いやはや、今回も息つく暇がなかったですね!清朝の密偵・穆青(ムー・チン)、融天嶺の剣客・卓不凡(ジュオ・ブーファン)、そして謎の男・王家洛(ワン・ジアルオ)が三つ巴で激突。物語の核心である「宝」を巡る争奪戦は、ますます激しさを増しています。

第6話では、ついにその宝の正体と、それにまつわる壮大な歴史の秘密が明かされました。早速、あらすじとネタバレを見ていきましょう!

三つ巴の乱戦!敵か味方か、それぞれの正義

融天嶺(ゆうてんれい)に追い詰められた王家洛(ワン・ジアルオ)。絶体絶命かと思われたその時、割って入ったのはなんと穆青(ムー・チン)でした。穆青(ムー・チン)は卓不凡(ジュオ・ブーファン)と互角の戦いを繰り広げ、二人の間にはライバルとしての奇妙な絆のようなものが芽生えます。

しかし、そこに日本人が介入したことで状況は一変。三つの勢力が入り乱れる大混戦へと発展します。この混乱に乗じて、革命派の柳琳(リウ・リン)は宝の秘密を握る譚先(タン・シエン)を連れて逃げようとしますが、日本人に阻まれてしまいます。追い詰められた柳琳(リウ・リン)は、譚先を人質にとるという大胆な行動に出て、その場を膠着させました。

最終的に、フランス租界の警察が介入し、譚先と柳琳(リウ・リン)の身柄を確保。穆青たちも手出しができず、各勢力は一旦引くことになります。穆青としては、目の前でみすみす重要人物を連れ去られ、さぞ悔しかったことでしょう。

明かされる宝の秘密「浄壇密蔵」

フランス租界のホテルに匿われた譚先と柳琳。しかし、そこも決して安全な場所ではありませんでした。いつ命を狙われるか分からない状況で、譚先はついに重い口を開き、一族が守り続けてきた秘密を柳琳に打ち明けます。

その秘密とは、清朝を根底から揺るがしかねないほどの莫大な財宝「浄壇密蔵(じょうだんみつぞう)」の存在でした。

話は12年前の「戊戌の変法」に遡ります。当時、譚先の父は改革派の譚嗣同(たんしどう)と共に活動していましたが、変法は失敗に終わり追われる身となりました。彼らを救ったのが、南少林の僧・程昱(チェン・ユー)でした。

程昱は、かつて康熙帝が南少林を焼き討ちにしてまで探したという「浄壇密蔵」の継承者の一人だったのです。彼はこの宝を、新しい国を作る力を持つ孫文(そんぶん)に託したいと考え、その手がかりを記した手紙を譚先の父に送っていました。その手紙には、宝のありかを示す墓の場所と、そこで使う口令(合言葉)が記されていたのです。譚先は、同じく同盟会の一員である柳琳に、この重大な秘密を託したのでした。

ホテルでの攻防戦!化かし合いの始まり

一方、各勢力もただ黙って見ているわけではありません。融天嶺の卓不凡(ジュオ・ブーファン)は、部下の霍芩(フオ・チン)が譚先の服に追跡用の印をつけていたことから、彼らがフランス租界のホテルにいることを突き止めていました。

清朝、融天嶺、そして日本人。三つの勢力は、互いに罪をなすりつけるため、それぞれが相手になりすましてホテルに潜入しようと画策します。なんという腹の探り合い…!

この危険な状況を察知した柳琳は、自分が譚先の服を着ておとりとなり、その隙に本人を逃がすという決死の作戦を立てます。

そんな中、譚先の部屋のドアがノックされます。ルームサービスを名乗る声がしますが、彼は注文した覚えがありません。ドアを開けずにいると、やがて相手は立ち去り、ドアの下には一枚のメモが。そこには「夜1時に階下の電話ボックスへ」と書かれていました。これは、同盟会からの接触に違いありません。物語は、新たな局面を迎えようとしていました。

『天行健~革命前夜、風立ちぬ~』第6話の感想

これまで謎に包まれていた「宝」の正体が「浄壇密蔵」という具体的な名前と共に明かされ、物語が一気に深みを増した回でした。戊戌の変法という史実と絡めながら、南少林の伝説や王朝を揺るがす財宝といったフィクションが巧みに織り交ぜられており、歴史ロマンとしての面白さが際立っています。

穆青と卓不凡の対決シーンは、単なる敵対関係ではなく、互いの実力を認め合う武人としての矜持が感じられ、今後の二人の関係性が非常に気になるところです。また、各勢力が互いになりすまして潜入しようとするホテルでの攻防戦は、アクションだけでなく、知略と心理戦の様相を呈してきました。誰が敵で誰が味方なのか、誰が誰を騙しているのか。この複雑に絡み合った人間関係とそれぞれの思惑が、物語に緊張感と厚みを与えています。歴史の大きなうねりの中で、個人の信念や運命がどう交錯していくのか、目が離せません。

つづく