ついに秘宝が眠るという「安慧寺」の現在の名が「浮土寺」であることが判明。舞台は福建省に移り、穆青(ムー・チン)、卓不凡(ジュオ・ブーファン)、そして彼らを追う王家洛(ワン・ジアルオ)ら、各勢力が運命の地に続々と集結します。それぞれの譲れない想いと過去の因縁が再び交錯する中、一行は寺で圧倒的な力を持つ謎の僧侶と遭遇。宝を巡る争いは、新たな強敵の出現と、思わぬ人物が握っていた切り札によって、予測不能な局面へと突入します。

「天行健~革命前夜、風立ちぬ~」あらすじネタバレ18話

いやはや、今回の『天行健』は物語が大きく動きましたね!舞台はついに宝が眠るとされる福建へ。各勢力がひとつの目的地に向かって収束していく展開は、まさに手に汗握る面白さでした。

それぞれの思惑、それぞれの道

北京では、淇親王(きしんのう)の娘婿である鐘海潮(ジョン・ハイチャオ)が、革命を志す謝先生に胸の内を明かします。彼は、自分を利用しようとする淇親王ではなく、大清の未来を握る北洋こそが自分の進むべき道だと考えているようです。その一方で、妻のウランシャンとの会話では、かつて変法に失敗し囚われた穆青(ムー・チン)を想う彼女の心情に触れ、もし自分が同じ立場になったら…と問いかけます。ウランシャンの心の中には、今も昔も変わらぬ穆青(ムー・チン)への想いが秘められているようで、この夫婦の未来も気になるところです。

ついに判明した宝のありか「浮土寺」

さて、物語の主軸は福建へ。宝の鍵を握る「安慧寺」の情報を求めていた卓不凡(ジュオ・ブーファン)一行は、その寺が40年前の山洪で水没し、今では「浮土寺」と名を変え、寂れていることを突き止めます。時を同じくして福建に到着した穆青(ムー・チン)一行も、同じ情報を掴んでいました。なぜ寺は改名し、没落したのか…穆青はその理由こそが、秘宝に繋がる鍵だと確信します。

しかし、卓不凡(ジュオ・ブーファン)の懐事情は火の車。師娘である霍岑(フオ・ツェン)が自分の銀銭を使おうと申し出ても、彼は頑なに拒否。さらに霍岑は、師娘ではなく、ひとりの師妹として卓不凡(ジュオ・ブーファン)のそばにいたいと願いますが、その想いも一蹴されてしまいます。門派復興という大義のため、非情に徹しようとする卓不凡の姿が痛々しいですね。

過去の因縁、再会と断罪

そんな中、福建の街で王家洛(ワン・ジアルオ)が、死んだはずの融天嶺の師兄・于煥傑(ユー・ホアンジエ)の姿を目撃!彼は北洋軍を率いて支援に来た丁羽(ディン・ユー)と合流し、追跡を続けます。

そして、ついに于煥傑は卓不凡の前に姿を現しました。「師伯や師兄弟の命をお前の出世の踏み台にしやがって!」と卓不凡を激しく非難します。卓不凡は、山西での一件は門派のためだったと弁明しますが、于煥傑の怒りは収まりません。彼は、師伯が自らを犠牲にしてまで卓不凡に機会を与えたこと、そして「卓不凡を恨むな」という遺言を伝えつつも、「宝を見つけた日、必ずお前をこの手で殺す」と復讐を誓うのでした。この師兄弟の愛憎入り混じる関係、たまりませんね…。

浮土寺の死闘、そして新たな局面へ

翌日、卓不凡一行は浮土寺に乗り込みます。しかし、菩提の伝人から託されたという口令を知らないため、渡厄(ドゥーオー)大師に一蹴されてしまいます。そこへ穆青一行も到着し、両者は再び激突!卓不凡の剣が穆青を捉えようとしたその瞬間、渡厄大師が割って入り、いとも簡単に卓不凡を打ち負かしてしまいます。この渡厄大師、ただの僧侶ではなさそうですね。

方丈に招かれ、寺の中へ案内される穆青。しかし、その行く手を柳琳(リウ・リン)が阻みます。「宝は同盟会に渡すものよ!」そう言うと彼女は、かつて譚先(タン・シエン)から託されたという口令を、よどみなく唱え始めたのでした!

まさかの柳琳(リウ・リン)が切り札を持っていたとは!これで物語は一気に革命派に傾くのでしょうか?三者三様の思惑がぶつかり合う浮土寺で、一体誰が宝を手にするのか。目が離せません!

『天行健~革命前夜、風立ちぬ~』第18話の感想

今回のエピソードは、これまで各地に散らばっていた点と点が、福建の「浮土寺」というひとつの線で結ばれる、非常に構成の巧みな回でした。北京での権力闘争の裏側、そして宝を追う者たちのそれぞれの信念と葛藤が色濃く描かれ、物語に一層の深みを与えています。特に印象的だったのは、卓不凡と于煥傑の再会シーンです。門派のため非情な道を選んだ卓不凡の苦悩と、師を殺された復讐心に燃える于煥傑の対立は、本作のテーマである「それぞれの正義」を象

徴しているようでした。また、圧倒的な強さを見せつけた渡厄大師の登場や、最後の最後で柳琳(リウ・リン)が口令を唱えるという鮮やかな展開には、思わず唸ってしまいました。アクションだけでなく、キャラクターの内面を丁寧に描くことで、重厚な人間ドラマが紡がれており、物語への没入感を高めています。

つづく