますが、そこで玉佩が盗まれていたことが発覚します。武仲廉(ウー・ジョンリエン)が彼を罰しようとしたその時、さらにその上の黒幕である「寧遠侯」の腹心が登場。
「後始末もできないのか」とばかりに、なんとその場で劉富貴を殺害してしまいます。そして武仲廉に「お前は誰に陥れられたかも知らずに死ぬことになるぞ」と、商会内部に武徳司のスパイがいることを示唆して去っていくのでした。この一連のシーンは、物語のスケールが一気に広がり、背筋が凍るような緊張感がありましたね。
追い詰められた武仲廉は、パニック状態で沈諾に泣きつきます。劉富貴が死に、しかし上からは荷を急かされている、と。そして、運んでいた物が私塩ではなく「赤鉄鉱」であることを白状し、鉱山の場所から輸送ルートまで、すべての情報を沈諾に渡して助けを求めたのです。まんまと次の責任者の座を手に入れた沈諾。彼のしてやったり、という表情が目に浮かぶようでした。
連家の混乱と、一筋の光
一方、街の噂で劉富貴の死と、そもそも彼に息子などいなかったという衝撃の事実を知った連家は大混乱に陥ります。娘の結婚が完全な詐欺だったと知り、周氏はショックで卒倒。
連守信(リエン・ショウシン)と連守義(リエン・ショウイー)の兄弟は、妹を金のために売った長兄・守仁を激しく非難します。しかし、劉富貴に殴られた衝撃で守仁は心ここにあらずの状態。その姿を見た守信は、怒りに震えながらも、兄嫁に「これで医者に診せてやれ」と銀子を渡すのでした。どこまでも自己中心的で愚かな兄ですが、それでも見捨てきれない。守信の優しさと家族の情の複雑さが胸に迫る、非常に印象的な場面でした。
『田園ロマンス~恋の収穫祭~』第23話の感想
今回のエピソードは、蔓児の機転を利かせた救出劇と、沈諾の深謀遠慮が見事に交錯し、一つの大きな悪事を暴いていく様が実に見事でした。それぞれの計画がパズルのピースのようにカチッとはまっていく展開は、脚本の巧みさを感じさせます。悪役であった劉富貴が、彼自身も駒の一つに過ぎず、より巨大な組織によってあっけなく切り捨てられるという展開は、物語に一層の深みと緊張感を与えています。彼の死は終わりではなく、本当の戦いの始まりを告げる号砲のようでした。また、そうした大きな陰謀が渦巻く一方で、連家の内部で描かれる家族の葛藤も心に響きます。特に、愚かな兄を前に怒りと情の間で揺れる守信の姿は、この物語が単なる勧善懲悪ではない、人間の複雑な感情を描いた作品であることを改めて示してくれました。
つづく