ナノマテリアル研究者の汪淼(ワン・ミャオ)は、不可解なVRゲーム「三体」の謎に挑む中で、その背後にある巨大な組織の存在に気づき始める。一方、刑事の史強(シー・チアン)は、科学者連続自殺事件の捜査を進めるうち、天才数学者の魏成(ウェイ・チョン)とその妻・申玉菲(シェン・ユーフェイ)の奇妙な関係にたどり着く。ゲームの世界と現実世界、二つの舞台で進む謎は、やがて組織内の深刻な内部対立へと繋がっていく。そして、汪淼(ワン・ミャオ)が尊敬する老科学者・葉文潔(イエ・ウェンジエ)(青年期)にも疑惑の目が向けられることに。果たして、彼らを待ち受ける真実とは一体何なのか。
「三体」あらすじネタバレ16話
いやあ、16話は物語が大きく動きましたね!これまで水面下で進んでいたいくつかの謎が、一気に表面化してきた感じです。特に「科学フロンティア」の背後にある組織の内部事情が垣間見えて、ゾクゾクしました。それでは早速、第16話の世界にダイブしていきましょう!
天才数学者・魏成の狂気と申玉菲(シェン・ユーフェイ)の目的
物語は、史強(シー・チアン)と部下の徐冰冰(シュー・ビンビン)が、申玉菲(シェン・ユーフェイ)の自宅を訪れる場面から始まります。彼女の夫である魏成(ウェイ・チョン)が、一体何を計算しているのかを探るためです。
家の中では、魏成が鬼気迫る表情で計算に没頭していました。そしてついに何かを成し遂げたのか、「祝杯だ!」と叫び、史強(シー・チアン)たちに酒を振る舞います。しかし、彼は目の前にいるのが誰かすら分かっていない様子。どうやら、とてつもなく長い計算の「第一歩」を終えたばかりのようですが、その興奮と疲労からか、突然眠りに落ちてしまいます。
そこへ現れたのが妻の申玉菲(シェン・ユーフェイ)。彼女曰く、魏成を本当に理解できる人間はいない、彼の喜びは数学だけなのだと。
二人の関係は、かなり特殊です。魏成はかつて神童と呼ばれ、大学に無試験で入学したほどの天才。しかし、その後は社会に馴染めず、研究者としてもドロップアウト。そんな彼を経済的に支え、計算に専念させているのが申玉菲なのです。二人の間に愛情はなく、申玉菲にとって魏成は、ある目的を達成するための「天才」という駒なのかもしれません。
汪淼(ワン・ミャオ)のゲーム体験と新たな糸口
一方、我らが主人公・汪淼(ワン・ミャオ)は、再びVRゲーム「三体」にログインしていました。今回の文明は、なんと太陽が3つも現れる「三日連珠」という現象で滅亡。空中に全てのものが浮き上がるという、想像を絶する光景でした。
ゲームを終えた汪淼(ワン・ミャオ)に、運営から電話がかかってきます。近々、プレイヤーのオフラインミーティングが開催されるというのです。これは気になりますね!
そして汪淼は、この複雑怪奇なゲームが、実は数学的なモデルで解けるのではないかという結論に至ります。史強(シー・チアン)から、申玉菲が多くの数学者を雇って何かを計算させていると聞いた汪淼は、彼女もまた「三体」問題の解決を目指しているのだと確信するのです。
降臨派VS救済派!潘寒の凶行
ここから、物語は一気にきな臭くなります。環境保護を訴える過激な活動家、潘寒(パン・ハン)が、魏成の前に姿を現し、「その計算は無意味だ」と中止を迫るのです。
魏成が拒否すると、潘寒はなんと銃を取り出し、計算に使われていたコンピュータを破壊!駆けつけた申玉菲は、潘寒のこの行動によって、逆に「魏成の計算が正しい」と確信します。
ここで、彼らの組織内の深刻な対立が明らかになります。申玉菲は、主を救おうとする「救済派」ですが、潘寒は、主による人類の滅亡を望む「降臨派」だったのです。彼らが崇める「統帥」がどちらの派閥に属するのかは、まだ謎に包まれています。
葉文潔(イエ・ウェンジエ)(青年期)への疑惑、そして海市へ
一連の事件の背後に、科学フロンティアを超える巨大な組織の存在を確信する史強。彼の捜査線上に、なんとあの葉文潔(イエ・ウェンジエ)(青年期)の名前が挙がります。汪淼は、尊敬する彼女が疑われていることに納得がいきません。
しかし、点と点が線で繋がる瞬間が訪れます。申玉菲が海市行きの切符を予約したという情報。そして、以前葉文潔(イエ・ウェンジエ)(青年期)が汪淼に贈った紅参が、ほとんど売上のない申玉菲の会社のものだったという事実。極めつけは、葉文潔(イエ・ウェンジエ)(青年期)自身も海市行きの切符を購入していたことでした。
二人は海市で会うつもりなのでしょうか?そしてその目的とは?物語は最大の謎を提示し、次週へと続きます。
『三体』第16話の感想
今回は、これまで断片的に示されてきた謎が有機的に結びつき、物語の核心にグッと迫った回でした。特に印象的だったのは、「救済派」の申玉菲と「降臨派」の潘寒の対立が表面化したことです。同じ「主」を信じながらも、その解釈の違いが人類の救済と滅亡という正反対の目的を生み出している皮肉。この思想的な対立は、単なる善悪の二元論では語れない深みがあり、非常に考えさせられました。また、天才数学者・魏成の純粋な探究心が、結果として世界の運命を左右する壮大な計画に利用されている構図も興味深いです。彼の狂気じみた集中力と、彼を取り巻く人々の思惑が交錯するシーンは、本作の持つ知的なスリルを象徴しているように感じました。最後に葉文潔(イエ・ウェンジエ)(青年期)への疑惑が深まったことで、物語全体の緊張感が一段と高まりました。
つづく