蘇家の罪を証明する決定的な証拠を手に入れた単双双(ぜん・そうそう)と裴沛(はい・はい)。一方、長年心を病んでいた裴沛の父・裴楚風(はいそふう)に、ある奇跡が訪れます。ついに反撃の狼煙が上がる中、敵である蘇家には、自らの嘘が招いた絶体絶命の危機が到来。皇后からの無理難題に、蘇家と雲翠城の運命が大きく揺らぎ始めます。物語が大きく動く、見逃せない転換点となるエピソードです。
「輝ける宝珠の如く」あらすじネタバレ22話
蘇家の罪を暴く決定的な証拠
物語は、単双双(ぜん・そうそう)が蘇家の牢でついに決定的な証拠を見つけ出す場面から始まります。それは、裴楚風(はいそふう)が書かされた偽りの罪状認否書。これを裴沛(はい・はい)に渡したことで、城主府に提出された認否書もまた、蘇家の卑劣な脅迫によるものだったことが確定します。全ての事件が、裴家を陥れるための蘇家の壮大な陰謀であったことが、ここにきて完全に明らかになったのです。
双双は、裴家が持つ鳳冠の残り半分も蘇家にあるはずだと推測。しかし、肝心の製作技法が分からず宝の持ち腐れになっている蘇家の姿を想像し、少しだけ溜飲が下がりますね。
一方、裴楚風が救出されたことを知った蘇家の汪掌櫃(おうしょうき)は慌てふためきますが、蘇珏(そ・かく)は冷静。「ここで下手に騒げば、自分たちが犯人だと白状するようなものだ」と、事を荒立てるのを止めます。しかし、双双を追っていた手下が何者かに殺されたとの報告が入り、蘇珏(そ・かく)の顔には焦りの色が浮かび始めます。
鳳冠事件の全貌と父の帰還
裴家と合流した双双は、郝番頭(かくばんとう)から鳳冠強奪事件の真相を聞かされます。かつて裴家が鳳冠を城主府へ献上する道中、何者かに襲撃された事件。これにより城主は窮地に立たされ、雲翠城(うんすいじょう)全体が危機に瀕しました。その絶好のタイミングで代替品を差し出したのが、何を隠そう蘇家だったのです。蘇玉軒(そぎょくけん)はこの一件で名声を上げましたが、郝番頭は確信していました。「数日で鳳冠を準備できるはずがない。すべては蘇家が仕組んだ罠だ」と。
裴楚風の身を案じた双双は、一家を自分の古い家に匿うことを提案。そこへ、重傷を負った阿六(あろく)の治療のために、名医と名高い曲医師(きょくいし)が呼ばれます。
そして、ここで奇跡が起こります!裴沛(はい・はい)が、妹の単単単(ぜん・たんたん)が持っていたペンダントに、鳳冠製作に不可欠な幻の宝石「水胆琥珀」が隠されているのを発見したのです!
この発見に沸き立つ一行。さらに曲医師は、心を病んでいた裴楚風の治療にもあたります。鍼治療だけでは効果は薄く、「強い外的刺激が必要だ」と判断した曲医師。そこで双双が取り出したのは、あの本物の鳳冠の片割れでした。
鳳冠を目にした瞬間、裴楚風は激しく動揺し、堰を切ったように体内の澱みを吐き出します。そして、倒れ込みながらも、彼は確かに息子の名「裴沛(はい・はい)」を呼び続けたのです。意識を取り戻した父と息子の涙の再会シーンは、本当に胸が熱くなりました。
自らの策に溺れる蘇家
しかし、感動の再会も束の間、蘇家の放った刺客が再び一行を襲います。ですが、武芸の達人である双双の前では敵ではありません。刺客を返り討ちにした双双は、裴家の安全を確実にするため、裴府へ戻ることを決意します。
その頃、蘇家ではとんでもない事態が持ち上がっていました。皇后が病に倒れ、「死ぬ前に本物の鳳冠を身に着けたい」と願っているというのです。城主から「数日のうちに最高の鳳冠を献上せよ。できなければ雲翠城もろとも終わりだ」と厳命された蘇珏(そ・かく)。
彼は渡された鳳冠の図面を前に頭を抱えます。かつて献上した鳳冠は、あくまで粗悪な代替品。最高の職人を集めても、その技法を再現することは不可能だったのです。焦りと苛立ちから職人たちを罵倒する蘇珏。因果応報とは、まさにこのことですね。自分たちが仕掛けた罠によって、今度は自分たちが絶体絶命の窮地に立たされるとは、なんとも皮肉な展開です。
『輝ける宝珠の如く』第22話の感想
今回は、これまで散りばめられてきた伏線が一気に回収され、物語が大きく前進した回でした。特に、裴楚風が正気を取り戻す場面は、本作屈指の名シーンと言えるでしょう。鳳冠という「物」が、過去の陰謀の証拠であると同時に、失われた記憶と父子の絆を取り戻す「鍵」にもなるという脚本の見事さには感嘆しました。悪役である蘇家が、自らの嘘と見栄によって首を絞められていく様は、見ていて痛快ですらあります。彼らがこの窮地をどう切り抜けるのか、あるいは切り抜けられないのか。希望の光が見えてきた裴家と、破滅の足音が聞こえてきた蘇家の対比が鮮やかで、物語の深みを一層増していました。登場人物たちの感情の機微が丁寧に描かれており、非常に見ごたえのある一話でした。
つづく