姉・若珊の策略により、全ての罪を着せられてしまった蘇若非(そじゃくひ)。雲沐(うんもく) は彼女を救うため、苦渋の決断の末、蘇若非を幻楽城から追放することを命じます。一方、雲沐の命を狙う陰謀も進行しており、事態は予断を許さない状況に。そんな中、蘇若非と雲沐の間にあった、幼い頃の重要な繋がりが明らかになります。しかし、その真実が、かえって二人の心を深くすれ違わせてしまうのでした。
「幻楽森林」あらすじネタバレ16話
いやはや、今回の『幻楽森林』第16話は、本当に心が締め付けられる展開でしたね…。信じていたはずの姉からの裏切り、そして愛する人を守るための辛すぎる決断。見ているこちらも涙なしではいられませんでした。
若珊の恐ろしい本性、そして雲沐(うんもく) の苦渋の決断
物語は、若珊(じゃくさん)の罠にはまり、投獄されてしまった蘇若非(そじゃくひ)の元に、親友の黄鶯(こうおう)と靳商羽(きんしょうう)が駆けつけるところから始まります。蘇若非(そじゃくひ)は姉になぜ陥れられたのか分からず戸惑うばかり。そこへ黄鶯が、領主(りょうしゅ)が雲沐(うんもく) と若珊の結婚を命じたという衝撃の事実を告げてしまいます。蘇若非(そじゃくひ)は、姉の裏切りの理由が「雲沐(うんもく) の妻」という地位のためだったと悟り、涙を流すしかありませんでした。
一方、雲沐もシャンデリア落下の現場を独自に調査し、琴の弦が使われた痕跡から、事件が若珊の仕業であると確信します。しかし、彼女の真の目的が何なのか、まだ掴めずにいました。
そんな中、若珊は牢獄の蘇若非を訪ね、二人の前ではついにその本性を現します。「あなたがここに来なければ、こんなことにはならなかった」と、自分が「大楽正」の地位を得るために全てを仕組んだことを告白。そこに現れた雲沐は、若珊を睨みつけ、蘇若非の手を引いてその場を去ります。
しかし、すべての証拠が蘇若非を犯人だと示している状況では、雲沐も彼女を救うことができません。彼が下した決断は、蘇若非を幻楽城から追放することでした。蘇若非は、雲沐が若珊と結婚するために自分を追い出すのだと誤解し、絶望します。大雨の中、涙ながらに去っていく蘇若非。その背中を見送った雲沐もまた、扉の陰で一人、涙に暮れるのでした。このシーンは本当に辛かったですね…。
仕掛けられた罠と、悲しい結末
蘇若非が追放される道中、靳商羽(きんしょうう)と黄鶯が追いつき、彼女を自分たちの隠れ家である緑光楽坊へ匿います。
その頃、雲沐の命を狙う黄大人(こうたいじん)は、雲尚(うんしょう)(うんしょう)(うんしょう)に焚きつけられ、雲沐が若珊との結婚を祝う宴の席を襲撃します。しかし、これは全て雲沐側の罠でした。雲沐の腹心である小七(しょうしち)が毒で倒れたのも、敵を誘き出すための芝居だったのです。追い詰められた黄大人は、証拠を残さぬよう火麟丸を使って自ら命を絶ち、灰となって消えてしまいました。黄大人は、死ぬ間際に雲尚(うんしょう)(うんしょう)へ「残りの人生、雲沐様を守れ」と言い残しており、その忠義とも狂気とも言える結末に、雲沐は自責の念に駆られます。
ついに判明!碧玉の持ち主と、幼き日の約束
物語の終盤、衝撃の事実が明らかになります。
雲沐を心配して部屋を訪れた蘇若非は、そこで見覚えのある「碧玉」を発見します。それは、かつて蘇若非が持っていたものでした。
二人の記憶が、ここで一気に繋がります。
幼い頃、森で出会った二人。蘇若非が吹いていた排簫(はいしょう)の音色に、雲沐は惹きつけられました。二人は友情の証として碧玉を分け合い、再会を約束したのです。雲沐が大きな方を持っていったため、蘇若非が彼を「小气鬼(ケチ)」と呼んだ、甘酸っぱい思い出も蘇ります。
そう、雲沐がずっと探し続けていた「碧玉の少女」の正体は、若珊ではなく、蘇若非だったのです。若珊は妹から碧玉を盗み、その少女になりすましていたのでした。
蘇若非は、自分があの時の少女だと証明するために、思い出の曲を排簫で奏でます。雲沐は蘇若非を強く抱きしめ、探し続けた運命の相手が彼女であったことを確信します。しかし、喜びも束の間、蘇若非は「領主(りょうしゅ)の命令で碧玉の少女(若珊)と結婚するために、私を追い出したのね」と再び誤解してしまいます。雲沐は弁明しますが、彼の言葉は届かず、蘇若非は傷心のまま彼の元を去っていくのでした。やっと真実がわかったのに、二人の心はまたもやすれ違ってしまうのです。
『幻楽森林』第16話の感想
第16話は、真実が明らかになる一方で、登場人物たちの心がさらに深くすれ違う、非常によくできた脚本だと感じました。特に印象的だったのは、雲沐の苦悩の深さです。彼は蘇若非を深く愛しながらも、領主の命令や張り巡らされた陰謀の中で、彼女を守るためには突き放すという最も辛い選択しかできませんでした。雨の中、涙をこらえながら蘇若非を送り出す姿には、彼の痛みが痛いほど伝わってきました。また、信じていた姉に裏切られ、愛する人からも誤解されてしまう蘇若非の悲しみも胸に迫ります。過去の美しい思い出が明らかになった瞬間に、最も残酷な現実が突きつけられるという構成は見事でした。この複雑に絡み合った人間関係と運命が、これからどのように解きほぐされていくのか、目が離せません。
つづく