ライバル・蘇珏(そ・かく)の策略により、玉石の原料不足と職人の流出という最大の危機に直面した綺裴閣(きはいかく)。当主の裴沛(はい・はい)も打つ手を失い、店には暗い影が落ちていました。この絶体絶命の窮地を救うため、侍女の単単単(ぜん・たんたん)が立ち上がります。誰もが思いつかなかった彼女の大胆な一手は、綺裴閣に新たな光をもたらすことができるのでしょうか。彼女の奇策が、店の運命だけでなく、裴沛との関係にも大きな変化を巻き起こしていきます。逆境の中でこそ輝きを増す、彼女の真価が問われる回です。

「輝ける宝珠の如く」あらすじネタバレ15話

前回、蘇珏(そ・かく)の策略により窮地に立たされた裴沛(はい・はい)を救った単単単(ぜん・たんたん)。今回は、かいがいしく裴沛(はい・はい)を看病するシーンから幕を開けます。単単単(ぜん・たんたん)が煎じた薬はとても苦いものでしたが、彼女の優しさに触れた裴沛(はい・はい)の心は、まるで蜜のように甘く満たされていました。裴沛は玉石の原料問題で頭を悩ませていましたが、単単単(ぜん・たんたん)は「牢獄からだって救い出せたんだから、原料問題なんて朝飯前よ!」と自信満々。その頼もしい言葉に、裴沛は彼女への信頼を一層深めるのでした。

しかし、綺裴閣(きはいかく)の苦境は続きます。蘇家の好条件に惹かれ、腕利きの職人たちが次々と去っていくのです。郝掌櫃(はおしょうき)が引き留めようとしますが、生活のかかる職人たちを裴沛は責めることなく、静かに送り出しました。この状況に心を痛めた裴夫人(はいふじん)は、ついには嫁入り道具の首飾りを売り払って資金にしようとします。その悲壮な覚悟を、単単単が寸前で止めました。「その首飾りは、いつか私への結納品としてください」――その言葉は、裴家を救うという彼女の強い決意の表れでした。

そして、単単単は誰もが驚く起死回生の策を打ち出します。「玉石がないなら、金銀で勝負すればいいじゃない!」。なんと、綺裴閣(きはいかく)の看板である玉石商売から、金銀首飾りの商売へと大胆な業種転換を提案したのです!伝統を重んじる郝掌櫃は戸惑いますが、裴沛は単単単を信じ、在庫の七割を売却して金銀商売への転換資金にするよう命じます。かつて夫を亡くし、新たな道を切り開いてきた裴夫人(はいふじん)もまた、単単単の才覚を信じ、綺裴閣の未来を託すのでした。

単単単の快進撃はここから始まります。まず目を付けたのは、街で一番と評判の高級仕立屋。しかし、ここの朱老板(しゅろうはん)は値引き交渉に一切応じない頑固者。そこで単単単は、彼の弱点が溺愛する一人娘であることを見抜きます。店先で遊ぶ娘に近づき、自らが身に着けていたブローチをプレゼント。娘が大喜びし、そのブローチが店の服に驚くほど似合うことに気づいた朱老板(しゅろうはん)に、単単単はすかさず提携話を持ちかけます。「綺裴閣の首飾りとお店の服をセットで販売し、売上の一割を差し上げます」という提案に、朱老板は二つ返事で合意するのでした。

さらに、単単単は花満楼の女性たちをインフルエンサーとして活用する作戦に!美しい金銀の首飾りを彼女たちに無料でプレゼントし、彼女たち経由で客が商品を購入すれば、紹介料を支払うという画期的な販売網を構築します。この策は見事に当たり、綺裴閣の売上は瞬く間に以前を上回るほどに!

一方、綺裴閣の動向を探っていた蘇珏(そ・かく)は、彼らが金銀商売に転換したこと、そして裴沛が玉石で培った微細彫刻の技術を金銀細工に応用し、見事な逸品を生み出していることに衝撃を受けます。裴沛の類まれなる才能を目の当たりにし、蘇珏(そ・かく)は嫉妬と焦りの炎に身を焦がすのでした。

そんな中、単双双(ぜん・そうそう)は綺裴閣のために精巧な首飾りを作りながらも、父の死の真相に繋がる「鳳冠」の特殊な技術について裴沛に探りを入れます。しかし、裴沛はその技術について何も知らず、調査は振り出しに戻ってしまいます。

物語の終わりには、単単単が自身の描いた手稿を手に、印刷業者である譚清河(たんせいか)のもとへ協力依頼に訪れます。すると、単単単と譚清河(たんせいか)の仲睦まじい様子が気に食わない裴沛が、「自分もご馳走になる!」と食事の約束に割り込んでくるのでした。商売の成功と共に、恋の三角関係も新たな局面を迎えそうです。

『輝ける宝珠の如く』第15話の感想

今回は、単単単の商才が遺憾なく発揮された、実に痛快な回でした。玉石の原料不足という絶体絶命のピンチを、「なければ別の物で勝負する」という柔軟な発想で乗り越える姿は、現代のビジネスにも通じるものがあります。特に、仕立屋の店主をその娘ごと懐柔する手腕や、花満楼の女性たちを巻き込んだ販売戦略は、彼女の観察眼と行動力の賜物でしょう。単なる恋愛ドラマに留まらず、一人の女性が才覚一つで道を切り開いていくサクセスストーリーとしての魅力が際立っていました。また、彼女の活躍を信じて支える裴沛の器の大きさと、対照的に嫉妬に駆られる蘇珏の姿が、物語に一層の深みを与えています。単単単の存在が、綺裴閣だけでなく、登場人物たちの心をも大きく動かしていることが伝わってくる、見応えのあるエピソードでした。

つづく