いやあ、今回の『幻楽森林』第14話は、じりじりと心を炙られるような展開でしたね!姉妹の間に横たわる深い溝と、蘇若珊(そじゃくさん)の恐ろしい策略が本格的に動き出しました。それでは早速、波乱の第14話の詳しいあらすじとネタバレを見ていきましょう!

甘い調べは罠の序曲?雲沐(うんもく) に迫る蘇若珊(そじゃくさん)

物語は、蘇若珊(そじゃくさん)が雲沐(うんもく) を自室に招き、得意の箜篌(くご)を披露するシーンから始まります。 曲名は『碧玉思』。かつて自分を救ってくれた「碧玉の少年」への想いを込めて作った曲だと語り、後半の作曲を雲沐(うんもく) に託したいと甘くささやきます。 これはもう、遠回しな愛の告白ですよね。彼女の心にはずっと雲沐がいたのだと、必死にアピールします。

しかしその時、突然天井の吊り灯籠が落下!蘇若珊は身を挺して大切な箜篌を守り、足に怪我を負ってしまいます。 慌てて彼女を抱きかかえ治療に向かう雲沐。自分への想いの深さに心を動かされたかと思いきや、駆けつけた妹の蘇若非(そじゃくひ)を、蘇若珊は冷たく追い払います。 そして二人きりになったところで、雲沐に想いへの答えを迫りますが、雲沐の口から出たのは「感謝はしているが、恋愛感情はない」という残酷な言葉でした。

一方、雲沐は吊り灯籠の縄がネズミに噛み切られたという調査結果に違和感を覚えます。なぜこんな場所にネズミが?姉妹の不穏な空気も相まって、彼の心には疑念の種が蒔かれるのでした。

過去の傷と現在の策略

蘇若珊のもとへは、彼女にご執心の雲尚(うんしょう)(うんしょう)(うんしょう)がお見舞いに駆けつけます。 蘇若珊は有力者である雲尚(うんしょう)(うんしょう)を味方につけておこうと、彼から贈られた杖を使って見せるなど、うまく取り入るしたたかさを見せます。

その後、雲沐と共に雲尚から贈られた豪華な馬車を見に行くと、一人の貧しい少女が車に触れただけで、御者に鞭で打たれるという事件が起こります。 蘇若珊は激しく御者を叱りつけ、少女を車に乗せて手当をしながら、自身の腕の古傷を見せ「今は耐えれば、いつか必ず道は開ける」と諭すのでした。 その姿は心優しい貴婦人そのもの。しかし、これには彼女の辛い過去が関係していました。幼い頃、同じように馬車に触れて鞭打たれた経験を持つ彼女は、その後、蘇若非(そじゃくひ)の両親に養女として引き取られ、今の地位を手に入れたのです。 彼女の優しさは、本心なのか、それとも…?

コンクールに渦巻く陰謀と、燃え上がる楽器室

音楽コンクールでは、蘇若非(そじゃくひ)のグループが『相思引』を見事に演奏し、満場の一致で第一位に輝きます。 しかし、蘇若珊を贔屓する雲尚が「怪我で参加できなかった蘇若珊が不憫だ」と結果に異議を唱え、なんと彼女の屋敷での再試合を強引に決定させてしまうのです。

この提案を、蘇若非は潔く受け入れます。彼女は姉に再試合の件を伝えに行きますが、そこで蘇若珊はわざと油差しを倒し、蘇若非に後始末を押し付けます。 さらに、特定の人物から新しい油を借りてくるように指示。これが、後にとんでもない事態を引き起こすとは、この時の蘇若非は知る由もありませんでした。

そして約束の刻。関係者が楽器室に集まると、そこは炎に包まれていました。そして、扉の前には蘇若非が一人、呆然と立ち尽くしていたのです。 状況証拠はあまりに黒。雲尚は「蘇若非が放火したに違いない!」と彼女を捕らえさせようとします。 靳商羽(きんしょうう)が庇おうとしますが、蘇若非は「私はやっていない」と潔白を主張。そんな中、被害者であるはずの蘇若珊が「どうか妹を責めないで」と慈悲深い言葉を口にするのでした。

牢に入れられた蘇若非のもとに、雲沐が駆けつけます。彼は必ず助け出すと固く誓い、黄鶯(こうおう)と靳商羽(きんしょうう)は早速、火事現場の調査を開始。 現場に残された「夜来香」の香りと、油が入っていた容器から、犯人が幻楽坊の内部にいることを突き止め、反撃の糸口を見つけるのでした。

『幻楽森林』第14話の感想

今回のエピソードは、蘇若珊という人物の多面性、その底知れない深淵をまざまざと見せつけられた回でした。可憐な被害者を演じながら、裏では冷徹な計算を働かせる姿には、もはや感嘆すら覚えます。彼女が過去に受けた心の傷が、現在の行動原理に繋がっていることが示唆され、単なる悪役ではない、複雑なキャラクター造形に引き込まれました。一方で、あまりに不器用で、真っ直ぐすぎるがゆえに罠にはまってしまう蘇若非が不憫でなりません。しかし、彼女の無実を信じ、即座に行動を起こす雲沐や仲間たちの存在が、この重苦しい物語の中の唯一の光です。サスペンスの色合いが一気に濃くなり、物語の核心へとぐっと近づいた感覚があります。真実が明らかになる時、姉妹の関係はどうなってしまうのか、目が離せません。

つづく