顧雲崢(グー・ユンジョン)の父が、蘇為安(スー・ウェイアン)の母を訪ね、二人の交際に猛反対の意を伝える。これをきっかけに、これまで固く閉ざされていた顧雲崢(グー・ユンジョン)の過去の扉が開かれ、彼の母親の死にまつわる衝撃的な事実と、複雑な家族関係が明らかになる。次々と押し寄せる困難に直面しながらも、蘇為安(スー・ウェイアン)と顧雲崢はお互いを支え合い、その絆をより一層深めていく。一方、顧雲崢は、病気で落ち込む蘇為安の叔母を元気づけるため、心温まるサプライズを計画する。
「 癒やしの恋人~ロマンスの処方箋~」あらすじネタバレ29話
嵐の幕開け!父の訪問と残酷な宣告
物語は、顧雲崢(グー・ユンジョン)の父・杜永松(ドゥ・ヨンソン)が、なんと蘇為安(スー・ウェイアン)の母を突然訪ねてくるところから始まります。彼は単刀直入に、息子と蘇為安(スー・ウェイアン)の交際に猛反対していることを告げ、その理由として「蘇為安(スー・ウェイアン)がハンチントン病の遺伝子を持っているからだ」と残酷な事実を突きつけました。愛する娘の病気を、よりによって息子の父親から知らされた蘇母の衝撃と怒りは計り知れません。彼女は杜永松(ドゥ・ヨンソン)を家から追い出し、一人涙に暮れるのでした。
帰宅した蘇為安は、母の様子からすべてを察します。そして、これまで知らなかった「顧雲崢(グー・ユンジョン)の父が杜永松である」という事実に愕然とし、急いで顧雲崢のもとへ。なぜ隠していたのかと問い詰める蘇為安に対し、顧雲崢はついに、重い口を開きます。
顧雲崢の告白…母の死に隠された衝撃の真実
顧雲崢が語り始めたのは、彼の家族にまつわる悲しい過去でした。彼の母・顧星辰(グー・シンチェン)が亡くなったのは、単なる事故ではなかったのです。父・杜永松が、顧星辰(グー・シンチェン)との婚姻関係中に不倫をしていたことが、悲劇の引き金でした。
その夜、蘇母は亡き夫の遺影の前で、これまでの蘇為安の不可解な行動の数々を思い出していました。すべてがハンチントン病の症状だったと気づき、涙が止まりません。しかし、彼女は絶望の淵で、娘を全力で支え、共にこの難関を乗り越えることを強く誓うのでした。母と娘が抱き合う姿は、涙なくしては見られませんでした。
一方、顧雲崢もまた、父・杜永松と激しく対立します。「他人の人生に口出しする資格があなたにあるのか!」と詰め寄る顧雲崢に、杜永松は悪びれる様子もありません。しびれを切らした顧雲崢が突き付けたのは、一枚の古い写真。そこに写っていたのは、父の不倫相手と、その間に生まれた異母兄弟・杜雲成(ドゥー・ユンチョン)の姿でした。
なんと、杜永松は顧雲崢が生まれる前から、別の女性との間に子供をもうけていたのです。母・顧星辰はこの写真を見てしまったことで、最愛の夫の裏切りに深く絶望し、精神的に不安定な状態で工事現場に向かい、事故に遭ってしまったのでした。
父の裏切りが母の命を奪い、自分の子供時代を偽りと悲しみで塗りつぶした…顧雲崢の魂の叫びが、杜永松に突き刺さります。
さらに驚くべきことに、この決定的な写真を母・顧星辰に送りつけたのは、杜永松の現在の妻・崔潔(ツイ・ジエ)だったことが判明。自分が後妻の座に収まるために仕組んだことだと開き直る彼女に、杜永松は怒りと失望を隠せません。
試される二人の絆と、一筋の光
複雑すぎる家庭環境を知った蘇母は、顧雲崢が良い青年だと分かっていながらも、娘がこれ以上傷つくことを恐れ、二人の交際に反対します。
しかし、顧雲崢は諦めません。毎日めげずに蘇母にアピールを続けますが、なかなか認めてはもらえません。それでも、顧雲崢と蘇為安の絆が揺らぐことはありませんでした。
そんな中、病状が悪化し、誰とも会いたがらない叔母・蘇媛(スー・ユエン)を見かねた顧雲崢は、ある素敵なサプライズを計画します。それは、彼女の教え子たちによる、野外でのサプライズ・ヴァイオリンコンサートでした。かつて自分が輝いていた舞台を思い出し、教え子たちと再会した蘇媛(スー・ユエン)の心は、少しずつ癒されていきます。
この心温まる計らいは、頑なだった蘇母の心をも動かし、顧雲崢への評価を大きく変えるきっかけとなったようです。
物語の最後には、研究費の不足に悩む蘇為安のために、顧雲崢が「微光科研基金」への応募を決意する場面も描かれ、二人の未来に新たな希望の光が差し込みました。
『 癒やしの恋人~ロマンスの処方箋~』第29話の感想
今回は、登場人物たちが背負ってきた過去の重みが、一気に押し寄せてくるような回でした。特に、顧雲崢が抱える心の傷の深さは想像以上で、彼の冷静で完璧主義な態度の裏に、どれほどの悲しみと怒りが隠されていたのかと思うと、胸が痛みます。父の裏切りと母の死という壮絶な過去を知ってもなお、蘇為安を愛し、守り抜こうとする彼の強さと誠実さには、心から敬意を表したいです。
また、蘇為安の母の苦悩と決意にも深く感動しました。娘の病気、そして恋人の複雑な家庭環境という二重の苦しみに直面しながらも、娘と共に戦うことを選んだ母の愛の強さは、この物語の大きな救いの一つです。顧雲崢が叔母のために企画したサプライズは、彼の優しさが凝縮された素晴らしいシーンで、凍てついた心を溶かすような温かさを感じました。多くの困難が明らかになりましたが、それらを乗り越えようとするキャラクターたちの姿に、確かな希望を見出すことができた、非常に見応えのあるエピソードでした。
つづく