宝の鍵を握る人物の過去を知るため、穆青(ムー・チン)は40年前に起きた事件の真相に迫る。一方、汾州府に到着した王家洛(ワン・ジアルオ)は、思いがけず軍の協力を得て、卓不凡(ジュオ・ブーファン)一行の追跡を再開する。その頃、卓不凡は仲間を救出するため、単身危険な任務に挑んでいた。都では、淇王爺(きおうや)が外国勢力の支持を取り付け、革命計画を推し進める。それぞれの場所で、それぞれの正義と目的のためにキャラクターたちが動き出し、物語は新たな局面を迎える。
「天行健~革命前夜、風立ちぬ~」あらすじネタバレ12話
いやあ、今回も各陣営の動きが目まぐるしくて、情報量がすごかったですね!宝探し、革命、そして個人的な因縁…それぞれの物語が複雑に絡み合って、ますます目が離せなくなってきました。
さて、さっそく第12話の世界に飛び込んでいきましょう!
40年の沈黙が破られる時
前回、穆青(ムー・チン)が問い詰めていた秦捕頭(チンほとう)が、ついに重い口を開きました。
話は40年前に遡ります。内務府が血眼になって探していた「铲子(シャベル)」という人物。汾州府で追い詰めたものの、どんな拷問にも口を割らなかったそうです。業を煮やした内務府は、なんと彼の妻子を人質に取るという卑劣な手段に。まさに絶体絶命!その時、どこからともなく一人の剣客が現れ、内務府の役人たちをバッタバッタと斬り捨てたというのです。
パニックになった若き日の秦捕頭(チンほとう)は、とっさにシャベルの幼い息子を盾にしてしまった…。その結果、顔に深い傷を負わされたものの、剣客は命までは奪わず、「この一件は誰にも話すな」と脅して去っていったとのこと。これが、彼が40年間も事件をひた隠しにしてきた理由だったんですね。
秦捕頭によれば、シャベルはすでに亡くなっており、彼の故郷は介休県の村だということですが、子孫の行方は分からないまま。穆青(ムー・チン)は早速、相棒の格泰(グータイ)と介休村の戸籍を調べに行きますが、シャベルの本名が分からないため、調査は難航してしまいます。
落ちぶれたエリート、まさかの大逆転
一方、我らが若き捕吏、王家洛(ワン・ジアルオ)は、ボロボロの姿でようやく汾州府にたどり着きました。北洋軍の駐屯地を見つけ、龍池(ロン・チー)将軍に会わせてほしいと頼み込みますが、そのみすぼらしい恰好から浮浪者のように扱われ、門前払いされてしまいます。
それでも諦めきれない王家洛(ワン・ジアルオ)は、せめてもと持参した手紙を託します。すると、事態は一変!手紙を読んだ龍池(ロン・チー)将軍は顔色を変え、すぐさま王家洛(ワン・ジアルオ)を連れ戻すよう命令。
あれよあれよという間に、王家洛は宴席でもてなされ、なんと「協軍校」という役職と30人の部下を与えられることに!さらに丁羽(ディン・ユー)という副官までつけてもらい、卓不凡(ジュオ・ブーファン)一行の追跡に全面的に協力してもらえることになりました。まさに、どん底からの大出世ですね!
しかし、この厚遇には裏がありました。龍池将軍は副官の丁羽にこっそり耳打ちします。「王家洛への協力は表向き。真の目的は、連中が追っている『浄壇秘蔵』の行方を監視することだ。宝を誰にも渡すな」と。やはり、軍も宝を狙っていたんですね。
都で渦巻く陰謀と嫉妬
その頃、都では淇王爺(きおうや)が上海から戻り、暗躍を続けていました。彼は、存清(ツン・チン)から贈られた書物から、自分の「屠龍の計(皇帝暗殺計画)」が見透かされていることを察知。すぐさまお返しの品を送り、「時勢を読め」と無言の圧力をかけます。
さらに、上海で英仏の領事と接触し、クーデターへの全面的な支持を取り付けたことを腹心の鐘海潮(ジョン・ハイチャオ)に報告。着々と計画を進めているようです。
その鐘海潮は、上海から帰国したばかりの烏蘭珊(ウランシャン)のもとを訪れます。穆青(ムー・チン)と会ったのかと探るような質問を投げかけ、はぐらかす烏蘭珊(ウランシャン)の態度に嫉妬の炎を燃やすのでした。どうやら12年前、烏蘭珊(ウランシャン)と穆青は互いに想い合う仲だったものの、結ばれなかったという過去があるようです。この三角関係も、今後の物語に大きく影響してきそうですね。
義侠の剣、師を救う
そして、もう一人の重要人物、卓不凡(ジュオ・ブーファン)も動きます。彼は霍芩(フオ・チン)たちを連れて澤州へ向かい、深夜、たった一人で大牢に侵入。そこに囚われていた師伯(師匠の兄弟子)の莫堃(モー・クン)を見事に救出します。
翌日、融天嶺一派は師伯の帰還を盛大に歓迎。特に、赤ん坊の頃に莫堃に拾われ、親子同然に育った于煥傑(ユー・ホアンジエ)は、卓不凡(ジュオ・ブーファン)に心からの感謝を伝えます。
師伯が捕らえられていたのは、かつて維新派に協力したことで、変法失敗後に逆賊として追われる身となったからでした。卓不凡(ジュオ・ブーファン)が彼を救出したのは、恩ある師伯を助けるという義侠心だけでなく、彼の存在によって、派閥内で対立しがちな于煥傑を牽制するという狙いもあったようです。さすがは卓不凡、一筋縄ではいきません。
それぞれの思惑が複雑に絡み合い、物語は新たな局面へと突入しました。
『天行健~革命前夜、風立ちぬ~』第12話の感想
今回のエピソードは、各キャラクターがそれぞれの場所で、それぞれの目的のために奔走する姿が印象的でした。穆青と王家洛という二人の主人公が宝の謎を追う本筋が進む一方で、都では淇王爺が着々と革命の準備を進め、江湖では卓不凡が自らの勢力を固めるための行動を起こす。これら複数の視点が同時進行することで、物語に立体感と深みが生まれています。特に、王家洛が軍の協力を得るものの、それが監視目的であったという裏の顔が明かされる展開は、一筋縄ではいかないこの物語の面白さを象徴しているように感じました。また、ウランシャンと穆青の過去が少しだけ明かされたことで、登場人物たちの人間関係にもより一層の興味が湧いてきます。単純な宝探しや勧善懲悪ではない、複雑な人間ドラマから目が離せません。
つづく